冬のあたたかいお話
クリアしました。
ゲームはとにかく親切設計で、詰まることはないでしょう。
最初のボス戦は、特に前触れなく発生したので少し驚きましたが、撃破には問題ないかと。
ストーリーは結構シビアな設定もありますが、余韻を持たせたハッピーエンドかと。ヴェルネがやたら神扱いされていますが、そもそも勇者が魔王を倒した物語を体験することができないので、若干置いてけぼり感もあるかも。
その物語が体験できていると、あのクライマックスの場面での罪悪感、栄光の裏には犠牲があるという場面が身に染みるかと。せめてモノローグでもいいので、体験したかったと思います。
お宝の話は素直にジーンときました。
とても爽やかなエンディングだったと思います。
魔王が倒された後も世界は大変です
※ネタバレあり
前作に当たる勇者ヴェルネと砂漠の雨が大好きだったんで続編もプレイ。(やらなくても平気だとは思う)前作もですが魔王を倒した後の話というのが割と新鮮で、でも平和ボケしてるわけでもなく熱い展開が楽しめるのが良いところ。
物語としては意外な展開あり、魔王を倒せてしまった勇者の存在に鋭くツッコんだシーンなどもあり、またそのことに対する主人公のネスリアの葛藤などもありと、イベント描写や伏線がとても丁寧で感情移入がしやすかったです。作中の勇者への疑問に対するラストのネスリアの解答がとても良かった。ネスリアが途中の敵陣に突っ込んでいくあたりの動きの演出とか、屋根に上るシーンもカッコよかった。ルトエナが合流する辺りの流れも好き。
バティスの鎧にはちょっと笑って、割とシャレになってない気がする子供の頃の過ちには驚きましたが、だからこ終盤の展開が説得力あるかなと思いました。
ゲームとしてはガシガシ特技や魔法で殴れるのが爽快で詰まることもなく、問題にまっすぐ立ち向かっていく王道な展開も相まって一気にクリアまで楽しく遊べる作品でした。
闇風で敵を切り刻みながら、立場や目的の違うキャラのやりとりや物語の意外性を手軽に楽しめる一作。
クリア時間 51分
クリアレベル 8
メイディン家の幹部ネスリアとルトエナが雪をやませるために
氷の神殿に向かう掌編RPG。
システムはデフォルトで、ゲームバランスが
易しめにできている印象で、攻撃力を上げて行動回数を増やして
強力なスキル「闇風」でザクザク敵を切り刻んでいくといった
ガンガン攻められるスキル構成とゲームバランスになっている。
マップは広大だが、それに合わせて移動速度も速めになっており
誰でもプレイしやすい印象である。
本作の魅力はシナリオ面における
「キャラクターの多様性」と「展開の意外性」の2点であると思われる。
「キャラクターの多様性」については
今作のプレイヤーサイドの3人は立場、目的が違っており
一枚岩では全くない。具体的に
ネスリアは真面目に任務を遂行したいのに対し、
ルトエナはそんな任務よりも宝を探したくて、
バティスは国が騎士団を置くということも当初は懐疑的に
ついてくるという印象であり、考えがそれぞれ違い、
そういう3人のやり取りを楽しむというのが本作のシナリオである。
ネスリアは無口である分、心の中でルトエナにツッコむ場面が多く
つきあいの長さも表現されているように感じた。
「展開の意外性」は本作の場合では
「シクルの宝とは何か?」「中盤なぜ、ヴェルネが現れたのか?」
といった謎を提示し、その謎に対して一応の答えのようなものを
一度出す。しかし、その答えはプレイヤーに対するミスリードであり、
本当の答えを終盤に提示することでプレイヤーを驚かせる仕掛けになっている。
答えが提示される場面で、謎が提示されたシーンが
モノクロで表示されるので、「あの謎はそういうことだったのか」と
伏線の回収がプレイヤーにも非常に分かりやすくなっている。
個人的に一番驚いたのは雪女の正体だった。
ただ、シナリオ面において「消費税を取り入れて騎士団を配置する」
という治安維持がテーマのようで、それがテーマになっていたのは
最初だけで、後半の「罪を犯してもやりなおせるはずだ」をテーマにするにしても
弱い印象があって、本作はテーマや何かしらのメッセージを持たせたいという意志は
感じるのだが、本作のテーマはどうにもつかめない印象がある。
前者のテーマなら、舞台となるシクルの町はもっと荒れたスラム街のような
場所のほうが説得力があっただろうし、本作のような現在、穏やかな場所だったら
わざわざ物価を上げて”悪人を取り締まる目的で”騎士団を配置する必然性が
なくなってしまう。後者にも関連することだが、
昔は治安が悪かった描写ならいくつかあった。勇者ヴェルネによって平和になったから
というのもあるのかもしれないが、その土地の過去の出来事がメインであるがゆえに
どこか観光チックな緩さを持った印象である。
お手軽でゆるい話にしたいのか、難しくて深いテーマを扱った話にしたいのか
その2つの間でシナリオの方向性が揺れ動いているように思えた。
テーマとか深いことはあまり考えずに手軽にプレイするのがよく、
それができるようなガンガン攻めるゲームバランスであり
キャラクターの個性やそのやり取りと、意外な展開を楽しめる一作といえる。
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