暖かい気持ちになれる
暖かい気持ちになれる良いゲームだった。
RPG要素のついた、大人のビターなクリスマス。
Ver1.10
クリア時間 2時間9分(初回)
+18分(オマケ)
+1時間37分(2周目、魔法薬コンプと
ツリー332cm,絶世の輝き、評価SSまで)
魔法薬屋で働くキャロルが半ば強引に店長の頼みで
成長スピードの速いツリーの種を
クリスマスまでの10日間で育てることになったRPG付きADV寄りSLG。
システムについて、魔法薬と水やりの使い魔を選択して
大きさ、美しさ、愛情度の3つのパラメータを上げていく。
魔法薬がどのパラメータを上げるかの土台になっていて
使い魔の選択で、大きさ、美しさ、愛情度のいずれか1つを
少し補強できるシステムになる。
魔法薬は17種類あり、素材を組み合わせることで作ることができる。
街の時間経過イベントを見る、お店で買う、
街はずれのダンジョンで一定地点に到達する、
ことによって、素材を入手でき、
一度手に入れた素材はなくなることはない。
システムの説明をしたあたりで自由度が高そうに見えるが
実際の自由度はあまり高くない。
本作は全イベントを一周で網羅でき、
素材の手に入る順番が変わるだけであって
いかに早く最高の魔法薬を作成できる材料を揃えられるかによって
良いツリーを作れるかどうかの結果が変わるだけに思う。
ツリーを育てた後の最終結果は2パターンしか確認できなかった。
10日を終えた後にツリーに対しての最終評価はC~SSの5段階あると説明文にはあるが
実質的には"A"~SSの3段階ではないだろうか。
エンディング分岐を調べるために、最初の魔法薬のまま、
ひたすら店番を続ける、ダンジョンに入って入口で帰って来るだけの
徹底して何もしないという2通りのプレイを試行したのだが
両方とも80cmのツリーができて最終評価はAだったからであり
そしてエンドも初回時と同じ展開になったため、おそらく分岐は多くないように思った。
基本的にイベントを進めていけば大半の素材は手に入るが
ツリーの愛情度の高さによって発生するイベントで入手できる素材があることに注意で
特定のパラメータを上げるプレイをすると非常に見逃しやすい。
本作の面白さはツリーではなく、イベントを発生させて素材を入手し
その素材で何の魔法薬が調合できるかという流れであり
アイテムコレクションを楽しむRPG的な色が強い。
本作のRPG要素はそれ以外に
街はずれに向かうことによりダンジョンに向かうことができ
ダンジョンではRPGのターン制戦闘に勝利することで先に進むことができるイベントがあり
各ダンジョン原則として、中間とボス撃破後の2種アイテムを入手できる。
ダンジョンの独特の要素として、スタミナシステムが存在し
このスタミナは戦闘のターン経過により減少し、0になると帰ることになり
1イベント分時間を消費してしまう。そのため、なるべく素早く戦闘を終わらせるか
スタミナを回復させるお弁当を持ち込む必要がある。
本作の時間制限的に1イベントの時間で1ダンジョン攻略できれば間に合うが、
実はスタミナが続く限りダンジョン探索を進めることは可能なため、
弁当を大量に買い込んでボス前でスタミナを高い状態をキープし手早くボスを倒せれば、
1イベントで2ダンジョン攻略することもできる。
本作のパーティメンバーは役割が分かれており、使えるスキルも個性的な性能のものが多い。
キャロル(攻撃型):全体攻撃ができ、体力の減った敵を自動的に追撃できるのが強い。
TPが多くても少なくても威力が高くなるために臨機応変に対応できる。
キャロル(支援型);全体回復に加えて毎ターン回復も付加でき、
パーティのTPを毎ターン補給できるのが安定性は高い。ただし決め手には欠ける。
ベラ:回復型。全体回復が得意なので、キャロルが支援型でない場合は欲しい。
敵の防御を下げる代わりに攻撃を上げてしまうステートを前提とした攻撃スキルがあるが
