公開が2004年……
もう10年以上前の作品なんですね。
とりあえず問題なく動作してよかった。
シナリオは、ひっじょーにベタで、ヒロインが出てきた時点でオチが読めてしまいます。
日常の描写も(無音なシーンが多いこともあって)淡泊に感じられますが、ユイが絶妙にかわいく、長くも短くもないボリュームにお約束ながらにハッピーで爽やかなエンディングで、読後感はよかったです。
絵で敬遠されてそうですが、スクショにないもう一つの立ち絵はそう悪くないです。
まあ、基本的に使われているのがスクショの絵なので、そこに気を遣ってほしかったなとは思いますが。
笑顔なんかはかわいいんですけどね。
個人的には絵より、セーブスロットが5つしかないことの方が気になりました。
選択肢がそこそこあって、エンディングも複数あるというのになんと不親切な……
環境周りの不便さは古い作品では仕方ないことですけどね。
なかなかどうして、悪くなかったです。
■デザイン関係
背景はフリー素材を使用しており、場に合っていたと思います。
音楽も同じくフリー素材ながら、名曲達をそつなく使用しており、
物語と合っていたと思いました。
インターフェースも基本を押さえていますので
文章の読みやすさ&使い勝手は良いですねぇ。
と、他のデザイン関係は及第点以上なのに対して、
それを滅却するかのように目を惹いてしまうのはヒロインの「立ち絵」の低さ。
おそらく多くのプレーヤーは立ち絵があるゲームを選ぶ際に、
「やる」「やらない」の基準を決めるのは絵の技術力でしょう。
確かに、味のある絵ですし、終盤になると唯の絵にも愛着が沸いてしまいましたが、
もう少し何とかして欲しい所ではありますね。
■文字関係
文章力ですが、序盤の表現力はそこまで上手いと思わなかったのですが、
物語が進むにつれて「お、良いね!」と、思わせる表現力とテンポの良い文がけっこうありました。
ただ、唯の会話文の語尾に「(笑)」を付けていますが、
個人的にはその部分も文章で表現して欲しかったですね。
ストーリーに関しては王道まっしぐら。
予想不可能な展開が1つも無く「ああ、やっぱり」っと言った所。
もうこの際、ゲームのテンポの良さのおかげで無視しても良いんですが
「見ず知らずの女をいきなり家に上げる主人公っていったい…」
等、ご都合主義も満載ですが、そこは気にしたら負けでしょう。
■最後に
他の訳ありヒロインとの同居物として有名な他フリーノベルゲーム
「Moonlight Blue」「ランプ lamp/rumble」等と
比べてしまうと、失礼ながら完成度&インパクトでは敵いません。
ですが、総評を言うと実はけっこう気に入ってます。
荒削りな所もありますし、自分は元々恋愛物は好きな方ではないので、
どちらかと言うと苦手なジャンルなのに、充実感を味わっています。
その理由はおそらく、1時間程のプレイ時間の割には
主人公と唯の交流を上手く、書き出せているからだと思いますね。
特に終盤の流れはだらだらと長くもなく、かと言って早すぎもせず
ちょうど良い長さだったのが、せっかちな自分としてはツボでした。
寝る前にやるにはちょうど良い「佳作」と言った所でしょうか。
ありがとうございましたm(_)m
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