コミカルなストーリー、キャラデザとは裏腹にストイックなゲーム性。
Ver 1.4
クリア時間 49分
+29分(ゴードルフに勝つまで)
呪いのヘアゴムを外すため、アリサが中華料理店にやってきたところ、
乗っ取りを企てる魔王の息子ゴードルフも現れた!
ゴードルフを早食いバトルで倒して解呪してもらおうとする掌編キー入力ACT。
本作のシステムについて、上下左右のキー入力が表示されるので
それを3つ正しく入力することで料理を食べることができ
100秒の間にどれだけ料理を食べられたかを競うスコアアタック制のゲームである。
正確にキー入力を続けることでコンボ数が増えて
料理の流れるスピードが速くなるので
なるべくミスをしない方が多くの料理が出現する。
ただスコアアタックをするだけでなく対戦というのもあって
相手に皿を投げてコンボを中断させ一時操作不能にする妨害ができる。
この妨害は料理を1つ食べるごとにストックされる皿を3枚消費して
行うことができる。
当然、相手が妨害してくることもあるのだが、
飛んでくる皿を直前でキー入力することで防ぐことができる。
そのため、相手を妨害したり、妨害を防御したりしながら
先述したキー入力をして行く必要があるのだ。
また、ゲージが存在しておりこのゲージがたまることで
スキルを特定のボタンを押すことで発動できる。
このスキルにより、例えば一定時間どんなキー入力でも
入力成功になるといった強力な効果なので
一発逆転が狙えるかもしれない。
ただ、実際にプレイしてみると
見た目や物語のキャッチーな雰囲気とは裏腹に
相当にストイックなゲーム性で
ルールはシンプルなんだけど、上下左右キー操作、攻撃、防御、必殺技の
4つの異なる動作に気を配りながらプレイするのでかなり忙しい。
プレイ中に余裕らしい余裕はなく、100秒間、
ひたすら料理と敵の攻撃に対応させられる。
攻撃、防御はプレイヤーが不利な設計になっており
プレイヤーの妨害攻撃は8割くらいの確率で防御されてしまうのに
対戦相手からの妨害は慣れないと非常に防御しにくい。
というのも、防御の成功判定がプレイヤーの右1マスの椅子の上にあるときであり
直感的に防御したくなるプレイヤーに接触する直前で防御しても成功はせず、
だからといって早めに防御しすぎてしまうと、硬直時間が存在するらしく
防御を続けて出すことができず被弾してしまう。
要するにプレイヤーよりも少し離れた手前で防御しなければならず
タイミングがシビアな印象である。
そして、一発逆転っぽい要素を持ったスキルだろうが
発動時間中に無敵になるわけではないので
相手の妨害を防御できなければ操作不能となり
スキルの発動時間、何もできずに不発に終わるなんてこともある。
キャラのセリフはもあるとおり、防御が上手くいかないと中々勝てないというのも
非常に頷ける。
攻略としては、相手の攻撃音が聞こえてきたら防御する準備をする。
3食ごとに妨害ができるようになるので
スコアが3の倍数になったらとりあえずダメ元でも妨害してみる。
ゴードルフの必殺技は発動されると、妨害ばかり飛んでくるようになるので
必殺技が終わるまでこちらの必殺技は使わない。
妨害回数は決まっているわけではないので、妨害回数が少ないことを祈る。
(少なくなるまでプレイする)
あたりが重要な印象である。
難易度が高いからなのか、ゴードルフに必ずしも勝つ必要はなく、
終了時のED分岐的な会話差分が
ゴードルフに勝つ、負ける、そして同点で引き分けるの3つがある。
プレイ感覚として爽快感のある要素はあまりなく、
むしろ100秒という短い時間の中で対戦相手の嫌がらせに対処しながら
自分のスコアをどれだけ伸ばせるかをひたすら競う、
100秒という制限時間から解放された瞬間に
スコアを見て、ああ、自分はこれだけ頑張れるんだ……みたいな満足感に浸る。
そして、もっと頑張れるんじゃないかとプレイする人はもっとプレイする。
そういうタイプのゲームでこれをストイックと言わずなんというのかと思う。
特に練習相手の一人は強さの設定、プレイヤーの変更、相手の必殺技の変更など
色々変更ができるので、このゲーム性が気に入ったなら
様々な設定で戦ってみるのもいいだろう。
シンプルなゲーム性ながらも実況しながらプレイできる気楽さはなく
黙々と自分の限界にでも挑戦するようなそんなストイックさを持つ一作。
妨害にもめげずに正確な仕事をこなして、そのスコアを伸ばすのに
喜びを感じられる人向け。
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