ストーリーはそつなくまとまっている。

だが、もっとサイコな展開を期待していたので、
そこが少し物足りなく感じた。

12345

　絵がうまいっていう感じではないですが（失礼、下手ということでもないのですが）、とても好みのグラフィックでした。フリーゲームを選ぶときは、絵の比率が結構大きいです。

　最初の「この世界は僕たち用にはできてない」的な文章が強烈でした。程度はともかく、世界が自分達のために動いていないのは、きっと誰もが感じていることではないかと。
　よく友達に関して、「ポジティブな部分よりもネガティブな部分が共感できる方が仲良くなれる」みたいなことを聞きますが、作者さんはそれを利用して物語に引き付けるのがうまいと思います。

　内容にも触れたいのですが、ええ、とても内容をお話したいのですが。ネタバレを避けねばなりませんので、最後まで読んでお確かめください。これもちょっとネタバレになりますが、合間合間の「ﾁﾞｨｨｨｨ」っていう音怖いです。

　よくわからない読書感想文になってしまいましたが、「敷野さんが一番可愛いと思います」ということだけ最後に言っておきます。

12345

文句なく面白い作品だと言えます。
ライトノベルや商業作品のノベルゲームを好んでプレイする人ならば、少なくとも損はしないでしょう。


文章力は文句ありません。
超一流のプロと比較すると苦しい物はありますが、普通に読み応えがあります。無料でこの文章を読めると考えた場合、下手に地雷ゲーを買うよりお得感があります。


イラストについては、あまり上手くはないかもしれません
。しかし登場人物が確かに微笑んだ時や、頬を赤らめた時のイラストは文字と合さる事により、逆に趣がある味わい深い物へと変わる印象を自分は受けました。そもそもライトノベルではイラストは飾りで見る人も多いでしょう。少なくとも自分はその一人です。そんな自分は脳内で弾むように可愛らしく動く姿が想像できて、ふとした時の照れや微笑に口元を崩してしまうぐらい、このゲームに登場する人物達に魅力されてしまいました。当初は同人で発売されたひぐらしのなく頃にのイラストを愛する人達も、こういう気持ちだったのでしょう。イラストや絵は飾りではないけど、しかし本当に重要なのはこの製作者が紡ぐ文章と、読み手の想像力だと思います。みのぎちゃんかわいいよみのぎちゃん！



作風はシリアスです。少しネタバレも挟むので注意を。


「この世界は、僕達用には出来ていないんだよ」

誰だって一度は、こう考えた事はないだろうか？
自分はどこか他人とズレていて、世界からも爪弾きにされていて。
焦燥と孤独を抱きながらも、しかしこの世界で生きていかなくちゃいけないから、苦しくても悲しくても、自分を騙して他人を騙して、騙し騙し日々を生きていく。詰まらない日常で、しかし得がたく手離すのは惜しい日々。

こう考えた事は、一度はあるんじゃないだろうか。

人が生きていくには、どうしても他者が必要で。
それは社会人も学生も幼子だって変わらない。他者との繋がりが強要された世界。一人じゃ生きれないし、独りは……寂しい。
なのに自分はズレているから。
なのに世界は自分用には出来ていないから。
そんな他者との繋がりを強要される世界とは、決して交わる事はなくて、結果としてズレて弾かれて道を踏み外す。

作中に登場する人物達は、そんな悩みや傷を抱えて生きていく人達。
そんな少年や少女が織り成す物語は、壊れたメロディを紡ぎつつ、

「この世界は、僕達用には出来ていないんだよ」

だから、そこに救いは生まれる事はなく、静かにゆっくりと絶望へと沈んでいこうとする。

暗いお話です。でも暗いだけじゃない。
歪で後ろ向きな彼らだけど――例え後ろ向きだろうが、後ろ歩きをすれば前に一歩を進めるんだと証明してくれる儚くも強い姿。

大きな傷を抱えても、その傷はいずれ大切な傷跡に変わるんだ。変えてみせるんだ、と必死に自分の中の暗闇に抗う姿は、読み手の心を打つと思います。


ご都合主義じゃない。一人一人が、大切な何かを守りたいから。譲りたくないから頑張った結果が、

「この世界は、僕達用には出来ていないんだよ」

と、住み難く爪弾きにされていた筈の世界の中で、端の端の隅っこの方だけかもしれないけど、自分だけの居場所を勝ち得る事を証明する。

ハロー・ワールド。こんにちわ世界。この世界に、君の生きる場所はあるかい？

そんな、そんな。
暗いようで、仄かな温もりと優しさを感じさせてくれる作品です。
自分の紹介だけでは全ての魅力が伝わらないので、是非にも一度手にとってプレイしてみてください。
プレイ当初はゲーム展開に戸惑うかもしれない。しかしゲームをクリア後には、どこか温かい気持ちになれるでしょう。

以上でレビュー終了。楽しい作品をありがとうございました。

12345

昨今のフリーゲームの良質化の中で、
この作品のイラストは正直にいって、あまり上手とは言えません。
デッサンは時々狂っているし、塗りは甘い。
けれどどうか、その印象を理由に敬遠しないでください。
思春期の焦燥、人間の本質的な孤独。
そんな感情を包んでくれるのは、決してご都合主義ではない優しい世界。
そんなお話を最後まで読み終えた時には、最初はちょっと歪んで見えたキャラクター達が、とても愛しく思えているはず。

心が疲れてしまった人。誰かを憎んでしまった人。
そんな自分に、世界とのズレに嫌気がさしてしまった人。
そんな人にこそ遊んでほしい、おすすめの作品です。

12345

すごくよかった！！これしか言えない。
でも本当に良かった！！
馬鹿な俺には難しい内容だったけど、今までで一番真剣にプレイしてたと思う！！
俺は馬鹿だから、何が良かったとか伝えられないけど。一度は読んでほしい作品です！！

12345