少年少女のハートフルな小冒険
デフォルメ調のポップなキャラ立ち絵と、美麗でどこか退廃的な背景グラフィックがまず目を引く作品。可愛らしく個性豊かなキャラクター達がわちゃわちゃしながら「伝説の地」を目指す冒険活劇――
と油断させといて、その実態は作者の溢れ出る性癖をぶち込んだダークでダーティでバイオレンスなHurtfulストーリー。一応R-12ですが12歳児にはまず見せられない陰惨な描写が目白押しの、親御さんもびっくりなパッケージ詐欺SRPGです。
【基本デザイン】
よくある世界の命運をかけたファンタジー戦記…ではなく、剣と魔法と銃火器と電子科学が混在するノ〇リッシュな文明世界を舞台とした、少人数での「ちょっと危険な旅行譚」というコンセプト。拠点システムや戦闘マップデザインは日常の独特な生活感を感じさせるものとなっており、細かい演出やこだわりが随所で光ります。
世間知らずなヒロインに解説する形式での情景描写に加え、ノスタルジックな背景素材やBGMを上手く使うことで、紙芝居形式ながらちょっとした旅行気分にさせられる没入感を楽しめるようになっています(行ってみたいとは言ってない)。
【ストーリー】
「息苦しい境遇で歪んでいく人間性」がテーマのひとつであり、敵との戦いを通じて、不条理な世界における命の軽さや、理不尽な現実を生きることの重さを生々しく描いています。先を読ませる伏線や斜め上を行くミスリードが凝らされており、あれこれ予想しながら読み進めると非常に楽しめます。
ただただ暗いだけではなく、登場人物がそこから何を得て変わっていくのかという過程も魅力的で、キャラクター(特に最初の4人)に愛着がわきやすいのも評価点。ギャグパートのキレもよく、シリアスとコミカルの緩急で読み手を飽きさせません。
キャラ数は少なめで章数も短めですがコンパクトにまとまっており、特に中盤のストーリー展開は白眉の出来でした。未回収の伏線もありますがこれは今後の追加に期待しています。
【戦闘】
基本はFE系SRPGと同じ感覚でプレイできますが、本作のバランスは割と大味でAIも賢くなく、フリクエ縛りでも無双してても作業感が凄いです。戦闘は手強いシミュレーションを楽しむというよりも話のオマケ…というか雰囲気作りの一環と割り切りましょう。
敵の技が高いせいで全体的に必殺率も高く、雑魚相手でも三竦み有利でなければ事故必殺を頻繁に食らいますが、出撃枠の少なさが原因で全カバーは出来ず、一人落ちるとまずクリアできないため要素の噛み合いの悪さとテンポの悪さを感じます。ハードはリセ連打前提の調整なのでしょうか?
戦略性の低さに加え、ストーリーで戦う敵はネームドが少なく、戦闘前会話や議論戦闘もないため、戦闘パート自体が盛り上がらないというかスキップしたいレベルで虚無であり、何かしらの一ひねりがほしいところでした。(リアル戦闘形式がないのは素材や雰囲気の都合で難しいのでしょう)
【総評】
作者のリビドーに全振りした結果良くも悪くも尖った作品性となっており、色々フワッとしているものの力を入れている部分は濃密であるため、刺さる人には非常に刺さります。人を選ぶ内容であり万人には勧められませんが、「暗いけど明るい話が好き」「中世戦争モノが食傷気味なので違うのもやってみたい」といった人は一見の価値あり。
【その他気になった点】
●三竦み等の説明について
三竦みや状態異常のシステム説明が1~2章の情報収集でしか見れず、それ以降は確認することができない。とはいえ毎章情報収集の上部に表示するのは邪魔なため、情報収集とは別枠で説明メニューを設けてほしい。
●キャラクター紹介にアリスがいない
えっちなサキュバスをハブるのはいけないと思います。
●キャラクター紹介の○○○(ネタバレ)の「刻命石」が「命刻石」になっている
あるいはこれでも正しかったりするんでしょうか?
●字数の関係で表記が見切れている
ユニット画面でローズの「トレジャーハンター」、レイリスの「エグゼキューショナ」のクラス名表記がはみ出て見切れているのが気になりました。本来大した点ではありませんが、雰囲気重視だと細かい点が目について水を差されてしまいます。「冒険家」「エグゼキュート」等に変更するとか?
●セリフ改行
これも重箱の隅をつつきますが、6章クリア時のイシュエルの台詞が改行されておらず見切れているのが気になりました(会話履歴だと顕著)。また7章クリア時のオーリム到着時のイシュエルの台詞が改行されておらず読みにくい。他がちゃんとなってるぶん余計気になりました。
●背景に同化してコマンドカーソルが見えない
8章らへんの雪原マップの白背景と、ユニット操作時の矢印コマンドカーソルがほぼ同色のため、どのコマンドを選択中なのか目で識別しにくい。カーソルの色は変更可能?
