面白かったですが・・・
周回プレイと書かれていたので、てっきり強くてニューゲーム的なものを想像したのですが、違ったようです。。。
強くてニューゲーム好きの自分としては、残 念。
でも、システム的にもストーリー的にも、すごく面白かったです。
幻想的な雰囲気と、魅力的なキャラを楽しめるRPG【ネタバレ無し】
このゲームは、魅力的なキャラと共に旅をしながら、明るく幻想的な雰囲気を楽しめるRPGである。
シナリオは、序盤はほのぼのとした雰囲気が続くが、終盤になると若干シリアス要素が加わる。もっとも、終盤もキャラの個性を活かしたやりとりはコミカルであり、作品としての持ち味である明るさを失うことはない。
また、キャラのセリフの中で自然とヒントや警告をしてくれる点は、作品への没入感を維持しつつユーザーフレンドリーさを確保している演出であるといえるだろう。セーブすべきポイントが事前に示されるので、突然の全滅からのロールバックという事態は十分に対策されている。
メインキャラは4人であるが、パーティのメンバーはイベントの進行とともにコロコロ変わり、戦闘における役割もその度考え直す必要があるため、飽きが来ないように設計されている。
キャラ作りはしっかりとなされており、ボイスがあることもキャラの魅力を更に引き立てている。終盤では、キャラが抱える問題にクローズアップしたシナリオが展開されるため、より深くキャラを理解することができる。
グラフィック面については、スチルが多いことが特徴である。重要な場面毎に提示されるスチルはどれも場面、世界観によく合った雰囲気で描かれており、ゲーム世界への没入感を引き立てる。
他にも、立ち絵、戦闘グラフィックやキャラチップなど細かいところまでグラフィックが自作されており、これによりキャラへの愛着をより深めていると言えるだろう。
マップやイベントも、幻想世界を表すようなキラキラとした演出が多く、世界観がよく表されている。
ダンジョンのギミックも探索要素はしっかりと確保されつつも、そこに何時間も詰まるような無駄に難解なものとはならず、総じて適度な難易度に仕上がっていると言えるだろう。
戦闘は、ボス戦ではバフ、デバフのスキルを駆使する必要があるなど戦略的な戦闘が楽しめ、他方ザコ敵は全体攻撃スキルを使用すればそれほど苦戦することはない程度という良好なバランスである。
また、各地に回復ポイントが設置されていることから、レベリングや後述のスキル習得も容易である。
スキル習得を武器で行う点はやりこみ要素でもあり、これによりキャラの役割を増やすこともできる。特に回復系のスキルを取得させておくと、パーティが別れた際にも大きく役立つだろう。
そして、各キャラの強力なスキル使用の際にはカットイン、技名ボイスが入るという演出は戦闘を熱く盛り上げてくれる。
総評として、幻想的な雰囲気とキャラの魅力を中心としつつも、ユーザビリティに十分に気を配られており、RPGとして快適に遊べる作品に仕上がっている。
サムネイルを見て、作品の雰囲気やキャラに少しでも魅力を感じたならば、是非ともプレイしてみて欲しい。
リメイクで、シナリオもスチルもマップも、そしてあの王子までパワーアップ!!
※リメイク前 プレイ済み
ver1.01
クリア時間 4時間59分 (エトワールルート)
クリアレベル 15 or 14
幻想世界の塔のメンテナンスのため、雪の王子エトワールに
連れられて炎魔法が使える少女ジンジャーが幻想世界に旅立つ短編RPG。
リメイク前のものに、スチル、ボイス、マップなどが
改良、追加されたリメイク版であり、大まかな流れ自体はリメイク前と同じだが
追加イベントが多く、プレイしての印象は大幅に異なる。
追加イベントは例えば、一番冒頭のシーンで"雪の王子エトワールが
通りすがりのおっさんに塔の扉を開けてもらうように指図して
それができないようなので、戦闘に突入し
おっさんを氷像にしてコレクションにする"
という、悪の組織の幹部サイドのキャラがやりそうなことを
平然とやってのけてしまうため、
流れ自体は同じで、リメイク前プレイヤーには見覚えのある話なのに
別の話に見えてくる。
RPGの魔王が開始早々、主人公を強引に仲間にして
魔王の旅につきあわされることになった、くらいのインパクトがある。
リメイクでエトワールの破天荒に磨きがかかっているような印象で
彼からもらった雪のペンダントを装備しないと先に進めないのは
相変わらずだけど、ベッドで休憩すると意味深なイベントが起こり、
えっちな本が彼の家にあって、
それを入手していると後々イベントが発生する、
中盤ではジンジャーを押し倒してどうするかの選択肢が出る、
リュインに男色の気があるようなジョークを飛ばして彼に引かれる、
ボイスの「さぁ、戦いなさい」(人に戦わせようとする王子発言)が
あまりにもしっくり来すぎる点等
非常にキャラが立っており、作者の彼に対する愛が感じられる。
ヘンタイ扱いされることも度々ある彼だけど、
押し倒した後の選択肢で危険そうなものを選んでも
対応自体はかなり紳士的だったり、ジンジャーの悩みにも向きあったりと