威力は出ないので、回復や補助に回す方が無難。
エスト;防御特化型。敵の攻撃を引きつけることもできる。氷刃投げで敵に毎ターンダメージを与える
凍傷を負わせた後、守りに徹するのが想定されてるように思う。凍傷はラスボス以外のボスにも有効なので
ボス向きの性能に思う。
オルディ;攻撃型。毎ターン電気をまとうことで段々攻撃力が上がっていく。電気をまとっていると
相手の行動を封じることもできる効果が付加されたり、全体攻撃もでき、
まとった電気の数だけ連続攻撃できるスキルまで使えるので、相手が単体全体問わず強い。
グランツ;運型。全体攻撃がそろっているため、ザコ戦向きではあるが
強いスキルを使うためにも運が絡むか下準備が必要であり、使ったとしても失敗することがある。
全体攻撃をランダム2回攻撃に変換する等トリッキーなスキルもあるが
コストに対して得られるリターンが少ないためロマンキャラになっているようにも思う。
キャロル(攻撃型)にオルディとベラを組み合わせるのが個人的に使いやすい。
敵に関しても個性的で、味方を回復するザコ敵や特定のキャラを狙うザコ敵、
ザコを全滅すると変身して動き出すボスなど、こちらも凝っている。
ゲーム一要素の中でもかなり力を入れて作られた印象があり
本作はRPGの戦闘好きな人をターゲットに作っているようにも思えた。
初見のとき、このRPGの戦闘を終盤まで後回しにしていたのだが
そういうプレイをすると作れない魔法薬が多くなったので
序盤から行く必要があって、実は本作の魔法薬を作る上で必須の要素にも考えられる。
本作は男主人公女主人公の違いによって変化するのは素材集めイベントの場合は
路地裏の同行者が変わるくらいで展開は同じ。選択肢で分岐するのサブイベントAルートの
2つのイベントだけで、それ以外はゲームを1周するとほぼ網羅できる。
つまり本作は1周のプレイでほぼ全ての要素が楽しめるのがコンセプトにある。
それに対してツリーの育成というシミュレーションは「今回は大きさを大きくしよう」とか
「今回は美しさにこだわってみよう」とか周回ごとに遊びの目標を立ててプレイする。
つまり1周のプレイだけでは全ての要素を楽しめないという性質を持っている。
このシステムをこのコンセプトの構成に組み込んだらシステムの持ち味が損なわれたようで
プレイヤーとして1週目は上手くいかなかったけど、2周目は上手くいったので
遊びきった感が出てしまうように思う。1周で遊べるというコンセプト通りではあるけど
ツリーはもっと面白くなりそうなシステムなんだけど活かしきれていないように思えて
そういう勿体なさがあるようにも思う。
シナリオについて、主要登場人物の全員と出会った後で
メニュー画面からメインシナリオが読むことができるようになり
日数の進行に応じて、読めるシナリオは増えていく。
シナリオの内容は簡潔に書くと、クリスマスで物が壊される事件をきっかけにして
街の過去を探っていく物語。
子どものワイワイはしゃぐ楽しいクリスマスではなくて
働く大人のビターなクリスマスを描いている印象が強くて
オルディ、グランツの大人勢にフォーカスされているように思う。
それに限らず、登場人物も結構、現実的で大人びている印象が強くて
キャロルの「自分に利があれば動く」性格ってイベント中では
物でよく釣られるコメディになっているけど
大人的な人との距離の取り方のようにも思えた。
それと苦しみを背負っているキャラも度々いて
その苦しみを分からない人間に対して
思わず毒が噴き出すという展開も2回ほどあって
苦しみも結構描いているように思う。
ビターという点で個人的に印象に残ったのが
魔術士イテナモとムムおばさんのイベントで
2人とも誰かに協力を求めるんだけども
主要登場人物が何かアドバイスしてもそれはあんまりやりたくない様子で
困っているんだけどだからといって自分では動くつもりがなくて
