文章主体で軽い選択肢とおまけあり、短編ノベルに該当。
一見すると神秘的な幻想系のシリアスストーリーと思いきや、実際のところは(主にパロディネタ寄りの)かなりのギャグ会話が話の多くを占め、何ともいえぬカオスっぷりが堪能できてしまうというトンデモ内容だったりする。
しかしその一方で、主要キャラの個性やシナリオの一貫性といった描写はきちんと作られ、さくさくテンポで話が進み、文章、演出表現も極めて上手く、真面目的な意味でも見所のある一作でもある。
文章主体な為に(特に兎関係の)キャラの把握がし辛いのと、話後半の締め方が少々簡単に纏めすぎていてあっけない点、一部キャラの存在感が薄い(これは作中でネタにされている)のは、若干気になるところ。
やや特殊な舞台設定や、ギャグ会話が作中全般に染み渡っている件も相まって、誰にでもお勧めできるかどうかは疑問だが、独りよがりさを感じさせない独特のギャグとシリアスが同居した雰囲気は魅力である。
何というか、変な例え方だが暴走ギャグと真面目さが絶妙に組み合わさっているからこそ本作は光っているのであって、ギャグかシリアスのどちらかに偏っていたら、私はそこまで評価しなかったと思う。 (Vol.37)
文章の書き方はともかくとして、世界観や雰囲気などに一瞬で引き込まれ、やる。というよりはやらされた。という感じでした。
◆個人的に良かったと思う点
・独特の世界観
皆様が述べられている通りなので割愛します
・テンポやリズム
割愛します
・選択肢を考えない場合の一本の話としての盛り上がりと終わり方
起承転結のお話。盛り上がりの部分がはっきりしていて読みやすく、ま
た、楽しむ事もできました。
◆個人的に残念だった点
・重複文章と選択肢の量からのスキップを使用できる頻度の低さ
この長さだから仕様と割り切れるレベルですが、中編以上を書かれるならば注意されてみてください。
・一回のプレイでの不確定、あるいは不明瞭な部分の多さ
説明不足。ルートごとの世界観の統一は素晴らしいですが、全部のルートを見ないと解らないような事が多すぎます。
周回によってルートを限定するならともかくとして、これは少々致命的かと
あとは、パロディネタの限度ですかね。
ブ…なアレは出版元やここから抜き出しましたよ。とかどこかでちゃんと身元がわかるようにしておかないと駄目だったりします。
不思議ですね、著作権って
■独創的な作品
プレイする前はどういう趣旨の物語なのか分かりにくいと
思っていたのですが、やってみるとこれは凄い。
根本的なシナリオがまず独創的。
登場人物の会話のテンポがこれまた良いんですよね。
真面目な会話をしているのかと思ったら、
間の抜けたギャグが入っていたり、と。
そのギャップが面白かったです。
■デザイン関係
基本はフリーの背景(?)と立ち絵無しのシンプルなデザイン。
これは少しもったいないですね。
このデザインはこれはこれで完成されていますが、
アニメ調の立ち絵を付けるだけでもっとこの作品を
アピールする事が出来るのに、と思うと残念です。
兎の背景やTOP絵はなかなか綺麗。
音楽の選曲も上手いと思いました。
更にインターフェイスを細かい所でいじっており、
作者さんの目の付け所が上手いと思いましたね。
■文字関係
文章力は言わずとも、上手いです。
と、言うより、下の方も書いていますが
ボケとツッコミのテンポが非常に良いんですね。
つまり、ウェイトの使い方、文字を大きくするタイミングが上手い。
ストーリーもまた、こういう感性は普通の人は
持たないのではないでしょうか?
多少強引で難しいストーリーだと思いましたが
文章のテンポの良さで一気に最後まで読みきれましたね。
現代ファンタジックな、おとぎ話と言った所。
■最後に
隠れた名作だと思います。
確かに、見た目は失礼ながら地味ですし
ギャグ等も合わない人には合わないでしょう。
ただ、ツボにはまる人にははまる。
ストーリーも作者さんが訴えたい事はなかなか良い事言ってますし、
もっとこの作品は評価されても良いと思うんですが…。
ありがとうございましたm(_)m
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