軒坂様の制作された、短編感動系百合ADV、“潮風の向こう”の感想を書かせて頂きますね。
本作は女子高生の主人公“沙槻”が、友人の女子高生“英莉”を連れて、彼女等の実家と親戚の家がある町に遊びに行く、そんな休日を描いたストーリーです。
最初に校舎裏で沙槻が英莉に暴言を吐いていた所に、これはまさかイジメ……!?と早とちりしてしまいましたが、全然そんな事はありませんでした(笑)。
しっかり者で要領が良く、言動はちょっぴりキツい物の、本当は友達想いのツンデレ沙槻と、何時も穏やかで優しいけれど、行動がちょっぴりノロい、頼りなさげなのほほん英莉のコンビが、上手く対称的なキャラクターになっているのが良かったと思います。
外見的にも違いが現れていて、沙槻はショートカット&ミニスカート、英莉はロングヘアー&ロングスカートで、何となく性格とマッチしているような気がします。
気になってしまった点は、大きく挙げると2点ありまして、まず1点目は兎に角、物語が余りに短過ぎて、折角キャラが魅力的だと言うのに、直ぐに終わってしまうのが残念に思えてならないんですよね。
選択肢もEDも非常に少なく、全ての選択肢を選んで、全てのEDを見たとしても、ゲーム紹介の20分と言う時間すら掛からなかったように思います。
それだけもう少し掘り下げて欲しいと思わせられる二人の関係だった訳ですが、それにしたってやっぱり短いので、例えば例の先輩関連のイベントがあったりとか、ハッピーエンドを見る事が出来たら、その後日談をおまけで追加してくれたりと言った配慮が欲しかった所です。
もう1点は、二人の実家と親戚の家がある町と言う設定ではありますが、挨拶も早々と済ませてしまい、その後はストーリーに絡んで来なかった事もあり、特にこの設定がなくても全く問題がなかったのではないかと思ってしまった事です。
まあ、この二人の故郷と言う事で、絆の深さを感じさせる為には、この設定も必要だったのかも知れませんが……。
後は少しだけ目立つ誤字、脱字のような物が何点か見受けられました。
とは言え、これだけ短い物語の中で、百合度は軽めではある物の、胸が温かくなったり、切なくなる、そんな素敵なストーリーが確かに描かれていた事に感動しました。
本当にキャラのタイプがしっかりと表現されているからこそ、二人の会話イベントだけで終わってしまうのが、余りに惜しまれてしまう……、そんな作品でした。
あっさり感はありますが、前作“彼は誰刻”よりも読み易い文章であり、個人的にはこっちの方が楽しめました。
罵りながらも、どれだけ沙槻が英莉の事を大切に思っているのかが、良く伝わって来ました。
どうにも頼りなくて、放って置けない英莉ちゃんを、今度は沙槻がしっかり守ってあげて欲しいと、そんな風に思いました。
それでは、これにて失礼致します。
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