電脳世界で会いましょう
楽しい夏祭りは一転してミステリーに、すぐには終われないであろう短編会話メインノベルに該当。
本作は二部構成となっており、前半部の複数エンディングを全部達成すると後半部に進めるという流れなのだが、はっきりいってお互いの世界の存在が上手く調和できているとは到底思えなかった。
前半部と後半部では同じゲームとは思えない程に雰囲気が違い相当なる違和感を覚えてしまうし、特に後半部の唐突な急展開ぶりは正直ノリに着いていくのが困難だった。
良くいえばプレイする度に曖昧だった事の真実が露になる意外性を持たせたシナリオであり、悪くいえばあまりにも話の流れがぶっとびすぎなシナリオだとように思える。
エンディング数は多く、それを全部コンプするにはそれなりに手こずる難易度だが、プレイルート自体はさほど多くない為わかってしまえば完全攻略は可能だと思われる。
絵柄に関しても各部によって大幅な差異があり、前半部はモノクロで素朴な絵柄、後半部はカラフルで絵柄のバリエーションに富む絵柄となっているが、私としては前半部の絵柄の方が想像力を掻き立てられる味があって好みだった。
クリアしていくと追加される、おまけ関係はなかなか充実しており、楽屋ノリの雑談会やちょっと小難しい小話シナリオなどが鑑賞できる模様。
申し訳ないが私的には「短いシナリオ内に色んな設定を強引に詰め込みすぎている」という印象が強く、純粋に面白かったかどうかは疑問な出来だった。
一応いっておくと、文章表現は熟練された描き方だし、デザインセンスや演出関係も十分に及第点であり、一作品としての完成度は決して低くはないというフォローもしておく。 (Vol.115)
楽しい夏祭り。の、はずが…
血のつながらない兄と夏祭りへ出かけた律子。
それは、楽しい思い出になるはずだった。兄とはぐれさえしなければ…
何週かプレイすることで徐々にストーリーの全体像が見えてくるという仕掛けが施されたADV。最初のうちは律子と兄を中心にストーリーが進みますが、何週かプレイしていると徐々に楽しい雰囲気に翳りが差し始め、物語は急展開を迎えます。
人によってはちょっと無理のある展開かもしれませんが、意外な展開を楽しみたい方にお勧め。
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