●弓いらなくない?
世界観的にも性能的にも弓いらなくない?
●14章外伝のアレ
ISEL兄貴の分は実装まーだ時間かかりそうですかねー?
楽しい旅を満喫しました
ネタバレは少しだけあります。
ほの暗い世界を旅して、少女と青年が次第にこころを通わせて、約束の地を目指すお話。陰鬱な背景がありながらも、そう感じさせない明るく心灯るお話でした。
親しみやすい仲間と一緒だから、長いようで短い、楽しい旅です。
特に驚いたのはグラフィック。とても綺麗な背景にドット絵っていう組み合わせがたまらなく好きです。ステージ内も雨が降り、雪が舞い、粒子が昇る…とすごい臨場感でした。ボタン配置も親切でありながら背景も美しい贅沢な感じ。
戦闘部分も、キャラの個性が出ています。ああ、この子はやられる前にやる子なんだなとか、ああ、この子は回復するし幸せ属性持ちなんだな、とか、考えながら遊んでいました。
難易度は、前半も後半も難しすぎず、ステージ毎の意図を読み解けばクリアできると思います。ターゲット寄せを出来るようになるキャラクターは、クラスチェンジを慎重に行った方が良いです。
終わってしまうと、寂しい気持ちになりますけれども、良い思い出です。
素敵なゲーム、ありがとうございます。
絵はかわいらしい
全クリしてませんが12話?くらいのHWまでハードでやりました
まず、見た目は非常にかわいらしく素晴らしいです。
ストーリーもやや説明調で繰り返す場面もありますが面白いですし、世界観も現代の価値観や電気の概念にファンタジーを足したもので、やや都合が良すぎる感はありましたが飲み込める範囲でした。
不満なのはゲーム部分で、ほとんどの敵が範囲感応型で最初からこちらに向かってくるタイプの敵は数えるほどしかおらず、釣って倒して次、釣って倒して次ばかりの一辺倒になってシミュレーションゲームとしては問題で次回作では改善を期待しています。
繰り返しますが見た目は非常に素晴らしいです。
SRPGとしてではなく小説、ADVとして遊べば、その心積もりで進めば、問題なく楽しめると思います。
画面デザインの美しさに特に秀でた作品、ストーリー・ゲーム性も◯
タイトル画面からさまざまな場面のUI配置に至るまで
デザイン面でオリジナリティと美しさを感じるのが第一の感想。
何気ない拠点の背景からマップ上に至るまで、同じSRPG Studioという制作ツールを使った作品の中でも
間違いなく抜きん出た独自性を持っている一作。
会話画面などではキャラクターがデフォルメ等身のかわいらしいイラストが使用されているのと裏腹に
キャラクターの持つ過去などは重く昏いものも数多く登場するものの
陰惨さや残酷さよりはそれを乗り越える前向きな印象のストーリーとなっている。
ゲーム性としてはまず経験値が完全に拠点での割り振り制で
マップ攻略中に経験値の稼ぎ・配分を考える必要がないタイプ。
レベルによって必要な割り振り点に変化がないため、序盤は簡単に進めるのならば
お好みのキャラクターに経験値を寄せればハードでも容易に無双できるが
稼ぎを行わずとも最終的には仲間になる全キャラクターのレベルが最大になる調整となっており
中盤以降は最大レベルのキャラクターでも考えなしに突っ込ませると容易に倒されるためある程度考えてプレイする必要があった。
とはいえいつでもセーブが可能でロードごとに乱数が変わる仕様であり、レベルアップのランダム能力上昇の吟味も容易。
確率で発動する強力なスキルも多いため、こまめにセーブすれば大雑把なプレイでもクリアは可能。
ハードでもどちらかというと気軽に楽しめる方向性のゲームバランスとなっている。
総評として、グラフィック面において単純にオリジナルのイラストを使用し豊富なイベントスチルがあるという「豪華」さと、それ以上に画面の美しさ・見やすさという点の追求がされていること。
ストーリー・キャラクター面でも良い作品であり、気軽だが退屈ではないゲームバランスであることから
ぜひとも多くの人に触れてもらいたい一作です。
キャラクターが魅力的
難易度も程よく、やりごたえのあるSRPGでした。
苦手な方でも難易度設定があり、ハードでもフリークエストで鍛えれば何とかなりました。
キャラクターも見た目や性格からは思いもよらないギャップのある設定が好きです。
素敵なゲームをありがとうございます!
良作。
フリーマップで資金や経験値を何度も稼げるのは◎
これで武器に回数制限があっても問題ない。
しかもハードでのみ仲間になるキャラは強い上、武器回数制限なしなので、尚の事育成が楽しくなる。
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