口が堅くてもステータスは正直
RPG風の世界で、他人のステータスを覗いて事件を解決。
安楽椅子の上で思索に耽るよりも、文字通りごろごろ安楽する姿がお似合いな
超新米探偵ハイゼが、幾重にも計略の巡らされた難事件に挑みます。
ゲーム中で手に入れた情報・画像はいつでもどこでも確認可能。
注目タブや発言者フィルターで気になる部分をピックアップするなど
便利機能を活用しつつ、会話ログとにらめっこしながら謎に立ち向かいます。
よいところは、察しが悪くても最後まで遊べる作りになっていることです。
推理を間違えても成績が減るだけでゲームオーバーにはなりません。
個々の問いかけについても、選択肢は少なくとも総当たりで突破できるし
答えが何通りにもなる文章作成は顔芸でヒントがあるなど
難易度ハードを選んだとしても事件の真相までたどり着ける配慮があります。
ひとつ気になった点は、マウスドラッグで視点をぐりぐり動かせるのは
言われなければ気づきにくい操作なのではと感じました。
クリックだけで途中まで問題なく進められるあまり、いざ必要となったときに
何を見落としているのやら、説明書を見返すまで先へ進めない状況に陥りました。
自然と視点操作に気づけるようなイベントがあればよかったと思います。
とびきりに面白いところは、狭い舞台が思いがけない広がりを見せる瞬間です。
真実が明かされていくたびに、殻を破るかのごとく生まれ出たひらめきが
時間や空間を超えて波及し、つい何時間も前に軽く聞き流した発言だけでなく
システム・UIまでもが必然性を帯びてくるところに驚嘆があります。
幾何学模様のタペストリーのような精緻で目まぐるしい筋書が面白かったです。
初見は難易度ハードを選び、見事に成績マイナスでフィニッシュでした。
ちなみにハードでは読者への挑戦状というクイズが用意されており
推理開始前から犯人をピタリと当てる、ミステリーのお約束を楽しめます。
「その視点から考えるべきだったのか」とか「もしかして答え合ってる?」とか
同時進行する推理に一喜一憂しながら、行く末を見守るわくわく感を味わえました。
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