他の皆様の「イラストが可愛いからプレイしました！」から始まるタイプの感想コメントを横目に、「ヴィジュアル面の一要素がゲーム始める動機ってのは…どーなんだい…？」などと、コッソリ思っていたりもした私。

　…スクリーンショットの主人公・リリチルちゃんのイラストが可愛いからプレイしてみました。
　絵柄も実にキュートながら、水彩画風の色彩がまたガッツリと良かったんですよね。素晴らしい。
　更に、作中ではなんと目をパチクリとさせてアニメーションするのですよ。なんてこったい…！

　一周プレイ時間は10分程度、全エンディングクリアまでに1時間と少し。
　とりあえず、一周するとある要素が解禁されるので、そこからコンプリートを目指していく感じになりますね。
　エンディングは全七種類。すべてのエンディングを狙おうとすると、意外に時間が掛かります。レアアイテム入手時・エンディングの会話読みたさに全てのエンディングを見ました。

　ファンタジー世界を舞台に、魔法使い見習いの子が、一週間でハロウィンのパーティ会場を仕立てるために奮闘するルームメイク・シミュレーション・ゲーム。
　一週間、といってもその一週間はなんと無限ループするので、行動制限はあるようで存在しないのがポイント。ヌルいということは、火傷の心配がないということでもあるのです。

　メインキャラクターのオリジナル・イラストも素敵なのですが、お店のキャラクターの絵も想像を掻き立てられる雰囲気でグッドです。
　全ての装飾アイテムにグラフィックが用意されており、所持品に応じてパーティ会場の様相が変化する、というシステムは、かなりの手間が掛かっているなあ、と推察されます。
　インターフェイスも凝っています。雰囲気作りが徹底されているのを感じます。
　BGMも、まったりとしていて実に作風とマッチした素材が…って、作者さんはBGM素材屋さんで、自作曲なのですね！　これは地味に衝撃的。キャラ画とBGMが自作、かつ良質とは、かなり高いハードルを平然と越えているような。フリーゲーム歴たぶん短くはないですが、あまり他に見たことがないですよ。


　上記のように、グラフィック面・インターフェイス面にかなりの作りこみが窺えるのですが、"ゲーム"としては、ちとどうなんだろ…？感は、なくもないのです。
　「午前はお金稼ぎ、午後は飾り付けを購入」のリピートとなるゲームなのですが、午前のお手伝いの報酬のランダマイズド要素が強く（傾向はあるようなのですが、ヒントが存在しません）、プレイヤー側の介入の余地なく入手額が決定されてしまいます。あるチート的なアイテムを獲得すると、午前の要素はほぼ全て無意味になってしまう辺りは、大雑把というか、割り切っている、と言えばいいでしょうか。
　前述の通り、ゲーム難易度の低さは「強さ」でもある、と私自身は思っています。こういった雰囲気重視のゲームなら、なおさらでしょう。よくない、と断言はできないのです。
　細かい点に触れると、曜日の表現が「ハート（記号）曜日」だったり「クローバー（記号）曜日」だったりするのですが、現実の月～金とかをモチーフにした方が流れがわかりやすかったかなあ、などと思ったりもしました。


　ちょっとブチブチと言ってしまいましたが、素敵な雰囲気たっぷりのゲームです。スクリーンショットで「イイかも」と思った方、プレイしてみて間違いないと思いますよ。
　フリーゲームは、何より作者さんの個性が現れるのが醍醐味。特にこのゲームは画も曲もオリジナルとのことで、他のゲームもプレイしてみようと思いました。


　（私のふりーむ！内フリーゲーム感想のまとめページ:http://goo.gl/LkiLiK）

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