Ver1.02
クリア時間　43分(ED1)
　　　　　 +47分(ED2)
　　　　　　+17分(追加シナリオ)

　学生の優が幼馴染の香澄との変わらない日常に満足していた。
　ある日、香澄との帰宅途中に
同級生の彩がトラックに跳ねられそうになる。
　その事故をきっかけに彩との交流が始まり
優と香澄の関係も変化が訪れるが、
そんな中、彼らの世界は日に日に海に沈み
終わりを迎えようとしていた青春終末風NOV。

　一見すると、別の恋愛相手の登場により幼馴染カップルの関係が変化する
ラブコメ風のストーリーである。
　ありふれた平凡な何もない日常って良いよな！という優のモノローグから
本作は始まる。
　学園ものという点で捉えれば、最終的に進級や卒業というもので
自然とそういった関係性は変化し終わりを迎えるのが定番である。
　しかし、本作においてその役割を担っているのが
世界が日に日に沈んでいくという非日常であり
気がついたら色々なものが消えていくという世界の終焉を見ているような感覚での
3人の日常という、何とも独創的な切り口になっている。

　本作は、序盤のある場面でも選択肢によりそれ以降の物語が丸々変わるゲームで、
一度エンディングを迎えるまで、もう一つのエンディングを見ることができない。
　どこで分岐するのかは初見でもすぐ分かると思うのだが
その選択肢はそれ以降の物語の大前提となるものであり
果たして後々、その選択を変えてしまってもいいのだろうかと不安になる。
　1週目に見ているのがハッピーエンドで、2週目にバッドエンドを見せられるのではないだろうか、
　1週目が比較的に順当にラブコメをしていたために
世界の終焉の不安とは別にそういう不安もあった。
その意味で先を読むのが怖い作品でもあると思う。

　ただ、1週目の最終盤において、
「沈んでいく世界」の意味が種明かしされたあたりから
本作のシナリオの印象は一変する。
　特にこの物語の"主人公"に対する印象は大幅に変わるのではないだろうか。
　この種明かしにより、2週目がよりバッドエンドになるのではないかと
思える部分もあるのだが
実際に見た印象はバッドエンドでは決してなかったので、そこは安心してほしい。

　ただ、シナリオの傾向として自戒、自己卑下、自己嫌悪といった
自らに対してネガティブな発言が出てきて、それが本作のテーマにも密接に絡んで来て
そういう心情がかなり深く掘り下げられる。
　内気で自信を持てない人向けでそういう人が少し勇気を出そうとする話でもあると思う。

　それと特筆点として、海に関する印象、象徴するものが物語が進行するに従って変わってくる。
序盤の海は世界を沈めていく終焉を象徴する不安をもたらすものでしかなかったが
中盤、終盤と別のものを意味するように変わっていく。
　海が何を表現、象徴しているかにも注意して読み進むと面白いと思う。

(※ネタバレ部分　割愛)

　海に沈んでいく非日常が迫る中での青春ものといえる一作。
　自分に自信を持てない内気な人ほど響くものがあるかもしれない。

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再プレイ。

ゲーム紹介文の
「世界は海に飲み込まれ終わりを迎えようとする。」

終末世界系＆青春ノベルかな？
タイトルの夕日が目を惹いたのでプレイ。

1周目は意外な展開で面白かった。あと夕日のシーンが綺麗だった。
2周目は心温まる展開。これも良かった。
やはり夕日のシーンは印象的だった。

「彩」や他の2人の心理描写が深く、まるで本当にその人物が考えているかのようなテキスト。
読み終わった後は、世界観はこんな感じなのかな～とか色々考えていたら、
後書きで詳しい解説が見れて良かったと思います。

全体的に夕日のシーンと、そこへ至る過程が良い雰囲気を作り上げていたと思います。
人物の表情の差分が多く、テキストと合っているのも良かった。

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「少しだけネタバレを含むかもしれません」
前に遊ばせてもらった沈める日のリメイク作品、沈める日は１番好きな作品なのでリメイク版が遊べれて最高です、とても楽しかったです。
リメイク前の作品も良かったのですが、今作は追加シナリオが増えていて嬉しかったです、この三人の話はもっと読んでいたいくらいでした。
絵はリメイク前も好きでしたがリメイク後は肌・髪・目に暖かみが増してさらに可愛らしくなっていました、やっぱり最後の夕日での彩ちゃんの笑顔のシーンは新・旧どちらも最高ですね。
リメイク前の作品も大きい休みの時に読んだりしていたのですが、リメイク前はなかった回想モード・CGモードがついて、もう一度読みたいところをすぐに読めるようになったのがとてもありがたいです、次からは栞を辿らなくてもすぐに読めて嬉しいです。
新しく覚えた技術で昔の作品をさらに楽しくしていく、なすおたさんの向上心には毎回驚かされます。時間がなく感想がなかなか書けなかったのですがようや書けて良かったです。
いつも楽しい作品をありがとうございます。

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