青井えう様の制作された、中二病学園恋愛ADV、“電波電波カプリッチョ!”の感想を書かせて頂きますね。
本作は中二病を患っている高校二年生、赤塚一郎が、登校拒否になってしまった同級生の女の子を救う為に奮闘する物語。
物語は基本的には一郎の視点から語られるのですが、何しろ彼は中二病疾患者ですから、普通のそこ等の主人公とは感覚がズレまくっていてですね……。
光の組織シルバークロイツだとか、闇の組織デーモンビーストだとか、意味不明なキーワードが次から次へと出て来る上、唯一の友達である明夫の事までエージェントだと信じて疑わない始末。
一郎の頭の中では、常に些細な出来事すら難解な文章に置き換えられ、余りに考えが跳躍し過ぎていて、思わず吹き出してしまうシーンが多々ありました(笑)。
一度本気で一郎の頭の中を覗いてみたい物ですなぁ。
まあ、何しろそんな変態さんが主人公なのですから、基本的には明るく楽しくハートフルな物語で、遊園地でのデートイベントなんかもあったりします。
但し、途中で幼馴染のひなたのルートと、登校拒否の萌のルートに物語が大きく分岐しますが、その辺りからダークネスイントリューガー達の魔の手が忍び寄って来て、若干暗くてシリアスな展開も待ち受けています。
余りに悪質な方法で、一郎やヒロイン達は苦しめられるので、プレイヤーも見ていて辛くなるかも知れません。
ですが、心配する事は何もありません。
何故ならば、正義の心を持った現役中二病の一郎は、どんなにデーモンビーストに叩かれようとも、絶対に悪に屈する事はないからですっ!
印象的だったのは、ひなたルートで一郎が酷い目に遭って、今までは想像する事も出来なかった弱さを見せたシーンでしょうか。
しかし、それでも裏切者にも優しい言葉を掛ける辺り、中二病でも凄く良い奴って気がします。
どう考えても電波の変人ですが、ひなたや萌に好かれる理由も分かりますよ。
確かにカッコ良いと思います。
中二病だからこそ、普通の人間では出来ない事を、難なくやって退けてしまうのでしょうね。
ひなたルートも萌ルートも、両方とも感動する良い物語でした。
個人的には萌のような性格は好きなので、ちょっと一郎に嫉妬してしまいました(笑)。
ですが、オヤビンのハチャメチャな言動を見ていると、何だか胸がスカッとして来て、自分もこうなりたいと思ってしまうのでした。
因みに、個別のエンドも良いですが、ノーマルエンドもあれはあれで味があって、とても良かったと思いますよ。
一風変わった作品ではありますが、滅茶苦茶だけど何だかカッコ良い主人公の活躍を、貴方も楽しんでみてはいかがでしょうか。
それでは、これにて失礼致します。
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