かなりクセが強いけれど、攻略しがいのある長編シミュレーションRPG
【総評】
練り込まれた世界観と、攻撃を受けたユニットが反撃できない
独自の仕様が光る長編シミュレーションRPG。
プレイ時間は、最終章のボス撃破ターン開始時で17時間27分。
最難関の最終章のみ二度やり直したので、実質的にクリアまで
約20時間ほど世界にのめり込んでプレイすることができました!
以下、難易度ハードでクリアした後のプレイ感想です。
(※シナリオ上のネタバレなし。一部、進行上のネタバレあり。)
【長所】
・同じ作者様の『銀の英雄譚』でも感じたことなのですが、各国の
地理や経済、国際情勢など、世界観の練り込みがすごいです!
・反撃が存在しないので、平地では数の差がそのまま戦力差に
直結します。ランチェスターの第二法則が再現されたかのよう。
しかも、難関マップは第一法則に持ち込める狭隘な地形がなく、
囮役に敵を分散させる戦術などで不利を覆す楽しさがあります。
・最終盤の28章と30章は難関で、勝った時に達成感があります!
特に最終章の30章は大激戦で、最後まで戦場に踏み止まって
いることのできた自軍ユニットは10名だけでした。
(※ヴァディス、リティシア、クレア、アルマ、エウロラ、アイーダ、
エミリー、エリス、トルストイに加えて、NPCの総大将が1名。)
・会戦や防衛戦だけでなく、陽動や兵站に関わる作戦がいくつか
ある点も良かった。
【短所】
・最序盤が終わって中盤あたりまでの6章~15章は、近接攻撃
する敵がほぼ全て槍兵だけなので、剣しか使えずに守備力が
低めの主人公とアリシャを邪魔に感じてしまいました。一つや
二つくらい槍兵ばかりの章があっても構わないと思うのですが、
全体のほぼ3分の1に相当する10章近くも続くのはちょっと……。
・敵将が同じ顔ぶればかりで、倒しても倒しても連戦することに
なるため、「またお前かよ」という徒労感を感じてしまいました。
ご都合主義的ではありますが、「討ち死にすればいいのに!」
と思ったのは片手で数えきれないほどです。
具体的に名前は挙げませんが、10章連続で登場する敵将が
います。5~6章くらい連続で登場する敵将は腐るほどいます。
・難関マップが平地での会戦ばかりなので、山岳戦や渡河作戦が
テーマの難関章があったら、もっと面白かったかも知れません。
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