肝心なところではなかなかのイケメンを発揮し
中盤以降はシリアスに移行したり、プレイヤーも彼に慣れてくるのか
のぞき見や爆弾くらいではそう驚かなくなったりもする。
ただし、クリア後のおまけでは、服を着せようとしたり
3人に増えたりと、RPGツクール3のBATTLE3こと「邦子のテーマ」が
合ってしまうくらいにはカオスな魅力を発揮する。
本作は王子に振り回されるコミカルな面が特徴的ではあるが
リメイクによって追加されたイベントで
シリアス路線も楽しめるのが魅力になった。
エトワールの絵画の話から始まる、ジンジャーのお菓子作りの才能の話。
そして、その才能の話から派生する家族の話が印象深く、
また、悲しみの欠片「サテライト」を活用しながらも
本作の敵として対峙するのは総じて仲間内なので
自分や家族に向き合うというテーマにも合致しており
家族に向き合ってもらえない寂しさや
やりたいことをぶつけるなど、ファンタジーを舞台にしながらも
現代に通じるテーマ性を感じる展開が多く、
なかなか共感できるシナリオになっている。
戦闘難易度について、ver1.01はリメイク前に比べて
かなり難しくなった印象を受けた。
ザコ敵はたまに曲者が混ざっていて
序盤から出てくる物理攻撃をあまり受け付けないゼリー系や、
強力な全体攻撃魔法を使ってくるボウボウなどの精霊系が厄介。
こちらも全体攻撃が強力なので、倒せないこともないが
倒せなかったときに、敵の全体攻撃スキル1発で
味方のHPの半分が削られてしまうことも多いので
前者ならMPがつきないようにMP回復アイテムを多めにもつ、
あるいは後者と同じように見かけたら逃げてしまってもいい。
ラスダンで猛威を振るったザコ敵が
「ヨゾラノコ」。
全体沈黙+暗闇で味方のココが使う分には便利だった
「スターダスト」をよく放ってくるため、
状態異常が入れば、ほぼ何もできない。
しかも、先述したようにこの「スターダスト」も
味方のHPを半分削る威力の全体魔法で
「ヨゾラノコ」を見かけたら、真っ先に処理できないと
高確率で全滅するという、なかなかにシビアな戦闘。
(しかも二匹出ることもある)
状態異常を予防できる装備は存在するものの、
隠しアイテムなので、気づかなかった場合が難しい。
そしてボス戦は
初戦からHPが下がったあとに特定の行動をとるようになるので
それをどう対処するのか、という戦略が求められ、
初見では勝つのは難しい、やりごたえのある難易度になっている。
ただ、ボスにも状態異常が有効なことが多く
最初に出てくる熊はもちろん、リュインも
エトワールの「愛のキック」で魅了できたり
意外な敵に凍結や火傷が入ったりもするので
攻撃のついでの追加効果で狙ってみるのも良い。
魔法パーティで魔法が一切効かないミミックのボスが
苦戦した。思いつく手として「スターダスト」で完封しながら
(ダメージは無効化されるけど状態異常は有効)
ビンビンドリンクでネコネコパンチしまくる
くらいが攻略法か。
ラスボスは最終段階が状態異常一切無効で
4ターン目あたりに
味方全員の特殊効果をかき消す「フラッシュ」、
味方全員のTP技を使用不能にし、全体にダメージを与える「封印」、
強力なカットイン全体攻撃の「闇夜の炎」を
順番に使うルーティン行動が設定されている。
全体攻撃の威力が高いのに加えて、ラスボスは素早いので
「フラッシュ」を見てから回復したら間に合わないことも多い。
そこで役だったのが味方全体の素早さを上げる「ラファール」。
これをかければ、先手は取りやすくなるので凌げるようになる。
ただ、「闇夜の炎」の後に「スターダスト」が飛んでくることもあるので
運も絡む面もある。
救いとして、どうもMPが切れることはあるようなので
そこまで耐えるというのも戦略としてはありかもしれない。
ラスボス、初対面からレベル上げ装備整えも含め、倒すまでに54分かかったので
倒せたときに非常に達成感が強かった。
以上のようにやりごたえのある難易度になっていて
戦闘も凝りたいという意図は分かるし
RPGに慣れた人向きの作りも良いのだが、
途中でエトワールかリュインか選ぶ分岐イベントがあり
周回プレイをすることや、本作は、コミカルはもちろん、
シリアス方面にもテーマ性のあるシナリオが魅力的なので
そういうシナリオ重視のプレイヤーも手軽に遊べるように
主に敵の使う全体攻撃の威力を下げて
(味方の全体攻撃はそのままで、多分下げると火力不足になる)
味方が沈黙と暗闇にもう少し対処できるようにするか
あるいは、もう少し簡単なイージーモードを実装するか。
もし遊びやすくするのであれば、どちらかが欲しい印象がある。
リメイクで受ける印象もだいぶ変わったので
リメイク前をプレイした人も改めてプレイしてみるのも良いと思う。
リメイクでパワーアップした王子に振り回されてみたい人や
家族や自分に向き合うというテーマ性のある物語をやりたい人向けな
一作といえるだろう。
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