閉鎖的な村、独自の信仰、禁忌、そこに迷い込む主人公…というホラー好きには見逃せない題材で手に取りました。
絵柄の個性、ストーリーやキャラクターの濃さ。
総じてとても良かったと思います。
イージーモードであっても逃げゲーはかなり苦戦しましたし、突然発生する隠れイベントにも躓きましたが、オートセーブが挟まれている為にそこまでストレスには感じませんでした。
村の探索に関しても、困ったら占い師に聞けば良いので、特に詰まることはありませんでした。
【ストーリーについて】
冒頭から衝撃の展開に引き込まれ、予想に容易い地雷行動を主人公が突き進むのでそれはそれでツッコミながら楽しめました。
一見優しくても本当に味方なのか分からない疑心暗鬼さ、仲良く話していたかと思えば些細な会話の中に生じる「村人」との価値観のズレ。
それらも因習村作品特有の王道をいっていて良かったと思います。
物語の根幹に関わる部分は、序盤から皆がきちんと口にしていましたし、伏線の回収漏れもなかったように思います。
【気になった点】
ネタバレにはなりますが、これに関してはプレイ前に周知しておくべきだと思うので記載させて頂きます。
「性暴力」について不安がある方はご覧になって頂きたいです。
どうしても気になった点は、他の方のレビューにもあった通り「性的表現」で括られるにはいささか注意書きが足りないという部分です。
「性的」と言っても、それが愛情表現の先であるのか、暴力であるのかで話が全く異なります。
そしてこの作品の場合は、基本的に「性暴力」です。しかもその対象は「主人公」にも及びます。
個人的にはこの部分が一番不快でした。
正直、「性暴力による暗い過去を持っている」というだけならば、ここまでの嫌悪感は抱きませんでした。
他の作品にもそういったキャラクターは大勢います。
しかしそうではなくて、「物語の最中に」「主人公が」酷い目に遭います。
その展開がストーリー上必要なものであるならば受け入れられたと思いますが、プレイを終えた今考えても、あそこまでやる必要は感じませんでした。
そしてその不快感に更に追い打ちをかけたのが、「被害者に対してのフォローが足りないこと」「加害者への罰が足りないこと」です。
わざわざキャラグラまで用意されていて、見るに堪えない状況であるにも関わらず、周りがろくにフォローもしない。
某キャラは怒りを剝き出しにしていましたが、最終的には「ちょっと危ない目に遭った程度」のような態度に。
終盤に出てくるキーキャラに関しては、寧ろ突き放しているようにすら感じました。自分も同じ目に遭った経験があるのに。
悲しいことに、ここで一気に同情出来なくなってしまいました。
加害者に至っては、何事もなかったかのようにその後の議論に参加してくる有様……。
逮捕はされたものの、罪の大元は別のもの。
主人公に暴力をふるったことに関してはなあなあになってお咎めなしのように感じました。
この点だけがどうしても許せず、クリア後もモヤモヤが残ったままでした。
逆に言えば、「これだけ主人公に思い入れを抱ける」ということかもしれません。
長い時間主人公を見守っていたので、そんな彼女の扱いが杜撰であることに落胆した、が正しいのかも。
それ以外に関しては本当に良い作品でしたので、上記の点に注意した上でプレイしてみてください。
素敵な作品をありがとうございました。
ふりーむのゲーコンで初めて知ってプレイしました。
物語の進み方としては冗長化せず、たまにコメディが混じりキャラクターが生きていると感じました。
キャラチップの細かい動きや立ち絵の表情差分もたくさんあるのでより惹き込まれます。
村の風景も細かく、そして場面にあったBGMでもっと惹き込まれるのです。
主人公がいつまでもくよくよせずに段々と前を向いて目標に立ち向かい、時には挫け誰かと手を取り合い壁を乗り越える。
流れは王道ですが信仰と隔離された村というテーマで大人でも楽しめる含みのあるお話になっています。
先がどうなるのか、推理しながら先に進めるのが楽しかったです。
これをノベルゲーではなく探索型のゲームにしたのは物語に惹き込みやすくしてる要因だと思います。
プレイとしては毎日違う質問をキャラクターに投げ掛け、それにきちんと答えてくれそこからまたストーリーが進行していくもしくは人間関係が分かるのが新鮮味がありました。
ただ、プレイヤーとしては表記は同じなのに聞く内容が変わる場合があるのが分かりにくかったです。新しい質問なら色が変わってくれるなりすると分かりやすいです。
鬼門のアクション部分ですが私のパソコンのせいなのか火打石のゲージがスムーズに動かず飛び飛びしながら動くので読み込みをしっかり待ってからやり直ししてました。逆に読み込みがないとスムーズに動いているような気がしました。結構このタイミングゲーをやるのが多くて疲れました。
最後の洞窟での謎解きは壁画がある場面まではわくわくしてましたが、その後はちょっと長いように感じました。
追いかけっこは何回もやり直しましたがクリアできないほどではないです。ただ回数が多いような…
珍しい絵柄と閉鎖された村という雰囲気に惹かれてプレイしました。
他のレビューで全体的にアクションの難易度高めと書いてあったのでイージーモードでプレイしました。なのでアクションで詰まる事はあまりなく、ちゃんとストーリーをおう事ができました。
