プレイヤーも主人公も何が起こっているかすぐには分からないからこその面白さ。
クリア時間 約45分。
システムのコンセプトが素晴らしい。
そのコンセプトが最大の特徴だと思われるが
それについて書いてしまうとネタバレになる可能性が高い。
本作の説明文が簡潔に書かれているのは
この特徴について知ったうえでプレイするよりも
知らないままプレイした方が面白いからではないだろうか。
ふりーむの仕様上、12行以上のレビューは省略されるので
13行以降から、内容に触れた実質的な感想を書くことにする。
姉の身に起こった悲劇を回避するために
妹が時間を巻き戻すループものNOV。
周回するごとに少しずつ真実が明らかになってくる。
初見プレイだと時間が巻き戻っていることにも
途中まで気づけないだろう。
主人公の回想の形で巻き戻るのだから。
巻き戻っている描写が本作には存在しない。
そしてスタッフロールが流れた後も、後日談が始まった・・・
と思いきや、しばらくすると見覚えのある会話になる。
そのときにプレイヤーがまた時間が巻き戻っていることに
気づくようにできているのだ。
この時間の巻き戻し、主人公が意図的に行っているものではなく、
主人公は意識的に記憶をとどめておくことができない。
ループしていることにはプレイヤーも途中まで気づけないので
その点で自然と、プレイヤーと主人公がシンクロする。
プレイヤーがループに気づくころに、主人公も直感的に
何かをしないといけないと思うのか、新しい選択肢が現れる。
周回するごとに選択肢も増え、選択を変えることで
徐々に真相が明らかになっていき、
最終的に悲劇を回避できるつくりなのである。
情報が少しずつ出てくるこの手探り感も特徴的だ。
スチルが表示される頃に一見うまくいったとほっとしていると
別のところでフラグが立てられるという二転三転し、
引き込まれる構成だった。
本作はプレイヤーにも主人公にもループものであることを
明示しないことで、気づいたらタイムスリップしていた感覚を
味わえる一作である。
あえて情報を与えない、それが非常に上手く機能していて
初見では本当に驚いた。
面白かったです
周回及び選択肢でエンドが変わる、ノベルゲームです。
主人公の姉の栞さんがとても良いお姉さんで、主人公に共感して読み進めることができました。
周回していくたびに選択肢が追加されるのが面白かったです。新たな選択肢が現れると興奮しますね。
真エンドに辿り着くのが難しくないのも良かったです。かといってただ周回していれば良いわけではないので、適度な難易度でした。
あとは、未読スキップ機能があれば更に良いかと思いました。
いやあ……いいお姉さんでした。ありがとうございました。
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