歯ごたえのある難易度の中編RPG
ver.1.00にて約12時間かけてクリアしました。
シナリオや雰囲気は、サガフロのレッド編に魔法●女まど●マギカを合わせてカレーで煮込んだ感じです。
製作者様の前作マジラボと同様「人間ってあったかい」と思えるストーリーなんですが、要所要所で見える残酷さは本作の方が上でした。
システムに関してはかなり独特な面が強く、コスモゲージの貯め方やSPリソース管理など、慣れるまではやや難しいと思いました。
ただ3話まで普通に遊んでいれば自然とシステムが理解できるストーリー構成になっていて、プレイしていて理不尽や説明不足だと感じる点はありませんでした。前作同様、ストーリーそのものにチュートリアルが組み込まれているゲームが私は大好きです。
難易度については、前述の通り慣れが必要な序盤はやや難しいものの、変身が自由にできるようになって3人PTが完成してからはスムーズに進行できました。
ある程度シナリオを進めると酒場に占い師さんが現れるのですが、この人が次に戦うボスについてアドバイスをくれるので一切行き詰まる点がなかったのも快適でした。
前作のラスボスが桁違いに強かったので本作も警戒していたのですが、初見で一発突破できる気持ちの良いバランスで良かったです。
また本作の売りであるカレー作成も面白かったです。
サンプル画面にあるのはスパイスのブレンドだけですが、これを決定した後に食材の選択、最後に隠し味で調整して完成と中々本格的。
出来上がったカレーのグラフィックも、カレーの辛さや選んだ食材によって細かく差分が用意されていて、プレイしていてカレーが食べたくなりました。実際に私はクリアして即行で夏野菜カレー食べました。うん、おいしい!
ただ一点だけ、非常にモヤモヤした箇所があります。
ゲーム最序盤で主人公がカレーを作って登場人物みんなで食べるシーンがあるのですが、プレイヤーの選択次第で赤ちゃんの姿をしたキャラに、はちみつ入りカレーを食べさせてしまうのです。
勿論「この赤ちゃんは只者ではない」と直後の展開で分かるのですが、現実で数年前に赤ちゃんがはちみつ入りの食事を口にして亡くなる痛ましい事故が起こったこともあり、正直このシーンは引いてしまいました。
(ちなみに赤ちゃんにはちみつが禁忌なのは、はちみつに存在している冬眠状態のボツリヌス菌は通常なら胃酸で死ぬけれど、生後一年未満の赤ちゃんはまだ胃酸ができていないためだと言われています。この冬眠状態の菌は熱に非常に強いため、一般的な加熱では絶対に殺菌できません)
全体的に手堅くまとまっている、良作中編RPGです。
変身ヒーローorカレーが好きな方には特にオススメします。
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