このゲームは世辞抜きで本当にいいゲームと思いました。
まるで映画を見ているような雰囲気に包まれ、その世界観にプレイヤーを引き込ませる行間を読ませるテキストは見事なものです。多くを語らずとも、意味を理解出来、それだけにキャラが知将としての聡明さがしっかり表現されています。
世界観、人物の設定も深く、地図を見せて情勢を解説してくれるので、まるで世界史の授業を受けているような感覚でした。
それでいて、ゲーム部分も申し分ない出来であり、1章ごとのボリュームは短いのですが、欲張って敵全滅や、レアアイテムを得ようとすると、難しくなるやり込みという遊び心も施されています。
難易度ハードでは、経験値が殆ど手に入らず、1章でレベル1上がればいい方なのですが、その辛さが却ってキャラが場数を踏んで成長した感じが演出され、総勢8名といった少ないキャラに愛着が注ぎやすいです。
物資も常に乏しく、節約のやりくりを求められ、前線の戦争の世知辛さを物語っています。
そして何と言っても、終盤の醍醐味である屈強なスパルタ軍との防衛戦。僅かに育ったキャラと温存した物資は、この戦いのためにあるようなものであり、一般兵全員、能力値がカンスト間近のスパルタ兵の大軍を、8名で物資を交換しながら防戦するという緊迫感のある戦いは、白熱したものでした。
1周目ではただ見ていたテキストも、2周目で全体を把握しているので、再確認出来る2度おいしい楽しさが、このゲームにはあります。
本当にいいゲームに出逢えて良かったです。
本当に素敵な作品です。
歴史小説を読んでいるような引き込まれる展開、無駄のない洗練されたテキスト、作品を彩る味わい深い水彩画。
作者様の教養の高さと作品や歴史への情熱が現れていて、これはもはや文学作品だ!と思いました。
そしてもう一つ特筆すべきは戦略シミュレーションとしての完成度。
FE系のゲームだとユニットを育成して強力な武器で敵を1、2回の戦闘で撃破、ダメージは回復アイテムですぐ全快というイメージがありますが、このゲームは全く異なります。
戦闘で得る経験値は少なく、レベルアップしても成長は微細。敵を1人倒すのに3、4人がかりで2ターン以上掛かり、回復アイテムも効果は少ないものです。
これだけ聞くと冗長なゲームかな?と思うかもしれませんが、全くそんなことはありません。戦局全体を見据えた戦略とダメージ管理を求められ、常に緊張感を持ってプレイ出来るとてもエキサイティングなゲームです。
更に物資の管理がシビアで、今のマップだけでなくこれから先の攻略を意識した戦い方を求められ、その視点の高さも素晴らしい。
すごく『リアル』な至高の戦略シミュレーションです!
ちょっと難しく感じるかもしれませんが、難易度も3モードから選択でき、ちゃんと意識すれば攻略出来るバランスに調節されているのでシミュレーションRPGに慣れていない人にも是非オススメしたい作品です。
そしてやっばりこれ!
イェア!パイアーン!!
最高です。
独特の風味が利いたグラフィックや登場人物の台詞回し、
穏やかな日常や緊迫した状況で流れるBGMやドキュメンタリーのような画面演出。
とても魅力的な戦略シミュレーションでした。
ユニットのチップを重ねることで部隊を表現しているところも
なるほど、と思わせられる演出でした。
また陸戦だけではなく海戦もあり、状況によって異なる攻略を楽しめました。
難易度については敗北条件や物資管理がシビアなためかなり難しい方ですが、
その難しさが逆に、よく考えて攻略することの面白さを引き立てていると思います。
硬派な作風を好む人や、
難しいけど手応えのあるSRPGをプレイしたい人にオススメしたいゲームです。
プレイ時間はたぶん6時間ぐらいかな?
歴史戦史マニアなのでこういうストーリーは琴線に触れます。
分量、難易度もほどほど
4回ほどゲームオーバーになりました。
海戦は慣れないとかなり難しいかも
戦術的には回避がまったくできないので
とにかく弓と最大火力の突進で敵の各個撃破を徹底させるゲーム
物資も不足しがちで効率的な運用が必要になってきます。
個人的にはギリシアの戦争は武器より盾のイメージが強いので
もう少しそういう方面の武装があってもよかったかもしれません。
それでは、勝鬨を
イェ! パイアーーーン!
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