お見事サブカル
フリーゲームを遊んでいると、何作か、まっさらな状態で遊んでほしいって名作に出会うことがあるのですが、これはその系統の作品です。詳しい事前情報とかを見ずに、DLして遊んで欲しいげーむですね。
RPGとしての癖も難易度も悪くなく、よほどヘタをうったり運が悪くなければ、強さで躓くことはないでしょう。
※以下少しネタバレ気味に
過去のユウさんのパートナー達は全員何かしらの影響で、あの泉に入っちゃったのでしょうねぇ。アサヒさんの時でも一応は止めますが、その反応は何が何でも止める!ではなかったのが、ユウさんの過去の凄惨さを感じさせる。
この、一周目では気づけない事象は結構多く、短く狭い世界ながらも、じっくり噛みしめるように遊ぶとより感慨深くなれるでしょう。
ストーリーの流れと、アサヒの決断にユウの装備品にその過去と今と未来。サブカルという意味がよく表れていて正にタイトルに偽りなし。良いお時間を過ごせました。
四天王の緑髪の人の扱いが特に酷くて不憫で好きでした。機会があれば四天王三人セットでまた拝みたいものです。
追伸
ラスボス、エンディングの演出と音楽の使い方が特に素晴らしいですよー、と書き忘れてました。文字の演出といい過去の演出といい、それをドバっと出してくるラストの戦い、お見事です。
テーマは好きだったが…
レビューが良かったので気になってプレイし、
2つのエンディングを見るまでプレイしたが、合う合わないが、結構分かれると思う。
テーマはしっかりしているし、タイトルの「サブカル」も絶妙。
勇者らしい行動の位置づけも面白い。
根幹がしっかりしているだけに、周辺のメタいところや、雑なところが気になった。
例えば、道具とかの説明文が大体ウィンドウからはみ出ている。
王が裸であったり、ユウがやたら現代的な恰好しているのも、よくわからず冷めた。
小林は重要人物っぽいのに、説明も不十分な気がする。
全体的にプレイヤー置いてけぼり感が目立った。
エンディングはどちらも良かったけど…
最後に、なぜかわからないがデータ容量がやたら多く、DLに時間がかかる…
リドミーを「読め」とあえて表記しているが、開いたら普通のリドミーで肩透かし。少しイラっとした。
何が正しいのかを考えさせられるゲームでした
最初は王道とタイトルにあったので普通のRPGよろしくレベル上げや村人からの強奪をしていたのですが、
だんだん雲行きが怪しくなってきて1周目を終えた時には得も言われぬ虚無感を覚えました。
途中でマルチエンドを思わせるメッセージがあったため、2周目をスタート。
2周目は1周目とは真逆のプレイングをしたのですが、結果は1周目と同じになってしまいました。
3周目でようやくフラグらしきイベントを発見し、無事2つ目のエンディングを見ることが出来ました。
DATEの頃から、メタの使い所が非常にお上手だなと感じました。
それを支えるストーリー展開も熱く、惹きつけられました。
哲学に疎い私ですが、ゲームという馴染んだものを通じて触れる機会を貰えて感謝しております。
本筋とは関係ないところでのギャグ要素もアクセントになっていて、丁度いい塩梅でした。
ただ、作者の他の作品に慣れてしまったせいか、顔グラが実写じゃないことに多少の違和感を覚えてしまいました(笑)
最後に、とある技のメッセージにサチという名前が出てきますが、次回作の主人公でしょうか?
(冗談です、おそらく誤字だと思いますのでお気づきになられたら修正お願いします。)
勇者らしく使命に従うか個人として反体制に生きるか
クリア時間 1時間19分
+1時間24分 (もう1つのED見つけるまで)
魔王を倒すべく旅に出たばかりの勇者に
やたらと強い謎の現代的な武器を扱うもう一人の勇者が
同行する短編RPG。
特徴的なシステムとして
本作は敵を倒してレベル上げできるだけではなく
勇者らしい行動をとるとレベルが上がっていく。
この勇者らしい行動というのは誰かを助けるというのに加え
棚からアイテムを勝手に持っていくのも含まれている。
あまりこの勇者らしい行動ができる箇所は多くないのだが
終盤、これが恐ろしい使い方をされるので、
シナリオのための演出的な面が強い。
本作はシナリオ重視ゲー、という言葉以上に、
とあるテーマ、シナリオを書きたいがために作った印象が強い。
行こうとしたカジノが摘発されるとか橋の落ちた先で紐を作り続ける人など
シュールで面白いネタはいくつかあれど、
住人は同じセリフ多めなのでじっくり探索するよりも
一通りマップを歩き回ったらメインイベントを進める方が楽しめる印象。
ただし、エンディング分岐だけ探索は少し必要になる。
戦闘面に関してはユウが序盤から最強クラスに強いので
苦戦する要素はほぼない。しかも攻撃はシナリオ的にも
全てユウに集中するようにできている。アサヒのレベル上げも
少し上げておけばあるイベントで楽、くらいで
積極的にしなくてもクリアできるようになっている。
難易度的には自力でもう1つのエンディングを見つける方が
難しいかもしれない。最初はシナリオ的に最小レベルである5を
キープしたまま魔王城にたどり着くだと思ったけれど
ある程度以下のレベルで(レベル27くらいでもいけた)
闘技場のイベントを発生させることだったようで
