キャラクターごとの個性を出すことに凝っていらっしゃるようで、後半のメインキャラ同士での会話シーンなどはなかなか印象的でした。
パーティーメンバーが4人を超えると存在が希薄になりがちなキャラも出てくることがあると思いますが、
本作では割と満遍なく会話やイベントが組まれていて好印象でした。
ただ戦闘面においては、能力や特殊技などを比較して使える使えないというところもありますから、ある程度は固定されていましたけれども。
私の場合はボスまでのマップ攻略&対ザコ敵専用とか、ボス戦専用とか…、大体の役割を分けて満遍なくは試しました。
まあ、ストーリーの流れ的に、このボスにはこのキャラをぶつけたいっ!というのも時々ありますから、一概には言えませんね。
あと姉弟やネコ耳姉妹はなるべくセットで使いたいとか、ミリアムはなぜか欠かせないとか、細かいこだわりはありました。回復役も必ず一人欲しいですね。
あとこの場合、実際に戦闘に参加していないキャラにも経験値が入るシステムは、新たに経験値稼ぎの手間が省けてとても便利ですね。
それぞれのダンジョンは、最低一つはトラップや謎解きなどの遊び要素があって、その辺りを楽しみながら攻略できました。
さすがに後半になるにつれ、ダンジョンマップもかなり広くなってきますが、ダッシュ機能があるのでさほど苦にはなりません。
エンカウント率が比較的低めに感じて、ダンジョン内に回復ポイントが多めにあったのも、気楽に進めて良かったです。
ゲーム自体は、面白いです。戦闘とかのバランスはいいですね。で、気付いたところを。
・アベルとライナ。炎の洞窟あたりではぐれたわけですが、無事だったのに、ステラに会いもせず、勝手に次のダンジョンに行ってるってのは、どういうこと?しかも、塔の頂上に着いた時、後ろから来るって・・・勝手に先に行っといて、しかも遅れて来るってのは、なんかヘンですね。
・船の爆発。ステラ達が助かった理由は、結局何だったんですかね?明かされないままですが・・・。
・ルーン。HP+50とか、TP+20とかの最弱レベルのルーンなんですが、最初の方ではともかく、中盤以降、特にラストダンジョンでそんな少ない量の回復をしたところで、気休めにしかなりません。
オーソドックスでちょっと懐かしい雰囲気の、スタンダード中編RPGという感じだろうか。
ストーリー的には「何気ない日常を送っていた主人公が、運命に導かれるままに冒険し、様々な仲間と出会い、巨大な悪を討つ」という、ファンタジーではお約束ともいえるもの。
いい意味での王道でわかりやすいシナリオ、テンポの良いイベント、キャラクターの会話や表情の変化も楽しい等、親しみやすさという意味では好印象。
その一方で、都合の良い展開で淡々と話が進み、劇的で印象に残るようなイベントもあまりなく、ストーリーが無難にまとまりすぎている感があるので、濃厚なストーリーを期待すると肩透かしを食らうかもしれない。
1章ごとに長めのダンジョンが1つずつ存在し、章を終えると以前のダンジョンには戻れない、先に進むだけが目的の完全一本道制。
戦闘難度は低めに設定されていて、適度なエンカウント率、迷いどころは皆無、回復、セーブポイントも適度にある為、極度に苦戦するところもなく、万人向けのバランスで初心者からそれ以上のプレイヤーまで気軽に楽しめると思われる。
しかし、宝箱が他のRPGに比べ若干多く設置されている事以外は、特に寄り道する場所もなく、あまりやり込む要素も見当たらない為、やりこみ派のプレイヤーには物足りない進行に思われるのは否めないところ。
中盤あたりからパーティ増加で自由に組み合わせができるが、戦闘参加しないキャラにも経験値が入るシステムなので、他のRPGにありがちな、いちいちパーティを入れ替えして、手間をかける必要性が少なくて便利。
しかし残念ながら、一定の使いやすいパーティを固めると、他のパーティは蚊帳の外で、特にそれで不利になることもほぼ無いので、極度に出番の無いキャラが発生しやすいのは寂しいところ。
その他
○システム設定でウインドウ等が変えられたり、アベルの日記でストーリーのおさらいが確認できたりと、細かいながらもちょっと嬉しい。
○どうもステラ嬢が他のパーティの存在を曇らせる位目立つポジションに立ってる気がした。 (まぁ、主人公なのだが)
○ステラ嬢のボス戦前の「あっ!」、アベルの某対戦格闘チックな必殺技、ルミナスのおっ○いロケット等、自分的に妙にツボな演出が結構あった(笑)。
○やけにあっさりしたエンディングと、スタッフロールや作者部屋すらも無いという潔い終わり方だったのがちょっとアレだった・・・。
傑作と呼ぶには物足りない部分が色々とあるが、作り自体は親切、丁寧、わかりやすいと、三拍子そろった内容なので、最近の複雑化、高難度化したRPGについていけない人には是非お勧めしたいところだ。
そして本作が、記念すべき(?)総合レビュー(一般&旧レビュー)1000作品目に該当するのだ。
ふりーむに出会ってから約4年が過ぎようとしているが、これからも定期的にレビューしていきたいと思う今日この頃であったとさ。
あと、タイトル左の[評価]は自分的にはなかなか面白かった、多くの人に勧めていきたいゲームの印である・・・まぁ、【感謝】の一歩手前という位置づけになると思って頂ければ良さげぽい。