何故海老が
オススメ度:不思議なノベル読みたい人向け
・主人公から登場人物まで不思議キャラでかわいらしい
・分岐は片方がBADENDパターンが続くので
選択肢で右下のギアマークからセーブ推奨
・話の展開よりはキャラ自体を楽しむ傾向が強め
独自グラフィック形式が印象的なショート・ノベル
「シュゲー」が面白かったので、作者さんの最新作、ということでプレイ。
クリアまでに5分、全てのルートを見終えるまでに10分程度でした。
路地裏の精霊的存在(あるいは「路地裏そのもの」)・次郎子ちゃんが、路地裏を散策しつつ、「つむじ風のおじさん」の悩み事を解決(…?)する、おとぎ話チックなショート・ノベルゲーム。ティラノスクリプト製。
一目スクリーンショットを見ただけで、この作品の最大の特徴が分かると思います。
縦長の画面に、イラストを割り箸?でくっつけた紙人形のようなモノクロのキャラクターグラフィック。
このようなキャラクター画像、私は寡聞にして他に見たことがありません。
この紙人形キャラクター、ひとりに対しての画像数が多めなので、多彩な表情や動作が視覚的に入ってくるのが魅力的です。
何気ないですが、実写加工と思われる背景画像も、モノクロのキャラクターを目立たせる配色が意識されていると思います。この独自の世界を作るのに貢献しています。
紙人形キャラというシステム?が非常にユニークでしたので、それ故のギミックがもっと用意されていたら(くるり、と回るとか、カタカタと揺れるとか、時に破れたり折れたりとか…)、「おおっ」となったかも、と思ったり。
次郎子ちゃんの「何故か空調室外機を背負っていてパイプが上部に伸びており、世界中の路地裏に行ける」という設定は素直にワクワクします。(あまり生かされなかったのが残念…)
路地裏には、多数の奇々怪々の存在やら、恐るべき宇宙からの侵略者やら、語尾に「しゅ」を付けて話す子(スターシステム!)などが待ち受けていたりしますが、基本的に目の前で淡々と現象が起きていくようなイメージで、確かに「路地裏散歩」的、です。
「シュゲー」のゲーム世界全体にも感じた、ほどよい脱力感が、このゲームにもありました。
人気のない路地裏を歩いている時に、ふと風が背後から吹き抜けて、そのふもとを振り返ってみると、一台の空調室外機がそこに置かれていたりしたら、次郎子ちゃんとつむじ風氏を思い出すかもしれません。
一口メモ:
割とゲームオーバー分岐が用意されているのですが、既読スキップなどは存在しませんので、選択肢時点でのセーブをオススメします。
そのゲームオーバールートもわざわざグラフィックが用意してあったりと、手が込んでいるのが愉快だったりします。
(私のふりーむ!内フリーゲーム感想のまとめページ:http://goo.gl/LkiLiK)
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