本作は、本来は共存できないであろう、非科学的な「怪異(オカルト)」と論理的な「探偵」をテーマにしたゲームです。
怪異の存在を絶対に信じないと主張する主人公が、怪異の存在をバリバリに信じる相棒に付き合わされ、「エセ怪異」の正体を暴くゲームです。
怪異全否定型探索ゲームとあるように、本作では「何故か怪異であると噂されている現象」を、主人公がロジカルに否定する物語です。
ちょっとした人間の言動が、勘違い、あるいは悪意によって、怪異であるかのように歪められていく。その様を、主人公はロジカルに「怪異ではない」と否定するのです。
ぜひ、怪異の正体を確かめてみてください。
それはマジの怪異なのか、人の勘違いか、悪意によるものか…学生である主人公らが、いかに自身の知識や身体能力を発揮し、事件を解決に導くのか、その様にはかなり楽しめました!
とりあえず、ゲーム自体は1~2時間と短期間でクリアできるので、時間的には気軽にプレイできます。
ストーリー以外で注目すべき点は、グラフィックの高さでしょう。
全自作と考えられるキャラクターがマップで滑らかに動いたり、作り込まれた背景を見た際には、これは「ガチ」で良作だと思いました。
ぜひ、本作を手に取ってみてください。世界観の作り込みには圧倒されます!
※以下、重大なネタバレ注意!
プレイした時点での話をします。
ジャンルに「ホラー」が含まれていないのは、ホラーが苦手な方への配慮が足りないと思いますし、ゲームの展開としてもアンフェアな気はします。
客観的に考えても、4話の展開は間違いなくホラーです。
異世界っぽい所で化け物と避けゲーになり、場合によっては豹変したアレに殺されますので。
無論、キャッチコピーの『怪異全否定型ADV』を主張するためには、怪異の元となるホラー要素があることは、口外できないのは分かっていますが…
4話はホラーですし全否定ではありませんので、そこだけが疑問に思った点でした。
2話や3話に関しては、人間の歪みや黒い部分を上手く出して、事件と繋げている所に感動致しました。
現実にも居そうですよね、こういう犯人って。
エピローグのアレは、王道すぎてタイトルに戻った後の演出までオチが予想できましたが、王道をしっかりと貫いているが故の快感や感動がありました。
素敵なゲームをありがとうございます!
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