実在のホビー「フリックス・アレイ」を題材としたゲーム。
おはじきのように相手の機体を落とし合い、3点先取したほうが勝ち。
遊びやすい設計とシンプルながら奥深いルールに加えて
工作知識を交えた熱血な展開にぐいぐい惹き込まれます。
プレイ時間はエンディングまでおよそ6時間で、戦績は46勝4敗でした。
ゲームシステムは目押しが大半ですが、音でタイミングを計りやすいです。
ゲージが溜まりきる手前で止めたり、左右に往復する照準を中心で止めたりと
機体の重さのせいでカーソルが速くなっても、不思議と合わせやすい配慮があります。
単に相手を落とすだけでなく、マインを絡めた駆け引きも印象的です。
鈍重で落としづらい相手にはマインヒットで点数を稼いでいくなど
自分と相手の距離・性能差を考えて、どの手を使うか選択するのが面白いです。
機体のセッティングや試合の様子など、たびたび実写が挟まれるのが特徴的です。
スポンジの上に滑り台を乗っけたような、一見するとかわいらしい機体でも
その驚異的な性能が解説や試合描写からありありと伝わってきます。
現実の手元で遊んでいるものを架け橋にして、物語の世界へと没入していく。
そんなホビー系作品の醍醐味を知識がなくても味わうことができました。
ストーリーについても、子供心にわくわくする要素が散りばめられています。
五大チャンピオンというなんだかすごいやつらの登場に始まり
徐々に明かされる前大会の事件に、戦いを通して芽生える新たな友情。
また、機体の修理などに化学の力を感じさせる点にも好奇心がそそられました。
ライバルだけでなく、競技を取り巻く人々にも個性があります。
ぶつかり合いやハプニングもまとめて盛り上げる実況役のフリップリーダー・ハチに
熱気あふれる観客や、意外な活躍を見せるセンターの館長まで。
機体チェックのセリフが毎回変わるところに、試合ごとに担当者が違うのだなあと
画面に映らない人の動きすら感じたり、そうした機微までも丁寧に描かれています。
親切な点として、試合に負けてもその場でやり直しが可能となっています。
そのせいで話の流れにズレが生じることもありますが
敗北時や再戦時の煽りの中に、相手の秘めた熱い思いが垣間見えるようで
かえって物語に深みが増しているところが印象に残りました。
エンディングの後も、日常の中でバトルは続いていき
勝っても負けてもそれぞれなりに認め合っているようなセリフを交わす。
そんなすがすがしい余韻で締めくくられる点が、おれは特に好きだゼ!(うつった)
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