ヒントは一応、最後の街にあるのだけど
少しわかりにくいかもしれない。
そしてシナリオはなかなかにトリッキーなのが印象的で
合間に挿入されたユウの正体を探る四天魔の会話で
プレイヤーにこういう展開だろうなぁと予想させて
実は違うんだ!と違う展開を持ってくる。
あとは、タネが分かった状態でプレイすると
キャラのセリフがどういう意図なのかが読めて趣深い。
2つあるエンドのうち、個人的には
Aエンドの方がプレイヤーに訴えかけてくるテーマが強くて
プレイヤーも加担してるのもあって印象的だった。
Bエンドは反体制的な意味でパンクロックな展開で熱血。
(おそらく表題のサブカルも象徴している)
こっちは終わったというよりは始まった印象もある。
とにかくメインシナリオを純粋に楽しませ、考えさせるように
できていて、シナリオを味わいたい人向けであり
メタなものや王道に疑問を感じる人向けな一作。
二人で見る世界はきっと美しい
※作者の方の他作品のネタバレもあり
ハッピーエンドの条件がわからなくてムダに何週もしてしまいました。ツイッターの作品ハッシュタグのヒントでわかった。ああなるほど。条件二つはわかったんですけどもう一つが……ちょっと考えればわかりそうなもんなのに。
ストーリーは各シーンの選曲も相まってとても面白かったです。地下水道の曲とか終わりを感じて少し切なかったし、トゥルーのラスボス曲も展開的にも盛り上がりました。やや短めですが。二周前提な作品なんでプレイ時間はダレ防止的にも仕方ないのかもしれませんが、四天王さんらはもう少し扱い良くても良かったな。良い人らなのが会話の端々から伝わってきたので、メタ的にもシナリオの流れ的にも切り捨て感があって悲しい。
それでもメイン二人は魅力的だったし、シナリオの大筋は良かったです。トゥルーがある種の王道なんだと思いますが、個人的にはハッピーエンドルートこそが王道だと思いました。ラスボス戦入るまでの流れとボス戦限定のアサヒの特技コマンドが泣かしにかかって来てる。てか泣きました。こっちのルートのアサヒとユウのさわやかな友情の流れが良かったです。
前作の「僕だけがこの世界の」は完全ストーリー重視というか、キャラに入れ込むよりは構成がミソって感じの作品だったので、今作は前作のようなストーリーラインを踏まえつつもキャラに入れ込みやすくなってて良い正統派進化って感じでした。
てか今作で逢えるあの人……私はあの後あの子のそばに寄り添ってやってるのかなって思ったけど思ったより彼の旅は険しいみたいだ。散々コント披露させてゴメン。
コンパクトな世界観で綺麗にまとまっている良作だと思いました。でも王様は死ね。後王様の部屋の入り方がわからなかった……。調べられる箇所あるっぽかったから気にはなったんですが。糞みたいなプロマイドはみつけたんだけどな(トゥルーの発言にブチキレつつたき火に放り込みながら)
王道への疑問、背徳感、不穏さがよく表現されていました
勇者と魔王の王道ファンタジーに疑問を投げかけるゲーム。
ダンジョンや戦闘もありますが、
本質的には見るゲーだと思います。
登場人物の動機が若干消化不良ではありましたが、
勇者としての振る舞いに背徳感や不穏さを感じる
演出やシステムがよかったです。
エンディングはtrue endのみ見ました。
もう1つのエンディングも見たかったのですが、
2週目もtrueになってしまい残念。
BGMのセンスや
アサヒとユウのテンポのよい会話も好きでした。
自分がこの作品を上手く解釈できているかは分からない。
AルートBルートの二つをクリアしました。
どちらもEDが面白いです。気にいっているのはAルートのエンディング。主題に最も沿っているルートだと思いました。Bルートのエンディングはどちらかと言えば救い、救済だと感じました。
勇者らしく行動すれば、勇者という祝福が得られる世界。美しきもの。
ここに描かれている世界、ここに描かれた人はきっと美しいものなのだと。
この美しさ、に感じるものを誰かと共有したい。私はそう思います。
単純なRPGではない
深いストーリーです。まさに哲学。
敵と戦って育てるというRPGではなく、勇者らしい行動をするとレベルアップ。
その「勇者らしい行動」というのがポイントになっていて
何も考えずにプレイすると、後の展開に衝撃を受けました。
なので地道に敵と戦ってレベル上げをするのが好きな方には
物足りないかもしれません。
それを補って余りあるほど、ストーリ展開に鳥肌が立ちました。
また小ネタが多く、制作者さんの他ゲームをプレイしていると楽しめるものや、
町の人々、調べられる箇所、アイテムの説明などなど、正直おなか一杯と思うのですが
それでもやっぱり笑ってしまいました。
馬が最高でした。
EDは2つあり、1周目だけでは真実にたどり着けないので
ぜひ2周目もプレイしてほしいです。
短いものなので、そんなに苦労はしないです。
もう少しストーリーが長ければ、もっと2人に感情移入できて
熱くなれたのではないかなー。
あと魔族側四天王の扱いがちょっと可哀相に思いました。
続きが出来そうな終わり方でしたので、続編を期待です!
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