キャラの一人一人がいきいきしている印象でした。シリアスや薄気味悪さだけではなく、親しみを持たせるコメディ的な部分も描写がしっかりしていました。
それだけにストーリーに対してもっと注意書きがほしかったと感じます。注意書きに性的な内容と書いてありましたがそれだけではなく、性暴力と性虐待の注意書きも加えてほしかったです。readmeにも書かれていません。
性的な内容がある事は注意書きを読んでわかったうえでプレイしていましたが、その性的な内容の全てが性暴力と性虐待でありかなり直接的な表現で描写されています。特に終盤の性暴力は回避不可であり嫌悪感を覚えるほどでした。物語の根幹にも性虐待が入っているので更に嫌悪感は増しました。
性的な内容がある事がわかったうえでプレイして、これだけ不快な気持ちになったのは初めてです。推奨年齢12歳以上と書かれていたのも嫌悪感を覚えた一因です。
序盤や中盤にある品のない男どもにちょっかいをかけられるだけなら推奨年齢12歳以上も納得できますが、直接的な性描写のあるこの内容で推奨年齢12歳以上は低すぎます。せめて15歳以上の内容だと思いました。
シナリオプロットが非常に良かったです。
ゲームを通して「こういうことかな? ああいうことかな?」と考えを巡らせていける感じで、展開のペースが本当に良い塩梅だったと思います。「実はこうだったんだよ!」というオチと勢いでプライヤーが置いて行かれるようなこと(ありがち)もなく、終始丁寧に進行されていったと思います。
プロットの中でドラマを彩る登場人物も、他の方が書かれている通り人間味豊かで魅力的でした。顔グラもとても作品にマッチしていて良かったです。
一方、アドベンチャーやアクションの部分はかなり中途半端で面倒だったかなとも思います。
探索に関してはほぼ移動だけで、アイテムを使ってみるということもなかったですし、謎解きはあってないようなものです。
一番苦痛だったのは逃走系です。私はゲーム要素としては追いかけっ子には否定的ではないのですが、ただ今回のは「なんか雑だなあ」という感触でした。追いかけっ子がそれなりに楽しめる作品は、マップやギミック、画面切り替わり後の処理とかわりと入念にデザインされていると思います。
こういう体裁のゲームである以上、探索やアクションがないと間が持たないとは察しますが、シナリオが面白いだけにそのようなところで詰まってしまうとやや興ざめになるかなとも思います。
色々書いてしまいましたが、プレイ後感はとても良かったです。
作者様が新しくゲームを作ることがあれば、また是非プレイしてみたいです。
(ネタバレありの感想です)
とても面白かったのでレビューを書かずにはいられませんでした!
めったに晴れない霧、信仰、怪しげな村人たち、いかにも薄暗い秘密のありそうな村を調べまわるゲームです。
グラフィックもリアル調で硬派かつ序盤のショッキングな出来事で鬱展開を想像しますが(実際暗い話ではあると思います)、某人にあげるパンを間違えた時のギャグ的なゲームオーバーとか、同行者と主人公の相性占いまでしてくれる占い師のおばちゃんとか、アーニャちゃんの元気いっぱいの言動とか、愛らしくも憎らしい役回りの3人娘とか、小ネタもキャラクターも人間味豊かで楽しいのでさくさく進めます。他の方のレビューを見ると、主人公が村人にも負けずなかなか個性豊かでぐいぐい動くので、最高効率で動く自分の分身だと思ってプレイすると共感しづらいのかもしれませんね。戒律に従順な村人たちと自分の意思で動く外からやって来た主人公の対比がはっきりしてて私はかなり好感をもってプレイしました。主人公は普通の村人やってた17歳の子ども、しかも異郷でたったひとり秘密を持って行動しなくてはいけないので、多くの大人が関わっている古い組織に深くかかわれなかったり効率よく判断できなかったり感情優先で動いたりするのは当然かなと思います。
マスターのようなかっこいいおじさまや魅力的な美青年が出てくるのでわりと女性におすすめかもしれません。
6時間程度でクリアしました。後半で何度もやりなおしたので、実際のプレイ時間はもう少し多いと思います。
ノベルゲームとしてみるとツボにハマる非常に面白い作品でした。彼らや主人公が遭った目を思うとグロテスクに感じるほど打ちのめされますが、救いのあるエンディングがクリアして良かったと心底思わせてくれます。様々な人物のその後も気になりましたが、変化を信じて大丈夫と信じたいところです。
話が面白いぶん、聞きこみや移動、追いかけっこのミニゲームなどがテンポを落としたり面倒に感じてしまったのが惜しいところ。もっとマップが小さければ……とかミニゲームが楽なら(特に後半の対大人数との鬼ごっこは投げかけました、霧で視界が悪いのも辛い)とちょくちょく思ってしまいました。
オートセーブもあり、セーブポイントも即死ポイント前後にちゃんと用意されているのでやり直しは容易です。しかしシナリオを読ませるゲームで難易度高めのミニゲームは、クリアまでの忍耐力が試されるので次回作ではよろしければご一考願います。
オブジェクトを調べたときの主人公のリアクションや状況によっての村人の反応の変化、表情豊かな顔グラなどかなり作りこまれているので、マップを探索するのが好きな方、ストーリーを楽しみたい方に特におすすめしたいです。
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