魔の集団と戦う、勇士な男の孤独な戦い、横アクションって感じですな。
某悪魔城の様々な世界観やらゲームシステムやらを大きくリスペクトした一作、ファンならばニヤリとしてしまう事請け合いといったところでしょうか。
まぁ、ここの作者のゲームの作り込みの職人ぶりは、以前から身をもって体感しているので、今更驚くまいと思ってたのですが・・・すんません、やっぱ驚くわ、これ。
「元の再現度激しすぎやろ!」とか「どんだけ演出詰め込んでるんだよ!」とか「多間接敵やら巨体敵がこれでもかといわんばかり出現して爆発多用してるのに、ゲームが全然わずらわしくないってどういう事?」、と色々と驚愕のツッコミモード。
もちろん、本作ならではの味付けも多く、ただのリスペクトもので終わっていないのも素晴らしい限りでありんす。
ストーリー性はやや控えめ、昔のアクションもストーリーを入れずにゲームに特化している内容が多い事を考えると、この位淡白な方がいいのかもね。
無意味にぐだぐだな会話文を入れてゲームのテンポを崩すような蛇足はせず、必要最小限のイベントだけを導入して、後はひたすら魔界での戦いを掻い潜る硬派っぷり・・・こいつは惚れる!
ただ、途中で出合った仲間らしき人達が、エンディングで一切存在を触れられなかったのは、どうなったのかが気になるといっちゃ気になるが・・・。
難度は最近の同作者群のゲームの中では少し高めの部類、比較的道中戦が楽な他の作品に比べ、死にポイントが幾らか増殖されているので、常に危険性が孕んでいるかと。 (特にステージ9ボス以降全部)
しかし、何が凄いかっていうと、最初の内は軽く絶望させられる厳しいステージが、繰り返しプレイすると確実にクリアできてしまう、あまりにも神がかりすぎたゲームバランスでしょうかね。
本当、バランス設定が絶妙すぎ・・・「ライフやべぇ!」と危険な状態の先にゴールが見えてたり、「道中むずいよ!」と嘆いてた先のボスが、やや手加減気味だったりと、こっちの心情をすべて読んでるんじゃないか?と思える程にね。
強いて批判を述べるならば、(特に後半ステージの)地形判定が若干分かり辛く落とし穴にはまりやすい、サブウエポンの性能差が激しい(ナイフほとんど空気、斧強すぎ)、といった部分が述べられますが、正直「ここは駄目」というものが見当たりませんね、本気で。
決してお手軽に撃破できる難度ではないと思われますが、滅茶苦茶な無理地帯も無く必ずクリアできるように作っている良作で、フリゲのアクション好きなら本作を避けて通るのは野暮ってもんです、きっと。
多関節表現って回転処理を加えなくても難しい技術なんですが、回転処理に頼らずここまで表情豊かに多関節表現ができていることにビックリしました。これで開発期間がたった4ヶ月というのが信じられません。
同じ形式の敵でも、挙動が大きく違うことでコピー感をうまく消せているのも凄いです。
屈み込んで燃え尽きる鎧、死に際に自分の鋸で真っ二つになる鎧、とにかく多関節表現が採用されている敵は死亡時の演出も凝ってて楽しかったです。
ゲームのバランスも低すぎず高すぎずでとても良く、ステージも割と大きめなマップチップの敷き詰めによる構成としてはステージの情景がしっかりできていて感動。構成・配置の被りもないのでどのステージも新鮮でした。
久々にゲームとしても、技術的にも面白いものを遊ばせていただきました。
次回作も楽しみにしています。
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