ケツから始まる桃太郎ナンパストーリー。攻撃アイテム縛りで独特なゲーム性も。
Ver1.02
クリア時間 1時間2分(ED1)
+30分(ED2→ED4→ED5→ED3)
+21分(ED6)
+1時間35分(ED7)
昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川で洗濯をしていると……。
おばあさん「なんと美しいケツじゃ!!!!」
川で拾われた美しいケツの少年はピーチボーイと名付けられ、
家のそばで迷っていた青鬼が可愛かったので
花嫁にしようと、追いかけて鬼が島に行く短編RPG。
いわゆる桃太郎を元ネタにしたゲームなのだが
最初に出てくるおばあさんが選択肢によっては
即座にスタッフロールを流す、鬼ヶ島の財宝目当てに
鬼との結婚をさせようとする、果てには
自ら鬼ヶ島に乗り込んでくる、など破天荒の塊のようなキャラである。
桃太郎はセリフがないと思いきや、選択肢で
「そんなことより」「オレと」「お茶しない?」
と分割でナンパをしていくので、セリフはないが
プレイボーイ的な印象が強い。
桃太郎に出てくる、お馴染みのサル、イヌ、キジも
お色気元気娘、気弱な少年、愛を語らうがスルーされる要員、
とそれぞれキャラづけがされており、
最終的には5人から誰と暮らすかを選ぶゲームなので
個別エンドも存在する。ヒロインを選んだ場合は
「のしかかり」などほんのりとお色気を匂わす描写もあって
イチャラブが好きな人向けの印象もある。
システム的にも一癖あるゲームで、
本作の主人公パーティはいわゆるRPGの通常攻撃ができず、
アイテムを使わない限り、敵にダメージを与えられる方法は
ピーチボーイの反撃以外には存在せず
反撃した回数が相手に与えるダメージになる。
そしてそのピーチボーイは1ターン行動すると、次のターンは
なまけて動けなくなってしまう。
そして仲間たちはサポート的な役割が要求される。
イヌがピーチボーイの狙われやすさを上げる、
サルが敵の攻撃回数を増やし、反撃回数を増やす、
キジがなまけているピーチボーイを強制的に反撃状態にできる、
といったようなスキルがそろっている。
それゆえ、本作の戦闘はピーチボーイの反撃しやすい状況を作るか
ピーチボーイがなまけている間に敵の攻撃をいかにしのぐか、の
2つの戦略を考えるシステムである。
難易度的には敵がピーチボーイを狙ってくれるとは限らないので
ザコ戦でも運が絡んでくることもある。
ただ、ザコ戦は必ず逃げられる(しかも本作はレベルの概念がないので
ムリに戦う必要性もあまりない)、ゲームオーバーしても
すぐさまリトライ可能である、途中あたりから
落ちている石を拾うことができ、この石をアイテムとして使うことで
攻撃ができる、さらには道中の宝箱に「呼び笛」が3本手に入り、
この3本を使えば、クリアするのに
必ず倒さないといけないボスを倒せてしまうので
シナリオだけを追いたい人はスルーできるシステムになっている。
ちなみに本作は選択肢を「・・・」で飛ばせば20分ほどで周回可能である。
「呼び笛」等攻撃アイテムなしの、ピーチボーイの反撃だけで真面目に戦う場合は、
イヌだけは何が何でも死守しなければならないし、
技Pも絶対に切らしてはいけない。
ピーチボーイに攻撃を集中させるようにできるのは彼だけである。
また、ラスボス戦では、仲間が全滅する全体攻撃のダメージを
確実に軽減できる。ラスボス戦で全体攻撃のターンに
彼が戦闘不能になっているとほぼ敗北だと
思ってもいいかもしれない。
次にサル、確率でラスボスだろうが敵の動きを封じることができるが
運が絡んでしまうのでイヌで保険をかけたい。
キジは、隠しボス1体目と戦う前に仲間にしておくと戦いやすいが
ラスボスでは、ピーチボーイがなまけているターンは
必ず反撃不可の全体攻撃になるため、自然とアイテム係になってくる。
戦闘不能になっても急いで回復させる必要性はあんまりない気がする。
エンド分岐について、ED1からED6まではラスボス後の展開と
道中にいた青鬼のイベントで、
どう分岐するかはすぐに想像つくと思う。
さて問題はED7である。これだけは自力ではどう分岐するのかが
分からなかった。
このゲームが他に投稿されているアツマールの
フィードバックを見る限りは、
「記録小僧が攻略できて、彼のエンドがある」ように見える。
記録小僧は本作のセーブポイントなのだが
一度もセーブしないでラスボス直前にいる彼に話しかけると
彼と戦闘することがたしかにできるのだが、
どうやってもED7にはたどり着かなかった。
最初は記録小僧に一度も話しかけないことかと思ったがそれも違い、
次は記録小僧と戦って勝ったがそれも違う。
もしかして、記録小僧と戦った後に出る「記録する」選択肢は
ワナではないかと思い、記録しないでクリアするも同じ結果になる。
ED6の分岐が特殊だったから、ED7もそうで
青鬼に振られた後で、記録小僧が主人公に救いの手を差し伸べてくれるからの
エンディングじゃないかと思ってやってみるがそんなこともなく。
「記録小僧は全ての日記を開いて隠しボスを全て倒し、このゲームを
完璧にこなした者にしか彼はなびかないんじゃないか」と更なる検証をする前に
作者さんから条件を教えてもらうことができた。
ED7の条件は選択肢「・・・」が出る会話全てでこの「・・・」の選択肢を
選ぶことである。記録小僧の初回の選択肢でこの「・・・」を選ぶと
ヒント的なセリフが出てくるのだが、記録小僧を最後まで相手しないプレイだと
どうやっても見つからないので、もうちょっと分かりやすいヒントも
欲しかった。ちなみに記録小僧エンドはないようで
ここまで記録小僧を追いかけた身としては(実際はスルーではあるけど)
彼に愛着がわいたのかちょっと寂しさを感じないわけでもない。
ただ、せっかくなので最後のED7を目指すプレイでは
「呼び笛」なしの全ての日記を開いて、隠しボスも両方倒して
締めくくることにした。記録小僧で「記録する」を選ばなければ
記録小僧に話しかけても隠しボスと戦えるようになるので
戦闘不能回復アイテムである「トマト」が技pも回復できて、
攻略上、重要なアイテムだったなぁと思い、
ED7はこのゲームの最後を締めくくるのに相応しい内容だったと思う。
個人的なプレイの感想ではあるが
仲間キャラの役割を考えて戦う本作の独特の戦闘システムも
隠し要素に近いエンド条件も
昔ながらのゲームの良さにも思えて、こういうのを色々実験しながら
プレイするのもなかなか楽しかったなと、最終的に思い出深い一作になったように思う。
桃太郎的な要素を残しつつも、
個性的なキャラ付けと、反撃でしか戦えないシステムが特徴的な一作。
手軽に一風変わったキャラや戦闘が楽しみたい人向け。
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