雨が降る幻想的な雰囲気の中での淡い恋愛。
クリア時間 18分 (彼エンド)
+5分 (和泉エンド)
+13分 (おまけ)
梅雨の時期、雨の日にだけ電車で見かける彼との短編恋愛NOV。
雨の日の電車でいつも見かける、
好きな作家、好きな小説が共通していて
いつも同じ作品を読んでいる彼に興味があるのだけど
主人公は拒絶されるのが怖くて
声をかけられず、見ているだけで満足していた。
ある時、忘れた傘を届けてもらったことをきっかけに
彼と話すようになった。
そこから始まる彼との交流というのが前半の大まかな話の筋になる。
恋愛描写について、彼の髪に触れたことで身体が密着したり
自転車が来たことで彼に腕を引かれて彼の胸元に飛び込んでしまったりと
ちょっとした密着からのドキドキが印象的で、
思春期の異性に意識が芽生え始めてきた頃の淡い感情が
上手く表現されているように思う。
しとしと降る雨がこの恋愛の淡さと相性が良くて雰囲気が良い。
※以下 ネタバレ度が高いので クリア後に読むの推奨。
これって自分のことを言ってくれてるんだったらいいなって
そんな夢を見ながら話してて、初々しくて微笑ましい。だけど、
その夢が壊されるのが本作の転で、主人公の複雑で繊細な乙女心が
発揮されて、彼の話の綻びを次々と口にしてしまう。
ここで、いつも臆病と言って逃げてるのに、と自己嫌悪するのだけど
むしろ、臆病だから言ってしまったのだと思う。
自分が傷ついたのを知られたくなくもあり、
彼が優しいのだけど、ほかに相手がいるのなら
それは自分には向けられなくなるものであり、
いずれは彼に拒絶されるくらいなら自分から壊してしまおうという
一種の心の防衛だと思う。
ただ、この主人公のいう「臆病」は
「ある程度幸せであるなら、それ以上を相手に求めてはいけない。
求めてしまうと、拒絶されてその幸せが失われてしまうのが怖いから」
という性格も強いので、それをふまえて先ほどの自己嫌悪のセリフを読むと、
求めすぎた自分への後悔にも見えてくるのが趣深いところ。
彼について、外見はカッコイイけど、
彼の言動や表情は可愛らしい人な印象である。
主人公は臆病なのもあって彼への気持ちを悟らせないように
表情にはそこまで出ない分、地の文で心情が分かるのに対し
彼は地の文で心情が描写されないのだけど、
赤面してたり目を合わせられなかったりと
言動や表情で主人公のことが好きなのが分かる。
主人公は人付き合いが苦手なんだなぁくらいにしか
思ってなかったけれど。
同じ作品の話しかできないのも
主人公の好みに合わせて頑張ったんだろうなぁとも思えて
可愛らしい。頼りないところが母性をくすぐるというか
庇護欲をかきたてるというか、そういう魅力がある。
でも、主人公が告白しようとすると口を塞いで止めるあたり
告白は自分の方がしたいって感情が出てて
そこは男として譲れなかった、そういう男らしさはちゃんとある。
さて、本作にはエンド分岐が1つある。
現実の彼が好きなのという問いかけである。
あくまでも、趣味が合う彼というのは
彼が主人公のために頑張ったのであって
それしか見ていないのであれば彼である必要はないという
彼エンドはこの年代の恋愛で特にありがちな
自分の理想を投影してるだけなんじゃないかという
鋭い部分を指摘する。それもそれでまた青春という感じもする。
本作は彼が「夢の存在」なのか「現実の存在」なのかが
ちょっとしたテーマになっているようで
夢や幻想的という表現が多い一方で、
和泉くんという一人の人間、という表現もある。
和泉エンドは夢見心地の恋愛から
現実の和泉君を見つめられるようになったエンドとも思える。
小話でも語られているが、主人公と彼は、
お互いにこういうことやって大丈夫かなと慎重に慎重に
進んでいって、ちょっとしたことで幸せを感じていく
初々しい関係を続けていきそうな印象もある。
どちらかといえば、主人公の方がお姉さん的で
ちょっと冷静に強気に出られると思う。
もう一人主要登場人物がいるのだが、
本作では転の役割を果たすキャラなのだが
プレイヤーからすると三段階くらい印象が転じる
なかなかにトリックスターな面白いキャラである。
彼の身内なのかーと思いきや、彼から話を聞いて、えっ!と
驚き、小話でもまさかのあの人がこの人だということが分かるという
くるくると印象が変わる。
自分の話題が出ていたときどんな心境だったのか。
そして、この事実が主人公に伝わることがあれば
主人子がどんな反応をするのか、すごく気になる部分でもある。
雨が降るしっとりとした雰囲気で
初々しくも淡い恋愛が楽しめる一作。
繊細な恋愛関係やちょっと気弱な男性が好きな人向け。
雰囲気が素敵です
ふとゲームを探している時にサムネイルが見えた瞬間、これは間違いないと思いダウンロードしました。
実際プレイすると思っていた通りの良い雰囲気でした。
物語の始まりから馴染めやすく、終わりまでずっと安定していました。
久々に恋心を感じて、いいなって思いました。
初々しくて可愛い!
恋っていいな~と思えるゲームでした。
楽しかったです!
バランスがとてもいい作品
朝の電車で見かける気になる男の人。
個人的には限定された時の中でしか会えない人とのラブストーリーが好みなので、とてもいい設定だと思いました。
また本来なら大多数の人間が鬱陶しく思う雨の日を爽やかに穏やかに表現されています。
文章・イラスト・BGM・雨音のどれもが素晴らしいバランスで保たれており、エンディングにたどりつけた時には小説を一本読破した気分に陥りました。
メインの二人が初々しく、可愛らしいのでハッピーエンドを見れたときは本当に心から「お幸せに!」と思ったのですが、彼エンドの現実的な感じも好きです。
また私は全てのエンドを見てからオマケを開いたので、和泉エンドとノーマルエンドがどっちがどっちなのかわからなかったのでエンディング時にエンド名が入ってる、もしくはオマケでエンド回想ができたらより嬉しかったです。
素敵な作品をありがとうございました!
君の名は。
この時期にピッタリな作品です。
雨とピアノという音、淡くも美しく彩のある作風が
優しい世界観に合っていて、非常に心地よいです。
雨の日の電車登校で、ふと見かける気になる人。
ただ見てるだけでいい…というヒロインの淡い想いから始まり、
ふとした事で気になる人と仲良くなっていく過程が丁寧に
描かれていて、優しくも心穏やかになる世界観にとても癒されます。
セーブ&ロード画面かわいいです。
以下、ネタバレ
よかった…和泉君は本当に実在する人だったんですね!
雨しか現れない精霊だったらどうしようとヒヤヒヤしました。
雨のせいでゴワゴワ髪を気にするヒロインが乙女可愛いです。
下ろしててもくくっててもすごく可愛いし、大人しいけど
ちゃんとハッキリする所はキチンとしてて、見てて応援したく
なります!
ヒロインがすごい好みなので彼女の名前知りたかった…。
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