作りこみが甘い。
マップに関していえば、キャラより上に表示される雑草、上に乗れるのに降りられない階段、ダンジョン内の思わせぶりで意味のないオブジェクトetc.etc.
細かなイベントに関しても、たとえば大佐のサイン云々の小遣い稼ぎイベント。
ひとつサインを購入すれば、永遠に金を稼ぐことができる。
よくある武器の強化システムは、弱い武器でも強化すれば普通に売っている高価な武器よりもメリットが多くなる、ということもなく、コレクター目的以外には特にうまみがない。
加えて強化前より攻撃力が落ちる武器があるというのはおかしくないか?
強化中に待たされる時間が微妙に長く、まとめて何度も強化を繰り返しているとストレスになる。
武器屋だけ一枚絵が表示されるのも違和感。他の施設と同じにする等統一してほしかった。
ストーリーに関しては、初っ端から初対面の人間のいうことにほいほい従う主人公に共感できなかった。
マリアのキャラが濃すぎてレンが空気なので余計に。
RPGである以上どうしても主人公とは付き合っていかなければならないので、こんな個性のないキャラクターではいまいちストーリーに入り込めない。
肝心のストーリーも良くも悪くも王道で、新鮮さはない。
感動した、というのは人それぞれだと思うが、決して絶賛されるようなレベルではない。
まず、このゲームの感想は、ここまで総じて辛口のものがほとんどですね・・・。なので、私は良いと思った点ににしぼって書きたいと思う。
・リズムが良い。無駄なダンジョンやフィールドが無い。よく街と街の間にやたらとエンカウント率の高い森や小道を設けられたりしているが、このゲームはワールドマップ上をFFタクティスのように点で移動するのでストレスがたまらない。イベントもさほどしつこいものはない。
・本来ならば当然のことであるが、この手のRPGによくあるバグがない。何度もテストプレイをしているのだろうと思う。
・ストーリーは、はっきり言って中二病以下。しかし、システム(例えば、不満はあるが武器のLv制)やサブイベントをみると、中二病の勢いだけで製作にかかっていないことが見て取れる。サイトを見たところ多少なりともゲーム制作の経験があるようだし、洗練された部分が多い事に関しては好感だった。
・戦闘に関してだが、レンが弱すぎて、マリアが強すぎることに不満を書いている人が多いが、ここまでくるとおそらく制作者の意図なのだと思われる。私はこれはこれで納得できた。
・マップは、確かに無駄な標識、紛らわしい看板は多いが、丁寧に作られているのは確かである。そこをもっと評価すべきだと思う。ダンジョンの広さも丁度いいのではないか。
//
ここまでは良い点を極力挙げてきたが、批判されても仕方の無い点が多くあることは確かである。キャラの戦闘能力をあれほど極端にするならば武器、そして武器のLvシステムも、もっと丁寧に作るべき。看板を多くするなら、せめて少しはイベントを追加して欲しかった。皆無というのはひどい。どれも、どこか中途半端に終わっている気がする。
ストーリー、戦闘などテンポが軽快であったことから、どうしても完成しきっていない未熟な点が目立ってしまった。BGMへのこだわり(だからBGM屋があるんでしょうが!それにあの容量!)、イベントのネタへのこだわりが多く感じられるのに、手を抜いている部分が多すぎる。少し、世間とずれた感覚で制作しているのではないか。
しかし、最後に誉めておくと、いまさらRPGツクール2000で王道RPGを作り上げたと言うこと、多大なエネルギーをつかったであろうフラグ管理など、このゲームは制作者たちの努力の結晶である、ということが伝わってくる。
これからプレイする人は、確かに何らかの不満を抱かざるを得ないかもしれない。しかし、もうすこし制作者側の立場に立って考えてやってもいいのではないか。
これらの話はフリーゲームであるから許されることであり、決して私はこのゲームを賞賛しているわけではないをことを最後に断っておく。
フリーゲーム以下でもないし、それ以上でもない。平凡なRPG以下でもないし、それ以上でもない。
あなたにオススメのゲーム
フリーゲームイベント開催中!
サポーターのオススメゲーム
-
あの青空をエレノアに
shinon
脱出系アドベンチャーゲーム
-
漆黒の竜と亡国の王女
もねこ
国を失った王女と黒竜の青年、そして”あなた”の物語
-
metamorphose
おきぬ
本当に大切なことを思い出すADV
-
あなたと私のワールドエンド
晴れ時々グラタン
短編ノベルゲーム
-
まどろみせかいでおどりましょう
ムクロジ
少女とととの不思議な冒険
-
涕泣を越えて
rirainu
恐ろしくても、辛くても。日常へ戻るために。