ムービー、ボイス付き会話、BGM等、まるでドラクエやFF並みのクオリティがフリーゲームで実現してる事に驚きました。
ここまで気合の入った作品は、新約帽子世界以来だと思います。ファイル容量が大きいのが難点ですが。
ゲームバランスやシナリオも素晴らしかったです。
が、途中で断念しました。(以下、ネタバレ含みます)
問題なのは、3章で敵が聖地に強襲してくる場面です。
NPCキャラが「ここは任せて先に行け」と主人公達を逃がして敵と戦うのですが、その戦闘はイベント戦ではなく、NPCが敗けると普通にゲームオーバーになります。
NPCなので事前にレベル上げや装備カスタムする事もできません。
主人公達が敗けてゲームオーバーなら仕方ないですが、NPCの敗北でゲームオーバーになる仕様はどうにも納得できず、ここでプレイを断念しました。
全体的にクオリティの高い作品で、そこ以外は楽しめたので非常に残念です。
本編クリア時間65時間、平均レベル120
隠しクリア73時間、平均レベル150(カンスト)
非常に大ボリュームでしたが本編についてはダレることがなく最後まで楽しくプレイ出来ました。
前作のような熱い展開もあり、特にこれだけの設定や世界観を作り上げられるのはかなり困難なことだと思いますが破綻なく作り上げられているのにただただ感嘆しました。
顔グラに関しては私も最初は主人公たちの顔がモブ顔に見えて喜怒哀楽の表情変化が乏しくうーんという感じでしたがさすがに数十時間も見てたら慣れました。
差し替え出来るならした方が感情移入しやすくなると思いますが。
ボス戦は前作よりも全般的にマイルドになっていて殺意は低め。
終盤の全体即死攻撃してくるボス以外はそれ用に装備を変更せずともほぼ初見で勝てました。
状態異常も効きやすく、さすがに終盤のボスは対策されましたがスタンで完封出来ることもあり楽しかったですね。
また新システムの「残留闘技」ですが中盤までは行動順や技の種類の少なさに悩まされかなり意識しないと出ず、微妙かなと思っていましたが、後半はその辺りが解消され適当にやってるだけでも発動するようになり追加ダメージとしても十分に使えそれを応用した奥義もあったので印象ががらりと変わりました。
ただ属性付与に関しては結局一度もしないままでした。
魔法やスキルの演出が短めなのも助かりました。
戦闘回数が1700回いってるので仮に一回の戦闘で10秒ずつ遅かったりするとそれだけでぞっとする時間が加算されますし。
大長編なのにモチベーションが著しく下がらなかったのはストーリーの良さに加え、サブクエの説明書きや逃走率100%などそういうテンポが悪くならないような配慮がされていたからだと思います。
ただサブダンジョンの魔境の数はちょっと胃もたれ感がありました。
顔グラで伝わり方やイベントの印象がやっぱり変わると思うので我慢出来る方はそれ待ちの方がいいかもしれません。
◇気になったところ(※若干のネタバレあり)
・ティサニアがガルド山烈郷を襲撃するちょっと前、ソラハリアの回想とベッドの横になぜかリクディオがいる。
・ソロックの固有説明が「HP10減少」となっているが10%?
