ごく自然なる続編
続編を自由に作成できることが売りの本作であったが、そう言われると、却って製作者の手に依る続編が気になってしまうもの。
その期待に応えるべく登場したる本続編、基本は第1話の仕組みを踏襲したるもので、まるっきり方向性が変わることはなく、気軽に楽しめるのは有り難きところ。
第1話の依頼の仕組みを若干ながらも発展せしめ、第2話「らしさ」を演出せんと微妙なる調整に躍起になる製作者の意気込みと工夫を随所に感ずるつくりであった。
サンプルゲームに於ける本作にて「自由に続編を」との製作者の「み言葉」に甘え、グスタフ家への道のりなど若干序盤の話を膨らませた続編を小生自身が製作してみた。この本続編の蓋を開けてみるに、余りの思想の違いに思わずずっこけた。「流石、敵わない」と感銘を受ける所もあれば、「こんなので(小生の続編は)製作者に喜んでもらえるものとなるのか」とずっこける箇所もあった。
本作には、種々の出会いが秘められている。
ルクツの村、あれだけの小さな規模の村に、種々のよもやま話があることに驚かされる。
ノンビリと暮らす人々、夫婦喧嘩の絶えない一家、噂話に明け暮れる貴婦人、風紀を乱すならず者、、、
あてもなく村を徘徊していると、然る小さな出来事の数々の積み重ねにいつの間にか心を弾ませているゲームプレイヤーたる小生が居る。
此処まで話を投入して、続編は何か行うべきことがあるのかと不安になり、その不安を払拭するためにも続編が待ち遠しかったわけであるが、
続編たるこの第2話は、ちょっぴり裕福なる印象の街並みが舞台となり、相変わらざる依頼もあれば、新たなる視点に於ける依頼も秘められている。
サンプルゲームに於いて「未定」となっていた、Packageからのキャラクターは、第2話には種々の形で登場してプレイヤーたる吾々を楽しませてくれる。
本編に繋がる依頼(クエスト)は、益々新たなる謎が登場し、続きが益々気になって仕方なく、第3話の登場に胸を膨らませずには居られない。
【気になる点?!】
第2話の森に於けるキラービーは、折角特定の場所に登場する強敵と位置付けられるくらいであるから、第1話のホーネットに(ほぼ?)同じ色合いなのは拍子抜けと言った所か。
このモンスターのグラフィックは100辺りの数字に於ける色合いは淡色で今一つパッとしない印象になってしまうが、後半の200辺り、赤系統や紫系統の色合いはそれなりに強敵と実感させるものに仕上がっており、この点は再検討を願いたい。
このキラービーの落とすアイテムの確率の高さは若干過剰に感ぜられる。
遺跡に於けるメタルゴーレムは一体にて登場し、巨体の割に弱いのが拍子抜け(殊にアイセルの雷撃に弱すぎる)。
経験値や所持金が多くて出逢う確率が高く(場面が切り替わると全員復活する)、更には強くないというのは流石にサービス過剰であろう。
第1話の遺跡にて、メタルスパイダーを普通に倒しても自爆させても同じ経験値と所持金を得ることが出来るという仕組みは製作者の本意では無きものと考えられる。これはツクールMVのシステムを問題とすべきところであろう。
第2話の遺跡の宝玉による謎解きは、今回は字面を追えば余りにもあっさりと解決できてしまう。
1つ目の謎解き、宝玉の一つを置きたることに成功の後はプレイヤーによる説明を一切無くしても支障を来たすことはあるまい。
第2話は最長でも2時間あればクリア出来る「サクサク感」が売りのようで、すぐさまレベル上げに躍起になる癖を有する小生が悪いのやも知れないが、第1話に登場するオークのそれなりの苦戦を鑑みるに、モンスター陣はもっと強くても(殊に敏捷性を上げても)差し支え無きように感じた。攻撃補助呪文が充実しているのであるから。
今回のアルドはレベルが12を超えた辺りからか、グスタフの用いていた特技を覚えるようになる模様。
「心頭滅却」を覚えることができるはずであるが、これは「特技」であり、アルドは戦闘時の選択肢に「特技」を選択することが出来る仕組みになっておらず、折角覚えた心頭滅却を使いこなすことが出来ない。
他にも幾つか使いこなせないアルドの特技が秘められているように考えられる。
サンプルゲームに於いても気にかかる点であったが、第1話のラストバトル、ある一定のターンが過ぎると、敵方は一切攻撃をして来なくなる。
恐らくTPを増やす技を発動させることに躍起になり、MPを無くしてしまい、通常攻撃を行動パターンとして設定せられていないものであるから何の行動も出来なくなるのであろう。
ここは一つ、MPを奪い取る技(特技)を不意を突く形にて敢行させれば面白くなるまいか。
護衛を任すことが出来るか否かの瀬戸際に立っている場面であるから、その位の裏切りはむしろ歓迎せられて然るべきであろう。
その対戦後、ロブがアルドに「改めてよろしく云々」と声をかける場面、「ログ」と打ち間違えられている。
この続編に於いても修正が施されていないことを最後に付け加えておきたい。
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