非常にがっつりホラーしてます、ホラーゲーを期待していた私としてはもちろん楽しませていただきました。
グラフィックはほぼ背景のみと非常にシンプルですが作品の性質を考えれば昨今のホラーゲーにありがちな妙にかわいい女の子やイケメンの絵を安易に出さないことでより緊張感が高まったような気がします。
オチは詳しく書きませんがかなり独特です。自分はホラーを期待していたのでこのオチで文句はありませんがオーソドックスなADVを期待してると理不尽に思うかもしれません。
しかし何よりも特筆すべきはシナリオの完成度の高さでしょう。語り部の口調はやや煽り口調なのですがそれがホラーシナリオ的にいい方に作用してます。
ストレスなくどんどんお話に入り込むことが出来ましたし、内容もホラーとして楽しむことができました。
ひとつ注意は、当然と言えばそうなのですがホラー作品なのでかなり残酷な表現が含まれていますので、そういうのが苦手な方はそもそも遊ばない方がいいでしょう。このゲームはそういった中でもかなりガチの部類です。
久々に楽しませていただきました。次回作も楽しみにお待ちしています。
読破しました。同じ作者の作品では、「四色さん」レベルのグロさ、手の込みようは「奥惨」と同等です。
ところで懐疑的な人が観念論とか深層心理学のような世界に入ってしまうともう戻ってこれないわけですが、読んでいて面白かったのは妄想と現実、有機物と無機物といった対立で、まさに戻ってこれない人たち(○されるので当然だが)の視点で話が進む。私はこうして戻ってきましたが、そういう世界で命を落とす無意味さについて教えられるところがありました。
悪い点。語り手の道徳的非難が的外れであること。毎回殺される描写も絶対必要ではないのでパターンを変えるぐらいはしてほしいですね。
気が狂った文章中心ホラーばかり、短編ノベル集に該当。
とある暑い日にて、語り手が様々な怖い話を怪談口調で語り、その後に衝撃のオチで締めくくられるという流れであり、ときおり入る軽い選択肢により怖い話の展開が複数に分かれる手法を取っている模様。
各話は怖いというよりはもはや気持ち悪いレベルの狂気さであり、遠慮なしに毒素の強い残虐ホラーシナリオがほとんどを占めている為、「異型の者に出くわしました、終わり」程度の描写で済まされるとは絶対に思わない方がいいと思われる。
創作物と感じさせない語り手の口調が絶妙な雰囲気を醸し出し、ノベルとしての文章表現、及び背景画像や効果音などの演出の入れ方は完全に極まっている上手さであり、それらが狂気性をより引き出している惨状。
ゲームとしての難易度はそんなに高くなく、選択ルートの法則を覚えて選択肢前にセーブしておけば全エンディングを拝むのはそう難しいものではないだろう。
批判的な感想としては、各怖い話内での主人公が○○○される結末の割合が多く、その辺は少々展開が被っているように思える。
また、語り手の最後の衝撃オチの数々がどれもすぐに終えてしまう為、連続でシナリオをプレイすると、段々とあってないような存在に思えてしまう。
全シナリオのエンディングを拝んだ後の隠しオチは正直あっけなく空気のようにも感じ、これを入れる位だったらまとまった怖い話をもう一回位用意して欲しかった気もする。
かなり残酷で後味の悪い怖い話が10本も入って、どれもテンポ良く話を堪能できる、そういう系統のノベルが好きな人にとっては魅力的な存在だと思われる。
本作の完成度は本当非常に高く、そして二度と触れたくないという恐ろしさも持っているというあたりが何とも複雑な気持ちである。 (Vol.54)
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