バレンタインでチョコを貰えない賢者さんが弟子に振り回される、隠し味にシリアス背景を入れた一作。
Ver1.03
クリア時間 47分
クリアレベル 12
魔王軍の四天王シェセレーナは
チョコをもらえないことでバレンタインデーに参加できないのが
イヤだった。そこで、自分がチョコを渡す側になればいいと
ついてきた弟子ミーナと共に街に出かけて行く掌編RPG。
本作の主人公、シェセレーナは
説明文によれば冷酷無慈悲な手段を選ばない男だそうだが、
本作をプレイしての印象としてはとことん弟子に振り回されて
機嫌を悪くするも、ニンジンやシチューで機嫌を治せる
子どもっぽくも可愛らしいショタ的なキャラになる。
本名とは関係のないシズクさんというあだ名をつけられたり
そのあだ名をスライムにもつけられていたり
他の男性陣はイケメン扱いでチョコ渡したい相手になるのに
自分だけはチョコを渡すくらいなら舌をかみ切ると言われたりと
オープニングだけでも弟子からの扱いは
いじられたおしていて
そのたびにぷりぷり(動きでも表現)しているものの、
当人は受け入れているっぽい感じではある。
弟子に生活の面倒の大半をしてもらっていることや
兄から明かされる昔話で、たしかにイケメンというよりは
子どもっぽく扱いたくなる可愛いエピソードは
度々挟まれているような印象もある。
ラスト付近には「ボク個人として 勇者などではない」けど
何かを守ろうとするために戦う、というカッコいい場面もある。
あと、見逃しやすいイベントなのだけど
ゲーム始まってすぐ魔王城にいるときに手帳を使うと
ふたりの出会い的なイベントが見られる。
このイベントの彼は先ほどの本編の可愛らしい彼とは少し違う
まさに「死神」にふさわしい働きをする。
この2つのイベントを比較してみると
人間の希望というものが今一つ理解できなかった彼が
彼女と街に出かけて変わったのだと思える面はある。
(1つの出来事でこれをやるには唐突感もあるので
もう少し長くして時間をかけて変わっていってる描写を
入れる方が説得力は増しそうな印象もある)
恋愛面についてはハッキリと言及されたわけではないけど
本当は好きだから素直になれないように思った。
シナリオを俯瞰すると、可愛らしいショタジジイが振り回されたり
いじられていたり ツッコミしたりするのを見て楽しむ、というのがまずあって
可愛らしいだけじゃなくて、カッコいい男らしい面もあるし
それは彼の変化なんだ、というのが裏に隠されている印象である。
個人的には後者のシリアス路線の方が印象的で
真面目に深いことを語っている部分もあるので(絶望と希望とか)
何かしらテーマ性のあるシナリオや、シリアスの描写が上手い作者にも思った。
戦闘バランスについて、魔法が比較的強いのだけど
MPが尽きると戦闘が厳しくなり
回復ポイントがあまりないので、回復アイテムは
いくつか持っておきたいところ。
あと、アクアポイズンの毒はボスにも有効なので
狙ってみると有利に進めやすい。
弟子に振り回される外見男の子の師匠の可愛らしさや
微笑ましいやり取りを主軸に、カッコいい要素も少し隠し味で
入れた一作。
可愛らしい振り回される系男子が好きな人向け。
バレンタインで癒されたい方向け!微ネタバレあり?
面白くてズボズボハマりながらクリアさせて頂きました。
短編でありながら、RPG好きな方でも楽しめるゲームバランスかと!
この作品の一番の魅力はやはりシェセレーナとミーナの掛け合いだと思います。
話しかける度に違う話題が飛び出すので、会話パターンの多さに脱帽しました・・・!
恋愛なんか興味ありませんみたいなシェセレーナと、慕ってるんだかそうでないんだかなミーナ。
おかげで先の展開が読めずのめり込んでいく感覚でした(笑)
でもしっかりラブコメ風であり、二人の漫才に癒され、バレンタイン気分を存分に味わえたと思います!
またシルグレーデがヒール役かと思えば、それだけでない良い味を出していたように感じます。
カップリングに花を添えてくれるキャラはとても重要で、シルグレーデは適任だなぁと思いました。
まだまだ始まったばかりのシェセレーナとミーナの恋愛模様がどうなっていくかとても気になります!
続編があるなら是非そちらも遊んでみたいなと思います(*'ω'*)
素敵な作品をありがとうございました!
きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。ショタじじいの死神なんだぜ。それで。
作者様の紹介文にもある通り、会話が多くて楽しい短編RPGでした。
基本コミカルで、ときたま甘くてシリアスなテキストが魅力的な作品。
強いのに不器用なシェセレーナ、何故だか底抜けに明るいミーナ、
魔王勢の主要幹部っぽい肩書きなのに弟ラブなシルグレーデなど、
各キャラの“アンバランスさ”が妙に可愛くて、愛着が持てましたね。
オープニング直後に入手できて「いいか、売るなよ、絶対にだぞ!」
と煽られる『死神賢者の手記』も印象的で、シズク&ミーナコンビの
馴れ初め(?)が判明するだけでなく、実際に売り払うことができて、
しかも、売った場合にわざわざ掛け合いがあるのには驚きました!
とにかく、あらゆるシーンでシズクとミーナの師弟漫才が始まるので、
最後までカップリングを眺める楽しさが味わえるかと思います。
ダンジョンはハクスラ系のような構造ですが、あまり稼ぎをしなくても
ザコはシズクが魔法をブッ放ってるだけで蹴散らせるバランスです。
プレイ時間は1時間足らずで、最後のセーブ可能地点で40分でした。
少し気になった点として、どうせ下り階段しか使えないんだったら、
いっそ上り階段は表示されない方が分かりやすくていいのに――
と個人的には思ってしまいました。(※Ver 1.03 時点での話です。)
短編ながら、“アンバランスさ”や欠けてるところのあるキャラの
性格づけがしっかりしていて会話も豊富なので、気が付いたら
物語に入り込んでいました。シズク君とミーナちゃんに幸あれ!
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