ストーリー大賞に推薦!
(総評)
本当にフリーゲームなのかと驚くほどストーリーの組み立て方や人の描き方がハイレベルだった。ふりーむコンテストでは例えば「脚本特別賞」あたりを創設してでも入賞するべき作品だ。作者の深い教養に裏打ちされた社会的メッセージの強さが感じられる。
(長所)
・「亀山薫と杉下右京」みたいな熱い相棒意識を持った男主人公たち
・サブキャラにも見せ場があり、人数だけやたら多くして放置しっぱなしの他作品とは違ってキャラクター造形の努力がズバ抜けている
・文章から見える作者の知識量が底知れない
・同じ作者の1作目でもそうだがストーリーの重要ポジションにある人を障害者にすることで、障害者差別への強い怒りの訴えが見える
・初心者にとっつきにくくならないような難度調整やマップ構成がされている
(短所)
・ヨーロッパ的な中道左派の立場で社会福祉論を組み立てていることから、いわゆるネット右翼にとって不都合な真実を突きまくっている。作者の立場を明確にしているのはいいが、感情的な誤解や批判を招きやすい
重厚なストーリーと音楽に脱帽
堅苦しい方向のメッセージが強いことを
作者さんが正直に公表しているのですが、
それを理由に敬遠するのはもったいないです。
フリーゲームでこれほど重みのあるストーリーを
持った作品は初めて見ました。これほどの内容を
文章として作るのは相当な教養がないとできません。
ネタの引き出しの多さに驚かされました。
80年代のバラエティ番組をパロったと思えば
次の場所でいきなり夏目漱石を引用してくるなど、
仕込んだネタの数が作者さん自身でもわからないそうですが
軽いネタの畳みかけとシリアスな話を上手に同居させています。
シリアス方向の話は、もしかしたら政治学の知識がないと
全部を理解しきれないかも、というのは少し気になるところですが。
作品内の世界観からすると作者さんはクリスチャン? と
思います。西洋的世界観の中へ強引にキリスト教もどきの
宗教像を押し込んだRPGが多い中で、すごく現実的な
宗教観を描いています。
良いことも辛いこともいろいろ経験している社会人だからこそ
作れるゲームではないでしょうか。
最初からプレイ方法という選択を迫られます
【特徴】
〇2種類のゲームの進行方法
ゲーム紹介の本文にも記載してありますが、
二種類のプレイ方法が提示されているのが最大の特徴です。
敵を殲滅していく通常のSRPGプレイに近い破壊型と、
特定のマップ以外は目的の敵のみを撃破する秩序型、
どちらでプレイするかにより誰が味方になるかが変わります。
〇人物
自軍の人物については主人公二人を中心に語られていますが、
敵方については語られる内容が少なく、エピソード的にも、
どうしようもない人間という人物が大半に感じました。
その辺りは少しばかり残念だったかもしれません。
〇ストーリー
秩序型でプレイした感想では、一般的なシミュレーションに比べ、
福祉政策についての話題が多いように感じました。
福祉は軍略や政略に比べて戦時においては重要度が低い内容ですが、
本作では目指す社会の在り方という形で作中に度々、登場します。
軍略に中心を置いてほしいという人にとっては少し親和性が低そうです。
一方、戦争を通じて目指す社会を表現してほしい人には好みかも。
〇戦術
基本的に敵は強くないため、ただ倒すだけならば苦戦はしません。
けれど、秩序型でプレイする場合、ターゲット以外の敵を倒せないため、
いかに進行方向を塞がせないかといったことに頭を使うことはあります。
とはいえ、それを含めても難易度は低く、初心者でもプレイ可能です。
もっとも、反撃なし、精神値による疲労、等の独特な内容も多いため、
同種のゲームをプレイ済の方の方が向いているような気はします。
出会いでつむぐ民主革命戦記。あの時、あの場所で、あの人と
【総評】
多民族が混在する地域を急進的に統一したばかりの帝国を
舞台にして、人間劇が繰り広げられるシミュレーションRPG。
懐かしのSRPG『フェーダ』の影響を色濃く受けており、作戦で
敵側の犠牲をどれだけ出すか(あるいは出さないか)によって
主人公らの軍勢に加わる仲間が変わるシステムが特徴です。
相棒のブロイツェールが若干、理窟っぽい感じですが、主人公
アンディは普通なので、最後までテンポよくプレイできました!
以下、難易度オーディナリー(普通)の秩序型でクリアした後の
プレイ感想です。(※ネタバレなし。)
【長所】
・難易度オーディナリーでプレイした限り、サクサク進められたので、
シミュレーションが苦手な方でも気軽にプレイできるかと思います。
・全マップがスクロールなしというミニマップですが、各面でテーマが
決まっていて、どうやって攻略してみるか考える楽しみがあります。
出撃前にはヒントも聞けますので、増援や仕掛けなどを理不尽に
感じることもありませんでした。
・キャラのやり取りや描写が丁寧で、性格が浮かび上がる感じです。
理想と折り合いを付けながらしっかりとお姉さんしてるカルミナが、
健気で可愛かった! 男同士の友情も、熱くて良かったですね。
・ケモノ要素と同一ターン内での交代行動制を取っ払った『フェーダ』
というプレイ感覚で、特に序盤の展開や序盤のボスを倒した時の
散り際のセリフは、「ここまでやるか!?」と感心してしまうレベル。
・ゲームだけでなく、’80年代のテレビ番組や近代日本の文学作品、
クラシック音楽のタイトル、聖書や孫子などのパロディも多数あり。
『エルテール大陸物語』みたいだなと思ってたら、なんと同じ作者様!
・地の文のストーリーテラーが、ほぼ最初からずっと同行する弓兵の
女の子が書いている日記だという設定は面白い試みだと思います。
日本の戦国時代で言うところの太田牛一みたいな。
【短所】
・まだ秩序型ルートしかクリアしていないので何とも言えないのですが、
操作できる仲間にトリックスター的な女の子がいると、もっと良かった
かも知れません。
(※ぶっちゃけて言えば、単に私が、旅の商人みたいなドジっ子を
動かしたかったというだけの話ですが……。)
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