構成がとても上手だと思いました。
意味深な冒頭で興味を引き、物語はとてもテンポ良く進みます。
キャラクターも立っていて良かったですね。
反面、テンポが良すぎてちょっと急ぎ足に感じたところもあります。
もう少し丁寧に描写すれば深みが増したように思います。
キャラクターに関してですが
立ち絵のある二人と主人公全員が命がけで
誰かを助けようとするところは
とても格好いいですね。
色条さんが主人公に体当たりして主人公の身代わりになるところは
とても印象的でした。
すごく上手な短編だと思います。
おすすめです!
とても楽しくプレイさせていただきました!
ネタバレありですのでお気をつけてください。
まず、ストーリーへの惹きこみ方が尋常じゃなくお上手だと思います。
冒頭の謎めいた女の子(動物かな?)の死もそうですが、やはり主人公と占い師の会話で一気にストーリーに惹きこまれました。
バレンタインデーの日の回想で、色条さんの可愛さにニヤニヤした後に告げられる、シリアスな死の予言。それを簡単に認めてしまう主人公の隠れた異常性にプレイヤーは「おおッ!?」となってしまうこと間違いなしです。
日常からの突然の非日常への転換、その落差に僕はやられました。
そして、キャラクターがとても魅力的です。
色条さん、占い師、主人公はもちろんのこと、脇役のタクシードライバーですらキャラが立っているのにはシナリオライター様の実力の高さが伺えました。魅力的なキャラクター同士のテンポの良い掛け合いは必見です。
色条さん可愛すぎです! 主人公を庇うBADENDも良かった!
それと、選択肢ですがこれも絶妙だと思います。
キャラクター同士の掛け合いの端々にあった伏線を活かしてあるせいで、正しい選択肢を選んだ時にちょっとした快感があります。
ああ、あそこの台詞はここで主人公にこの行動をさせるためだったのかー、と。
BADENDもBADENDで見所があったので、プレイ後にテキスト差分を読むのが苦痛じゃありませんでした。とても良いBADEND!
最後に、占い師について。
結局占い師という存在とは何だったのかなぁ、と考える余地があるところにこの作品の余韻があると思います。
冒頭の女の子が占い師の前世であると思うのですが『天涯孤独』とあるように、彼女がどのような人生を歩んできたのかがとても気になってしまいます。
最期に彼女は色条さんに温もりをもらい、その恩返しに彼女を悲劇から助けます。でも、それには色条さんの最愛の人である主人公を犠牲にしなくてはいけない。占い師は主人公と別れるときに『利用してごめんね』という意味のことを言いますが、ここに色条さんさえ助かればいい、自分が色条さんに恩返し出来ればいい、といった独善的な感情が込められていると感じました。だからこそ、『天涯孤独』だったのかもしれませんが。
まあしかしこれもてんで的外れな考えかもしれません。人によって占い師の捉え方が違うのも、この作品の奥深さであり、懐の深さだと思います。
ペットボトルココア様、面白いゲームをありがとうございます。
次回作、期待しております。頑張ってください!
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