トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス
敵グラフィックと音楽がすべてオリジナルである他、武器・防具の名称と説明文の丁寧さ、シナリオの演出と戦闘システムの両面に貢献する「まなざし」の在り方など、世界観の構築とプレイヤーにそれを伝えたいという徹底したこだわりが感じられました。
シナリオは紹介にある通り、キリスト教をイメージした宗教に端を発した二国間の争いを描いたものです。
もっともこれは『表のテーマ』とでも言うべきもので、中盤以降をよく見ていると、結末に至る『裏のテーマ』も存在することが分かります。
ただし、この表と裏のバランスには若干の危うさがあり、覆るタイミングはもうちょっと早くても良かったかもしれないと思いました。
戦闘システムはごくシンプルながら、様々な装備品の持ち替えとスキルの使い分けが要求されるので、漫然と戦っていると苦戦します。
基本的に、小型の敵には突き技、大型の敵には転倒や衝撃を与える技が有効です。
槍の技はザコ戦闘では使い勝手が良い一方で一対一のボス戦闘では決定打に欠ける等、武器の設定にはゲームらしからぬ(!)リアリティがありました。
独自のシステムである「まなざし」ですが、ゲームシステムとしての位置づけは武器・防具・装飾品に次ぐ第四の装備品です。その効果は非常に強力であり、装備品以上に戦局を左右します。
「まなざし」は、イベントシーンや村人との会話で取得しますが、獲得時にはメールやSkypeの通知のようにリアルタイムでポンと画面に出てきます。
(ゲーム紹介の左下のスクリーンショットに「まなざし」の通知が入っています)
この通知は実にタイミング良く挿入されるので、特にコミカルな展開ではインパクトが強かったです。
残念だった点は、Ver.1.05B時点ですと、私の環境ではゲームの処理速度に難があったことです。
RPGツクールVXは元々重めですが、それでもデフォルト状態ならばプレイできる環境ではあるので、もう少し軽くなってくれれば嬉しいですね。
重厚な世界観
まず、中世の重厚な世界観に圧倒されました。
言葉遣いや立ち居振る舞いの一つ一つに臨場感が溢れており、終始中世の息遣いを感じられました。
登場人物も平民と貴族の考え方の違いや互いの陣営の考え方の差違が面白いです。一見すると両陣営共に気の良い人間なのに、根絶まで考えるに至る理由は秀逸でした。
最後にネガティブなコメントです。
動作の一つ一つにちょっとした間があるのですが、これが残念でした。セーブ画面への移行や会話の間もそうですが、町の外に出て地図から目的地に移動するまでの時間は、レベル上げをする気が失せるほどに億劫です。全体的に改善をお願い出来ればと思います。
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