何気なく読んでみたのですが、3章あたりから引き込まれて行って、読後にはなんとも切ない感動を受けた、もの凄くいい作品でした♪
話の内容に関わる部分を書くと雰囲気が興醒めなので伏せますが、最初から最後までゆったりとしたペースで話が進んでいくショートノベルにもかかわらず、始まりの状況と終わり頃に知る真実とのギャップが凄かったのには、作者さんのセンスが光ってると思いました^^
やや複雑な人物関係や背景を理解するころには終わりに近づいてたのが、ショート作品故の泣き所でしょうか…テキスト量を増やしてもう少し背景を掘り下げてある彼らも見てみたくなります。
またいつか読み返したいなーと思いました^^
■デザイン関係
物語に完璧にあったデザインです。
文章と文章の切り替えの間やら、ウェイトの使い方言う事なしです。
音楽も統一性があり、ピアノを重視したフリー名曲たちを使っております。
逆を言えば、この手の物語(その他作品例「空中回廊」「私の生きる意味」)はこういうデザインにすれば良い、
という極論に至ってしまいました。
■文字関係
文章力も上手いの一言。
主人公の心境の書き方、物語へ引き込む力が十分に備わっています。
そして高く評価したいのはプロット構成の上手さ。
「もしや…この伏線はこう繋がっていて…ハッ!」
と、気づかされた時のやられた感がたまりません。
ただ、ストーリーに関して1つだけ苦言を言うならば手紙までやるのはやりすぎたかなぁと。
もうちょっと上手い分からせ方をして欲しかった気もします。
■最後に
ノベルを読むのが好きな方には安心してお勧めできる現代ファンタジーノベル(?)です。
ただ、良作に変わりはないが名作とはちょっと違うかな、と。
その理由を考えると登場人物に対する愛着&感情移入度が低いからかな~と思いました。
癖が無い作品なだけに分、作者さんの我があまりでていないように感じますね(出すぎるてもマニアックな作品になるのですが)
ですが、普通に良作である事に変わりはありません。
もっと早くプレイしておけば良かったと思える作品でした。
ありがとうございましたm(_)m
こういう切ない御話は大好きです。
プロットもよく出来ていて、最後まで読むことができました。
ただ残念なのは、物語の組み立て、展開に技術が追いついていない点ですね。
どちらかといえば文章は巧い部類に入ると思うのですが、「決して下手ではない」と
いう意味合いに近い評価です。
文章そのものは手馴れていて、かなり書き慣れている印象を受けましたが、表現
の限界が浅いようにも見うけられました。
つまり着想やプロットはとても優れているのに、それを筆力で表現しきれていない、
ということでしょう。ここは非常に惜しいところです。
ただしこれは字義通りに“惜しい”ということであって、決定的に「駄作」であるという
評価ではありません。むしろ全体の評価としては「良」です。
推敲が甘い部分と、そして文章力がいまひとつ弱い点はマイナスに評価せざるを得
ませんが、作品としてまとまっていると思います。
なにより最後まで読ませるベクトルは保っていますし、読後感も良いですね。
切なくて物悲しい展開ですが、救いのない、感傷で終るだけの(それはそれでまた
良いとは思いますし、私も好きですが)ラストではなく、どこかしら清々しさの残る切な
さであった点も良いですね。楽しめました。
今後もより良い作品を綴ってください。期待しております。
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