奇妙な者たちが住む世界に一人紛れ込んでしまった人間が主人公の短~中編RPG。プレイ時間は5時間程度でした。
マップや立ち絵など、どれもちょっと独特で、少し不気味な雰囲気がよかったです。世界観の作り込みが徹底されていて、文字フォントや自作グラの魔物まで、”箱庭”である舞台が演出されています。絵本を読んでいるような感覚で最後までプレイできました。
かわいらしい題名に反して、終盤は酷く切ない、泣けるストーリー。話の描き方がとにかく丁寧で、一本道ながら”やらされてる感”なく最後まで没入できました。
戦闘や謎解きの難易度は低めでサクサク進めます。
ラスボスのモンスターグラフィックが特に印象深いです。
キャラクターはキャロラインが一番好みでした。箱庭で動かされる人ではなく、自分から動きなにかを作る側になりたいという願い、そして狂気をそのままぶつけてくるような性格とても好きです。
シナリオ重視なRPGを求めている方には特にオススメだと思います。泣ける話ですが鬱ではなく、良い読後感を得られました。面白いゲームをありがとうございました。
[シナリオ]
非常に丁寧で、よく考えられた無駄のないシナリオ。
大切なものを失った住人たちが、
それでも必死に生き抜こうとしている終わりの物語です。
[グラフィックや音楽等]
紹介画像にあるとおり、キャラクターの画像からフォントに至るまで、
世界観の作りこみが素晴らしい。
ラクガキ帳(いわゆる魔物図鑑)で敵グラも堪能。
[システム]
ノンストレス。戦闘はボスのみ手動、あとはオートにお任せ。
謎解きも変な癖もなし、ダンジョンで迷うことはなく、
更に行き先や行動に悩んでも丁寧な道案内役も用意されており、
おかげでストーリーに没頭しました。
[総合]
非常に楽しめました。
タイトル通り、絵本を1ページずつ繰るような、そんな気持ちで遊ぶことができました。
切ないストーリーの作品は雰囲気が暗くなりやすいと思うが、今作はギリギリ癒し系の雰囲気を保っている(人によっては暗いと感じるかもしれないが)
暗い雰囲気で悲しい物語を描くより、そうではない雰囲気で描く方が難しいと思うので、雰囲気は高く評価したい。
物語が進む毎に、ショップのアイテムが更新されたり街の人の会話が変化したりと、丁寧な作り込みも良かった。
気になった点を挙げるとすれば、
・シンボルエンカウントだが避けにくいので、結局ランダムエンカウントと変わらないぐらいの高エンカウント率
・キャラの描き方が少し弱い(各キャラの個性が描き切れていない)
といったところか。
しかしストーリーが良いので(安直な展開ではない)全体的な満足度は高い。
RPGにストーリー(切なめ)や雰囲気を求める人には、是非プレイして欲しい一作。
途中でやめる気になれず、ラストまで一気にクリアしました。
クリア後の余韻が素晴らしいです。
伏線の回収も見事でした。
街にいるひとりひとりが無駄にならず、
本編と直接絡まないキャラの考えさせられるような台詞まであり
細かいところまで楽しめました。
クリア後思い返すとあのキャラはそういう事だったのか、など
ふと気づいて心動かされることもありました。
戦闘バランスはレベル上げを一切せずにラスボス撃破までいけたので
ストーリーを邪魔されることがなく、ちょうどよかったです。
シンボルエンカウントだったのも助かりました。
要所要所の適度に強い中ボスもいいメリハリでした。
金銭面もミニゲームがあったので気にすることなく進められました。
ストーリー重視ならばこのぐらいが適当かと思います。
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