誰かが全て何とかしてくれないかなーという完全な他人任せの印象が強くて
なかなかに厄介な人達に絡まれたように思った。
本作では彼らの悩みの根っこをコメディ的に解決するのだが
主人公が直接解決するわけではないのも渋いところで
彼らの当初言っていた悩み自体は解決された印象があまりない。
他人任せにしているから解決しないのか、その悩みはそもそも解決しようがないのか、
あるいは、彼らはヨソ者だから主人公たちのウチのコミュニティで解決できないのか、
色々解釈できそうに思った。
コメディなイベントも多いのだけど、その陰での
暗い部分を見せないようにする大人達の苦労みたいなものも感じられて
こういう大人なサンタさんが頑張っているから暖かいクリスマスがあるような
そんな印象が強かった。
明るいクリスマスに大人の陰を感じる一作。
RPG的なコレクション要素が好きな人や
ビターだけどもそれゆえの温かさを感じたい人向け。
寒くても暖かい聖夜の奇跡
店長からもらった不思議な種から立派なツリーに育て上げる育成ゲームで、
10日という期間の中、いかに育てられるかが重要となる作りになっていました。
そして、水やり当番、魔法薬でツリーの評価や見た目が変わるようになっており、
育て方のバリエーションはたくさんあります。
魔法薬は会話イベントや戦闘などで素材を手に入れて、
調合することで得られるのですが、
これらで日時がどんどん削られるので、
いかに早く魔法薬をつくるかが基本なんだなぁと感じたので、
それが割と難しかったです。
育成シミュレーションゲームなのですが、
上記言いました通り戦闘もあって難易度も普通。
ただ、ステージごとにスタミナが消費されるので、
戦闘を進めるのも慎重さが必要でした。
そしてやはりグラフィックがほんわりしていて可愛い!
このゲームには凄くピッタリなイラストです!
ストーリーは暖かくて少しシリアス、でもハッピーだったので、
とてもよく楽しめました!
暖かな色調の絵に本当に優しくほのぼのとした美しい何でもない日常と、それに続く聖夜のための物語
暖かな絵が可愛らしく、登場人物たちの会話がテンポよくほのぼのとしました。
システム周りも快適で解りやすかったです。PC動作もサクサク快適でした。
ゲーム面ではクリスマスツリーを育てながら、町はずれを探索して戦闘してボスを倒して素材を集めて、道具屋でお弁当買って調合に使う道具を買って、街のイベントを熟して、そうして集めた素材で魔法薬(クリスマスツリーの栄養剤みたいなやつ)を調合して…という流れ。
ストーリーはこの人が実は…という意外性のある展開で、短いながらもよくまとまった良質なシナリオでした。
エピローグで明かされるまさかのグランツさん。えええっ!!オルディさんと店長の正体判明もびっくりしましたが、それを超える驚愕の事実でした。
あと大精霊さんいいキャラしてます。可愛い。
とても可愛い、素敵なゲームでした。
優しくて暖かい世界だなあ…
2時間程度でクリアできました。(要素全コンプリート)
紹介のスクリーンショットに惹かれてDLしました。
ほのぼのとしていて可愛らしいイラストが個人的に好みです。
メインストーリーはほのぼのかな?と思わせて実はちょっとシリアスな感じ。
でも最終的に大円満なエンドで感動しました。
優しくて暖かい世界。泣かされました…!
戦闘は3段階の難易度の「ノーマル」を選んだのですがそれなりの手ごたえもあり、ダンジョンをストレスなく進められました。基本詰むことはないかなと思います。
「調合」もコレクション性が高く、手に入るアイテムのヒントがちゃんとレシピに書かれているので、そこまで難しいとは感じませんでした。
各要素が10日間でちゃんとコンプリートできるよう設計されててプレイヤーに親切だと思います。
雰囲気が統一されていて、全体的にまとまった良いゲームでした!
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