確かに●●●●(ネタバレになるので)思考はあかん!!/青桐 明
**ネタバレも含みます**
ムクロジさんのゲームからは新たなものの捉え方や考え方に気付かされることが非常に多く、プレイしていて感嘆することが多いです。
この作品にも
「ああ、そういう捉え方もできるよなあ」
と思わされることが多く、色のないモノクロの世界とは裏腹にポジティブな思考力を働かせてくれる効果があってプレイしてみて損することは、まず、ないんじゃないかと思います。
(人によって感想は異なると思いますので、申し訳ないことですが断言はできません)
神様というか、これは(言っちゃったよ)もう、”我儘を極めた絶対的な権力を誇る王様”ですね。
そして、神様と王様は同義ではないと思います。
もういっそのこと、冒頭の我儘な女の子と同じような経験をしてこい、と言ってやりたい神様だと感じました。
ただ、鳥さんを自殺に追い込んじゃダメだよ!というか、鳥さんも鳥さんだ。
足に味覚を持つ蝶々じゃないんだから、綺麗好きでも自殺しちゃダメだよ!!
そして、神様の妹君の方にムクロジさんの思想がこもっているような気がしました。
まず”普通”の男の子がどれだけレアな存在であるか、神様は理解すべきでしたね。
そもそも信仰心を持たず、普遍的な精神を持つということは、グレーゾーンの位置に立ちます。
だとすれば、陰と陽、どちらを選ぶか、または双方とも受け入れられる可能性を兼ね備えているのではないだろうか、もし、そうだとすれば、既に天性の素質を内に秘めているかもしれない男の子(これで彼のような女の子をも存命させてあげることが出来ればまだ好かったのではないかと思いますが)に何も拗ねる必要はなかったのではないかと、私的にはそう思いました。
そもそも、人類を自分で作った設定であるならば、自分の都合にそぐわないから、という理由で、ノアの洪水で人類を滅ぼすというのは、我が子を虐待死させる親と、さほど変わりない気もしますね。
リセットというより、倫理や道徳、そして個々人の違いを許し合える心を”育む”切欠を人間達に与えた方が良かったのではないかとも、思いました。
そして、相変わらず歌声が可愛いな畜生!!
可愛い声が、ムクロジさんにとって、誉め言葉となるかどうかは定かではないので、些か不安な気持ちではありますが、個人的には僭越ながらも、称賛しているつもりです。
そして、リセットされた世界に色が存在していないことも「うまいなぁ」と思いました。
というのも、このゲームをプレイしていて思い浮かんだ言葉は、モノクロと相反して花鳥風月というものだったからです。
花鳥風月には二つの意味合いがあって、自然と戯れ、その自然の美しさや険しさから、詩を認めることを趣きとする意味合いと、人間の華の世界の中で色事に興じ、耽溺する意味合いを持っているからです。(これは類語の方だったかな)
自然の色も流され、主人公にとってのイブも流され、いずれにせよ色っ気を失った世界に自然の美しさも色事の快楽もあったもんじゃないなと私的にはそう思いました。
ムクロジさんの創意工夫を私という他者が言い当てることは出来ませんが、それでも絶対的に断言できることは
「感動できるものが確かにそこにあった。」
ということでしょうか。
素晴らしいストーリーを誠に有難うございました…!!
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