凶悪な危険人物や品性劣悪な嫌な人間は出てこない
それどころか主要人物の心は「綺麗」なのだろう
にもかかわらず、語弊を恐れずに率直に言うなら、不気味さがあると感じた
あまりに泰然としすぎていて人間味を感じられない登場人物がちらほらいる
宗教が支配する街だし、登場人物もそっちの人が多めなのである意味当然なのかもしれないが、
独特の感覚には共感しきれずに困惑した
過去の事件についても、そこまで手の込んだことをする必要があったのかと大いに疑問
後に尾を引いて問題なのは罪の意識であって、事件自体は刑事事件化するものでもないでしょう
子供を救うためならば他の人間を駒として使い不利益を被らせるのには全く躊躇がないなど、はっきり言ってあまりに独善的な規範にはついていけなかった
ある程度進んだところで美麗なOP(なんと紙芝居ではなくアニメーションである)が入ったあたり、ここから盛り上がるのかと期待したが
そこからあっさり終焉してしまったりと
やや肩透かしを食らってしまった感もある
話の構成としてはきれいにまとまっているのだが
どうもストンと腑に落ちない感覚が拭いきれない作品であった
大変凝った推理内容にも関わらず、無理矢理に合わせてくる感じは全くありません。本当に「すべてが誰かとつながる」ノベルでした。
その上落ちている謎を全て拾い集めてくれるので、すっきりした気持ちで読み終えることが出来ました。
他の方も仰っている通り、グラフィックも丁寧でとても綺麗です。オープニングもこの作品の見どころではないでしょうか。
以下、直接の内容は伏せていますがネタバレ含みます。
あれだけの名推理をする主人公ならば、先生を連れて喫茶店に行けば二人が鉢合わせる可能性があることくらい予想したのでは、と不思議に思いました。わざとそうしたのならば分かるのですが……。
作品のクオリティーが高いだけに、そんなどうでもいいことが気になりました。重箱の隅をつつくようなことを言ってごめんなさい。
楽しませて頂き、ありがとうございました。
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