ひとりの少年を見守るADV。
不思議な状況から物語が始まり進んでいきますが、
会話の中で垣間見える少年の背景などに想像を巡らせながら進んでいくのがとても楽しかったです。
演出として、キャラクターの表示の仕方に驚かされました。
そして美しいイラストによる細かな表情の変化がとても良いです。
それぞれのキャラクターデザインもとても魅力的でした。トキさんが特に好きです。
※以下ネタバレを含みます。
アンコちゃんの服装?ふたりの関係性?アンコちゃん学校は?
2人だけのアパート?地下にいる謎の物体!?
と色々な謎があり、話がどう進んでいくのかドキドキしながら進めました。
徐々にトオルの返事に元気がなくなっていったり、
逆に返事は元気なのに瞳から生気がなくなっていたりするのが意味深でした。
住人に頼りすぎるのは現実的にはよくないということなのかな。
エンドを通して見て、
アンコちゃん含め住人全員がトオルの中の人格の一部なのかなぁとか、
「守らない」ことで増えていく異形のモノたちはトオルのストレスを表しているのかなぁとか、
色々考察しました。
始まりからトオルは「代わりに行ってもらう」ことを依頼しているんですね。
ここからは完全に想像ですが、
アンコちゃんが外に出ていくことがないのは、
アンコちゃんがその名前の通り甘い甘い餡子のような優しい一種の母性のような、自己愛のような存在だからなのかな、と考えました。
また「お母さん」と関わる時にトオル自身で向き合っていることにも特別な意味があるように感じます。
住人が異形の姿になっていくのはなんだろう……?
必要がなくなったという訳じゃなさそうだしなぁ。
アンコちゃんが「みんなトオルのことが大好き」というのは、
トオルの中にちゃんと自分を愛する心があるってことかな、だといいなぁ……と思いました。
少女奪えさんのここまでの作品の中では後味の良い明るい解釈が出来る作品かなと思いました。
とりとめのない感想になってしまいましたが、
とても面白かったです!ありがとうございました!
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