なかなか
プレイしたので感想を書いておこう。
ファーレントゥーガ(以下、FT)シナリオの「geneシリーズ」や「世界幼年期の終り」で有名な水素氏がWolfエディターで作成したRPGである。
ストーリーは、
「主人公の増永祐一は『英雄になる』事に憧れている事を除けば、何処にでもいる平凡な学生。彼は幼馴染の才色兼備の姉の玲子と、虐められっ子の妹の真希の佐々木姉妹らとごく普通の生活を送っていた。そんな彼だが、ある時、いつもの様に眠ると、異世界に飛ばされる。其処は、彼がかつて自身が憧れていた『剣と魔法のファンタジーゲーム』世界であり、困惑しつつも、同様に異世界に飛ばされた玲子と共にこの世界の異変を解決する事に乗り出すのだが……」
本ゲームは、製作者の他作品「geneシリーズ」とハイパーリンクの関係にあり、共通して登場するキャラが存在するが、単品で完結している為、無理にプレイする必要はない。プレイの有無による違いはラスボスがモロバレになる位だ。
本作の魅力は、主人公達が住む「現実世界」と、先に述べた「ファンタジー世界」と、そしてもう一つの「???世界」を交互に行き来しながら、其々の世界の武器や魔法や技能を駆使し、冒険を行う事だろう。敵のパラメータバランス自体は大味であるが、相性や弱点がはっきりしている為、工夫次第で低レベルでクリアできるように造られている。
ただ正直にうと上記に述べたあらすじの時点までは、陳腐な遣り取りが続いたため、うへぇとなって一瞬止めようと思った。がその後に訪れた「???世界」は私の中で、全くの不意打ちだった為、良い意味で度肝を抜いてくれた。取り敢えず、取り敢えずプレイするか迷っている人は、この世界に行くまで我慢して欲しい(逆に言えば此処までで受け付けなかったら、合わないと思う)。ヒャッハー!!!
個人製作レベルではあるが、非常に丁寧に作られているため好印象を持っている。
然しながら一応諸注意がある。同封のマニュアルに以下の様な説明がある、
「プレイ時間が6から8時間程度の中編RPGです。
シナリオ的に所々プレイヤーを突き放した部分があったり、
やたら強い敵が立ちふさがったりするなど難しめの作品なので
その辺りをご了承された上でプレイ下さい。」
之は作者の謙遜では無く、実際に『ほぼ事実』であると思っていい。
製作者のセカイ系SF趣味が全開で、特に終盤では他より非常に強く反映されていおり、平たく言えば「人を選ぶ」話である。
その為、ツボにハマれば面白く”俺個人は好き”なのだが素直に「おもしろいよ~」と万人に勧められない所がある。取り敢えず先に述べた「???世界」までプレイしてみて、其処で続けるか判断して、ビビッと感じるモノがあれば最後までプレイしてみるのは如何だろうか?
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