午後のお部屋様の制作された、百合要素有のホラーADV、“少女は七不思議にひかれて”の感想を書かせて頂きますね。
本作は親友の“佳代”の死の真相を追求する為に、主人公の“百合”と友人の“夏実”が自分達の中学校の七不思議について調査すると言う物語です。
ゲームスタートと同時にいきなり本編が始まって驚きましたが、後にタイトル画面に行けるようになりますので心配ご無用。
タイトル画面からは七不思議に関するエピソードや、サイドストーリー等を見る事が出来、話を進めて行く度に徐々に選択出来る項目が増えて行きます。
後で面白かったお話を見返すのも容易であり、一話一話も長くなり過ぎない程度に上手く纏まっております。
七不思議に関するエピソードは、話の一番最初に事件の背景が纏められた記事が表示され、何も知らない状態のプレイヤーであっても、どのような怪談なのかを簡単にイメージする事が出来ます。
そして、百合と夏実がその七不思議に関連する場所へと向かい、現場検証を行うと言うスタイルです。
百合は佳代の死にショックを受けて、長期間休学をしていたと言う設定なのですが、まるで探偵並の頭脳の切れを見せ、どんなに危機が迫ろうとも、決して怖気付かずに乗り越えて行きます。
逆に冷静な百合とは対照的で明るい性格の夏実の方は、意外にも怪談等には臆病な姿勢を見せますが、大事な親友を失いたくないと言う気持ちから、一生懸命に百合を守る為に恐怖に立ち向かいます。
物語序盤の方では大した事も起こらず、それ程怖いと言う気持ちにはなりませんでしたが、中盤に差し掛かった辺りからは本格的にホラーの世界へと突入し、一気に背筋が凍るような怪事件が発生するようになります。
一応、百合カテゴリーに属している作品ではありますが、百合は名前はアレでも全くその気はありませんし、夏実も若干隠れ百合疑惑がある程度であり、ガチなヤンデレ百合である佳代以外は至ってまともな登場人物ばかりです(笑)。
やはり何と言っても中学校を舞台にした、細部まで良く考え込まれた七不思議に直面する場面が面白いのであって、女性同士の百合百合した展開のみを期待してプレイする方には楽しめないかも知れません。
熱い夏の真夜中にプレイすると涼しくなれる、それでいて一度やり始めると先が気になって仕方がなくなる、そんな魅力的なホラーゲームだと言えるでしょう。
しかし、百合さんはおまけでも言われておりましたが、マジ半端ないドSっすよね~。
一見優しい性格っぽい感じがするのに、怖がりな夏実を罠にハメて苛めたり、佳代に対して凄まじくキツい言葉を放ったり、平気で真剣な相手にハッタリまでかますとか……。
クリアの余韻は丸潰れではありますが、是非ともおまけを見て笑ってあげましょう。
次回は主人公もヒロインも両者共に、百合っ気のある作品をお願いしたく思います(爆)。
それでは、これにて失礼致します。
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