短編ドラマみたいで面白い。
ヒミカさんの好きな作品、自分と一緒で勝手に嬉しくなりました。
最後までわくわくさせてくれる作品ありがとうございました。
友人との他愛もない幸せなひと時の会話
女子大生二人のなんてことない会話。
ぽんぽんぽんと会話が飛び交い、キャッチボールは止まらない。止まっても変化球を投げてくるヒミカさんに、陽菜さんが一生懸命真面目に返す。
この流れがぽんぽこ続いて、さくさくと読み進めていけました。
トイレシーンとか水着シーンとかもネタに活用されていて、それぞれがとても二人らしい流れで楽しいひと時を過ごせました。
ヒミカ節の効いた機関銃トークは見ていて気持ちの良いものですね~
サブカルや日常ネタの方が好きそうなヒミカさん。
Ver1.00
クリア時間 55分
見た目がホラーなひみかさんの家に遊びに来た陽菜さんが
ひたすらひみかさんとホラー、日常、漫画アニメのあるある話や
なりきりコーナーをする短編NOV。
ホラー大好きと銘打たれているものの、
ホラーっぽい話は最初と最後くらいで
どちらかといえば日常、漫画アニメのあるある話がメインな印象が
強い一作。男女で作る物語の傾向が違うとか
勉強していると大掃除したくなるとか
昔描いた絵を今見返すとめちゃくちゃ恥ずかしいとか
デザインの可愛いハンドクリームなど
こんな感じの雑談がふわふわと続いていって
流れるように話題が変わる。
友人と駄弁ってるような感覚が味わえる、そんな雰囲気を
楽しむ一作である。
最初にタイトルが出てから、中身に入るショートスキットが
いくつも連なっててときどきセーブが入るという構成になっている。
本作、このショートスキットが30作近く入ってるので
思った以上にボリュームがあって、セーブ入るまで
中断しにくいので、ちょっとまとまった時間のあるときに
一気に読む方がいいように思う。
基本的には独自の世界観で生きるひみかさんに対して
比較的一般人な陽菜さんがツッコミを入れる流れになる。
ひみかさんはどこか物事に対して達観しているような物言いに
なることがあって、なるほど鋭いなと思わされることもある一方で
自己完結していて、ほかの人の話を挟み込む余地がないように思った。
そんな彼女を一番象徴しているようが
推しが有名になったときの
「私だけの世界だと思っていたテリトリーを
侵されたくないだけだ」に思う。
ひみかさんが喋って、陽菜さんが反応するというのも必然で
自分の話に良い反応してくれる陽菜さんっていうのは
ひみかさんにとって求めている話を聞いてくれる相手であり
仮に彼女が幻だと言われてもどこか納得してしまう。
独自な世界観で生きるからこそ、それを受け入れてくれる相手を
求めているようにも思った。
本作は、普通にお喋りをするだけでなくて
なりきりコーナーがたまに挿入される。
探偵になりきって「バーロ―」とか
「真実はいつも1つ!」とか言ってみたり
従順なアンドロイドと、サイコなアンドロイド、それぞれに
なりきってみたりする。主にこのコーナー、
アニメとか漫画にこういうシーンあるよねのあるあるネタと
少年漫画的な好きな展開を詰め合わせた印象が強い。
今作で特に面白かったのは
「デスゲームの主催者が会社員っぽく冷静に
説明したら雰囲気出ないだろう」からの
凄く丁寧なデスゲームの説明には、
その発想はなかったと笑ってしまったのと、
なりきりコーナーの中で王道な展開で好きだったのが
「帝国の賢者学校」で、無力感をバネにする展開が
非常に良かった。
独自な世界観を展開しながら、日常のあるあるトークを聞いたり
アニメや漫画のよくある展開をなりきってみたりする2人の様子を
ひたすら眺める一作。
日常が女性寄りのネタで、なりきりが少年漫画的なネタが多いので
少年漫画の好きな、自分の世界観で生きる女性向きな印象である。
ちょっと変な人の日常
ヒミカさん……ホラー大好きって言っても この人は幼い頃にテレビで見て怖かったホラー映画を
成長してから見たら怖いどころかなんだか笑っちゃう位チープな出来で
でもその安っぽさも含めて愛でるようになったタイプのホラーファンだな。
創作物の作品世界にどっぷりとハマって、現実にまでそノリを持ち込んでしまうのが中二病。
ある程度知恵がついて、作品の設定の矛盾や現実との相互に気がついて
そこに突っ込んで得意になるのが高二病だとすると
この作品のノリはそういう粗に気がついてもそこも含めて楽しむという、
あえて言うならば大二病と言う感じのノリだ(病じゃないか。)
この作品は、映画や漫画ネット上の動画、あるいは日常生活について
女子大生ヒミカとその友人の陽菜、2人の女子が他愛もない話題で駄弁り続ける
ショートスキットの連作という形を取っている。
ヒミカさんはちょっと変な人なので、話の内容は少し突飛ではあるが
おおむね現実でもあり得るかな位の、人によっては共感できる範囲の話で、
2人はゲームのキャラにはあるまじきがさつな面も見せ女子力も低いが
露悪的なほど下品だったり赤裸々だったりするわけではない。
あざといまでガーリーさ皆無だし、芸人のように体を張って笑いを取りに行くわけでもない。
この狙った感じの少なさは初見だと思いつきをただ書いたようにも見えるが、
ずっと見ていくとこのさじ加減が独特の味を醸し出している。
このゲームはプレイヤーは出てくるテキストを読むだけで物語に介入する余地は無い。
殊にフリーゲームには、そういう形式の作品は珍しくないし、特筆すべき事でもない。
だが、このゲームの主人公ヒミカさんは、それに加えて
特にプレイヤーの心に「介入したい」と言う欲望を誘うようになってないキャラだ。
友達は陽菜1人しかいないようだが寂しがってはいないし、
周囲から浮いていて飲み会にも誘われないが特に気にしてはいない。
それどころかそんな大学生活を結構楽しみながらのほほんと生きている。
誰の助けも必要としていない自己完結したキャラクターなのだ。
そうした人物の生活が掘り下げて語られると受け手の心に浮かぶのは
単なる物語の役割を果たすキャラ以上の厚みを持った「他人」としての存在感だ。
彼女は彼女として自分の時間を生きている……そんな感想がプレイ後に浮かんでくる。
がこのゲームをプレイすることでみんなヒミカさんを好きになる……かもしれないし違うかもしれない。
それは人それぞれだ。
だがもしもこのレビューを最後まで読んだなら、試しにダウンロードしてプレイし、
彼女の生活を覗いてみてはいかがだろうか。
ちなみに唐突なサービスシーンで、2人の水着姿も拝むことができる。
ヒミカさんの水着は結構きわどいぞ!
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