作り直しというか成長を果たしてますね/ 青桐 明
?-ネタバレを含むのか含まないのか微妙な境界線-?
(※それでも一切の先入観無しにプレイしたい方は読まない方が良いと思います)
ムクロジさんのゲームの中で(私的には)最も文学性が強く感じられる、この作品がリメイクされていたということで、遅ればせながらもプレイしてみたのですが、まず第一に”題名”という物語の代表部分の改変から、物語全体の流れを徹頭徹尾うまく表現することに成功していると思いました。
前作から既に完成度が高かったと思っていましたが、内容の緻密さを猟奇的な題名で覆い隠す(つもりはなかったのでしょう)、「ちょっとここ勿体ないなぁ…!!」と、正直、感じてはいたのですが、その勿体ない感が潔く省かれていて、僭越ながらも、物語を読み進めていく上での静謐たる安心感を抱きました。
そして、前作をプレイしている一人として、私的に実感したのはリメーク(元からの作り直し)というよりも、”根本からの成長”というところでしょうか。
**ここからの感想は前作をプレイした上でのものも大いに含まれています**
主人公の風貌や名前、言動など、改めてじっくり噛みしめながらプレイしていくと一見
「あ、そこはそうするの?意外…」
と、思えるようなことが、実は全く意外なものではないんじゃないだろうか、彼は彼なりに外界に触れても当たり前のことができているんじゃないだろうか―と、私的には―そう思いました。
また、妄想であろうと彼にしか見えない目前の少年の名前と風貌のチョイスが秀逸ですね!!やっぱり!!
ここは個人的に変えて欲しくなかった!!(私的な願望だと)
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”変わる”ことだけが、果たして成長なのか?
彼は彼なりに一歩足を踏み出した―と、私はそう感じました。
というか、再び外出する時分には既に自己が煮詰まっていたんじゃないでしょうか。
ただ外に出なかっただけなんじゃないでしょうか。
一プレイヤーとしてそんな感じがしました。
改めて言います。贔屓目もなく、極めて純粋に
このゲーム大好き…!!
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