とても残酷なものがたりだったとおもいます。たしかに救いがない。
特にあるルートでは胸が痛みました。個人的にそのルートが一番救いがないかなぁと。
追加√もなんとも哲学的でしたが、個人的にはいちばん幸せな√なんじゃないのか? とおもっています。ハッピーエンドではないでしょうが、唯一救いがあるエンドにおもえました。
私の好きなキャラクターは主人公です。主人公は口が利けないのですが、ちゃんと意志をもって塔にきた子です。それがどんなものなのかは追加√でわかるのですが、怖さはありませんでした。
「神が救いをもたらす」、という概念が今作では登場しますが「救いをもたらすことを選択する」のは主人公ではないのか……とおもいました。しかし、救いがないゲームでもあるので「救いをもたらさない」結果、追加√以外あぁなったのではないかとも。
そして、さくさくやれて面白かったのと、やわらかなタッチで描かれる絵も好きです。前作からプレイさせていただいておりますが次回作にも期待です。
※ネタバレを含みます※
紹介画像からも分かると思いますが、お話とゲームデザインがマッチしていて、とても雰囲気の良い作品です。音楽や背景画像のチョイスにもセンスを感じます。人物の立ち絵は着色されておらず線だけ・絵柄もリアル寄りなのですが、それがまた良いです。作り手の拘りと愛情を感じます。
お話自体はゲーム紹介にもあるようにバッドエンドのみなので、プレイした後落ち込む人も多いかも?とても好きな作品なのですが、欲を言えば、もう少し謎は謎のままでも良かったかなとも思います。そうなってしまうと、本当に最後まで救いのないまま終わってしまうのですが。個人的には薄暗くて救いのないお話が好きなので、もう少しこのゲームの謎にもやもやして居たかったかもしれません。
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