事件現場の密室と寮という密室、二重の密室を破れるか?
バージョン2.07で全EDを回収致しました。
大きなネタバレ注意!
主人公を含め8人の寮生と寮に連れ込まれた女学生による、殺人劇の物語です。
この手のゲームは物語に少し触れただけでもネタバレになりますので、そこに配慮した上でレビューさせていただきます。
本ゲームは、ある人物が死亡する(事件が発覚する)前から、主人公にいくらかの選択肢が提示されるため、「何が重要で何が重要じゃないのか」を考えながら動かないと、良いEDは見れないようになっています。
とはいえ、ゲームの仕掛け上は、初見では絶対にベストエンドにたどり着けないようになっているので、最初はプレイヤーの思うがままに行動するのが良いでしょう。
また、何らかのEDを見れば、別のEDに行くためのヒントがもらえるのがありがたかったです。
(特に、ベストEDに行くためのヒントは、優しすぎず厳しすぎずのバランスだったので、非常に助かりました。「二択に囚われない」所は難しかったですが…)
肝心のトリックですが…ふりーむのゲーム説明にもあるように、「密室殺人と密室から消えた犯人」及び「第二の悲劇」が、大きなポイントになっています。
死体があった現場が密室であり、密室が作られた方法は不明。
更に、物語の舞台となっている寮からは、一見すると犯人が外部に逃亡できないような状況下にありました。寮の中に居た有力な犯人候補は、主人公達寮生だけのように思えるのですが…?
果たして、犯人は何らかのトリックを使って現場の外に逃げたのでしょうか?
あるいは、まだ寮の中に…?
このゲームのタイトルにもなっている犯人の行方について、常に推理しながら話を進めると、より楽しめると思います。
ちなみに私は、第二の悲劇の後に「犯人はあるトリックを使って逃亡した」と考え、その後解決しそうな雰囲気になったのでドヤ顔でプレイしましたが…うん、完全にやられましたね。
そう簡単には行かないのが、このゲームの良い所だと思います。
よくよく考えてみると、確かに密室を作ったり破ったりする方法はアレしかありませんし、犯人を絞る根拠も詰将棋のように納得できました。
ですが………このゲームでは、トリックを上手く隠している文章と、針の穴に糸を通すかのように正しい選択肢をチョイスしないと情報が落ちません。
周回プレイをして、様々な選択肢からどのような情報が得られるのかをジックリと検証する覚悟を持って、プレイする事を推奨します。
誰もが意識しない所にも、犯人を特定する情報は隠れていたのです。
事件は常に動いている
第二作が面白かったため
かつてプレイした第一作のリメイクもプレイしてみました
事件の詳細を忘れていたのもあり、新鮮な気持ちで楽しめました
推理小説の構造上
事件すべての推理に必要な情報は、物語の終盤に出そろうことになります
ただ、読者は途中でも一定の見通しを立てており
それに従った行動を探偵が取らないとヤキモキしたりするわけです
本作は、そのような読者の欲求に応え
途中の段階でも、その時点での推理を行い、物語に変化を与えることができます
もちろん、その時点での推理になるため、真実をすべては解き明かせません
だから、答えや結論も異なっています
そこが、ゲームとしても面白い
本当の最後まで遊ぶまで、何度も考察して楽しめるわけです
この良さは、第一作 第二作共通していますね
事件は密室殺人です
珍妙なテクニックは使っていません
推理小説好きなら思い当たりそうなトリックです
ただ、人間関係と登場人物の行動を複合的にすることにより、上手に隠しています
ここらも、王道で良いなあと思いました
リメイクされた変化部分を細かくはわからないのですが
犯人視点のストーリーが加わり
この作品において重要な、各登場人物の思考を
より詳細に知れるようになったのは、間違いなくパワーアップした点だと言えます
過去にプレイしたことがある人も
推理作品が好きだという人にも
オススメしたい作品です
学生寮の難事件
学生の一人となって寮で起きた事件を解決する推理作品ですが、これはかなり出来が良いですね。序盤のやりとりが少し長いようにも感じつつも、事が始まれば怒涛の展開です。
推理に関しては落ち着いて人物と状況を整理しながら読んで行けばある程度普通の所にはたどり着けるような気がします。しかしそれでも謎が残り、本当の真相を暴くのはそう簡単ではないようです。そして、一つの結末に至ってもさらにまた謎の解明に挑みたくなるあたり、よく練られた作品に思います。
次に進むためのヒントもいろいろ用意されていて、なかなか良作の推理ゲームでした。
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