地獄の果てに待つエデン
生ある者が理不尽を100%回避できる保障はどこにもない、短編(中編?)ノベルに該当。
本作の作風を平たく例えるならば「複雑な聖書文を交えながら複数のストーリーが進んでいく」といった趣旨の内容であり、はっきりいってエンターテイメント性を求めてプレイするとこの上ない疲労と冗長さを感じる内容だと思われる。 (私も正直だれ気味だった)
話の舞台設定がころころ変わり、文章表現は学問的で難解かつ一度に表示されるテキストが多い為に読みにくさがあり、ツールの仕様上バックログが非搭載なので文章を飛ばしてしまうと段々とわけがわからなくなる危険も孕んでいる。
とはいえ、その独自的な哲学の数々には興味深いメッセージ性が多く、ノベルとしての作りに関しては熟練の巧みさ感じさせるのも事実であり、鼻につく様な独りよがりさは皆無である。
とりあえずは、「ストーリー性の高い空想小説」をこの作品に求めるのはお門違いだと思われ、「気持ち程度にストーリー性を入れた人生論」として見た方がいいのかもしれない。 (断定できる保障はないが)
なお、作風の関係上、(視覚的なものではないものの)性的、官能、暴力、猟奇といった描写も数多いので、そういうのが苦手な方がプレイするのはあまりお勧めできないと思われる。 (Vol.262)
感想
悪くない、というよりこの作者はもっと評価されて然るべきだろうに。サウンドノベルという形態を取っているために「持ち味」が多分に削がれてる。
「玉虫色」でも全く共通のことが言えるが、この作者は言いたいことが膨大にあるのだろう。その点で、世に満ちている「倫理・良心にのっとった薄っぺらな」話とは完全に異なっている。
しかし残念なことに
1.サウンドノベルを主に見る人は、そもそもそんなもの求めていない
2.言いたいことはわかるが、作者の表現力がやや未熟である
韻を踏んだ言い回しや外国の諺・逸話を挿入して話を装飾するのに長けているものの、言いたいことが膨大すぎて、それでもサウンドノベルにしようとするから話を中途半端にまとめてしまうのではないか。これが改善されれば・・・って難しいか。
まとめ:
ぐだぐだ書き連ねてみたけど、一読に値する文章ではあると思う。この作者の本領を発揮している部分は主人公が一人で思い悩む部分だろう。突然詩的になる白檀萌え。
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