・装備の強化をするにあたって素材が大体先のダンジョンでしか揃わなかったり、そこまで進んだら新しく強いのが手に入ったりするので終盤になってからようやく手を付けられる仕様なところ。
・最終章でディークをニーナのところに連れて行くサブクエでニーナのいる建物の右隣の民家に入ったらイベントが発生し変な挙動に。
・終章サブクエのヤナレサの台詞「野垂れ時ぬ→野垂れ死ぬ」
本編78時間クリアレベル150 やり込み88時間弱
期間限定サブを取り逃がしたから実績コンプならず
シナリオ
先の展開が気になって思わず徹夜したくなる面白さ
これからやる人にはまず6章を目指して
どんでん返しは見もので大人気(?)のイノセートも一時加入よ
違うテーマだから前作ほど感動的じゃないけどやり切った後、前作に負けない作品だと思う
飛空船を入手(こっちは30時間以上)まで自由度ゼロ、やり込み目当てなら要注意
作者の文章力によってあんまり好きじゃなかった顔グラにも愛着が湧く
ルミネスもイノセートもいいキャラだし、むしろこのままで良い
バトル
前作の異能バトルを理解してないレビューはちらほらのせいかもしれないけど
今作の異能バトルは控えめ、代わりに弱点賦与と残留闘技
スキルが充実したら疑似連携のような感じでそれはそれで面白い戦闘だね
終盤は会心付与+二回行動付与+ウィークLv2でローマン砲も狙える
訓練所で赦門7体の異能オンパレードだけは違うねそこ、強化ラスボスすらかわいいもん
ネタ
夫婦喧嘩バトルでリクディオのバウンズブレイクのボイス「潰してやるよ」草不可避
BGM
前作の死廃、魔王、紅染、悪逆ほど超印象的な選曲はないけど(個人的)
封緘庭園とそのフィールド、大切な人との戦い、コンデナシオン戦など
いい感じな曲もそれなりにある
気になった点
・9章以降の装備強化UIの不便さ
・非アクティブウィンドウの時は停止だから音楽鑑賞がままならない
過去の作品からも薄々感じてはいたが、今作はページをめくる代わりにキーボードで操作するような、遊べる小説という印象に完全に固定されてしまった。
戦闘における『ウィークシステム』や、『残留闘技』には最初こそ物珍しさに楽しめはしたものの、慣れてしまえばそれ以降は黙々と道中で雑魚を狩り、レベル上げをしてシナリオボスに挑むという流れがテンプレとなる。
ゲーム紹介文でのあらすじや本編を通し、やはりとても練られているストーリーであると感嘆するも、いかんせんゲームとしてのボリュームが話の内容と釣り合っていないように思えてしまう。
膨大な数のサブイベント、魔境、隠しボス、メモリースキル、豪華な一枚絵。
そのどれもが丁寧に時間をかけられているのは作者の制作日誌からも分かるが、他の感想でもあるように、ツクールMVの仕様上簡素な武器防具の表記やキャラのお粗末なグラフィックに違和感を禁じ得ない。
過去作である「Cruel Capriccio」や「千年時計」でも若干気になる部分はあったにせよ、キャラクターを操作し成長させるRPGというジャンルにおいて、操作する側を満足させる要素はたしかにあり、ストーリーとのバランスが取れていたために、
ハードモードにしても敵が強くなるだけでご褒美とかないよー、魔境制覇を報告したら報酬出すよって言われたけど主人公が勝手に話進めて報酬受け取ろうとしないよー、ゴグマの素材で合成しても手に入るのは強力な武器とかじゃなくパッシブスキルだよー 後々世界中を飛び回れるけどシナリオの都合上すぐ自由に飛び回れるわけじゃないよー etc...。
過去作であったはずの要素が完全に取っ払われており、意思をもった駒を動かしている気分となり、ゲームとしての面白みが欠けている。
前情報なしの完全初見として今作をプレイするならば話は別だが、過去の作品を通してそういった要素も期待しての今作だったために、とても残念で仕方ない。
以上の点を踏まえ、誹謗する意思はないが、総評としてこう言わせてもらおうと思う。
これはRPGではない、アクションノベルゲームであると。
あなたにオススメのゲーム
フリーゲームイベント開催中!
サポーターのオススメゲーム
-
アイドルの手元は悪魔の仕事場
DN
RPG風アクション
-
バグ=デバ
箱庭ゾーイトロープ
バグ探しADV
-
幸を運ぶ怪物【体験版】
かかし(個人サークルかかし畑)
幸せを運んだ先は、満足の行くものでした……
-
砂の上の楼閣
箱庭のイデア
最期に桜が見たい――和風短編ホラー
-
おばけ王女は墓の下
晴れ時々グラタン
百合ファンタジー短編ノベル
-
猫座敷
わっち
ホラーになりきれない、コメディ系脱出アドベンチャー(追いかけ要素有)