ネタバレを含みます
見所は多々あるが、特色としては、2.5Dのマップ・グラフィック・ストーリーを挙げたい。
まずマップ。星をぐるぐると回ると視点が変わるのか、ある一方からは見えていたものが見えなくなったりする。その変化が面白い。
視点が変わると迷いやすくなるリスクが考えられるが、行き先をリアルタイムで示してくれるマップのおかげでそれもない。まるで北極星を目指すように直感的に目的地へ行ける。非常に親切な作りだったように思う。
次にグラフィック。2.5Dの特性を生かした奥行きのある画面は物語の展開によって数パターンに変化する。
細かく動くキャラクターチップ、神秘的なマップの作る世界観は物語に命を吹き込み、プレイヤーの没入を誘う。
あちこちにいるギアードを見るたび、彼がまるでそこで生きて仕事をしているように感じたため、作業感はなく、わくわくしながら彼の指示をこなすことができた。
また、雰囲気のあるイラストとともに物語を辿っていったためか物語を感傷的な気持ちで見守れた。
そしてストーリー。断片的な回想、会話をオマージュ元と照らし合わせていき、「何があったのか」「なぜそうなったのか」「これからどうなるのか」を考えながらプレイできるため、察せた瞬間のカタルシスがすさまじい。
製作者の意図に沿っているのかは分からないが、「愛」「名前」「喪失」「幸福」について色々考えさせられる内容だった。
また、幻想的な世界観と和やかに展開する主人公とギアードのやりとりを楽しんでいたため、星のことを知った時には衝撃を受けたが、それがまたこの作品の良さに繋がっているように思う。
星の王子様はもちろんのことだが、宮沢賢治が思い浮かんだ。これは恐らく、本作に対して深い悲しみを優しさで包んだような愛情深さを感じたからだと思う。
時間を忘れてプレイいたしました。
素敵な作品をありがとうございます。
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