饗庭淵さんの作品は本作以外全てプレイ済だったのですが、本作だけは毛色が違う感じがしたのでプレイしておりませんでした。だって、ヒロインが魔乳じゃないんですよ。饗庭淵さんのゲーム=魔乳が私の中での常識だったので…これは衝撃的。
饗庭淵さんの作品といえば、作りこまれた世界観、絶妙なゲームバランス、一風変わったシステムの三本柱が特徴だと思います。本作にもその色は見えるのですが、ゲームバランス以外の2点が弱く、言葉は悪いのですがストレートに言いますと黒先輩以降のクオリティを期待してプレイすると肩透かしを喰らいます。
黒先輩以降の作品をプレイ済の方は聖地巡礼として、そうでない方はクセの強いRPGとして…といったところでしょうか。一部、プレイヤーを罵倒する(というほどでもないですが)ような遊び表現があるので、そこはご注意を。
『特に変哲のないRPG』としてプレイすると毒のある台詞と、とんでも展開のイベントにヤられる。
トップページにある様に経験値はなく装備品と強化アイテムで強くするRPG。
その為、装備効果が高く1番最初の頭防具と体防具を装備しただけで急に楽になる。
物理攻撃よりも魔法の方が弱点を突ける分強力で、ボス戦時に持ってないと勝てない程。
レベルという概念が存在しないので魔法も買って習得する。しかしモンスターはお金を落とさない。
依頼達成と所持品売却によって稼ぐスタイルとなっている。
台詞に「エロゲか!?」と思わせる程の直接的性表現が存在するので、そういったものを許容出来るか否かでまた評価が違ってくるのでは。
RPGとしてのシステム面にはそれほど変哲がなく、お金を稼いでしっかり強化、広すぎずハマりのないマップ、テンポの良い戦闘、と普通といえる要素は持っているが、脈絡なく選択次第でNPCキルが出来てしまうイベント展開や、セリフにどう見てもそれ以外に受け取れない直接的性表現があり、ここに強いクセがある。
↓のマヤ氏が記した『嘘をつくというマイナス行為をしてまで普通を名乗る必要は~』おそらく作者の中では、構築の際にシステム面と台詞回しを別々にした、要は全体像として見ていない(強化方法はRPGとして至って普通、イベントと台詞が普通ではないのが裏付け)か、あるいは思考として別物と捉えていたか、それらが1つにした際にチグハグな形になっているだけで作者としては嘘をついているとの意識はなく、見えていない、気付いていない、若しくは作者にとってはこれが普通なのでは、とプレイして感じた。
穴に落ちたらしい主人公二人。気がついた所から物語は開始しますが、基本はこの不思議なダンジョンめぐりと強化の反復をこなして進んでいくお話です。お話というほどストーリーは見られず発展せず、強化も手間がかかり独特で、レベルは上げにくく、キャラはなんか…NPC含め総じて雑さが目立つ。軽くはないのですが、雑といった印象でした。
また難易度が高いのにそれに対する説明がなかったり、基本的なことも情報は手に入らず即死しやすかったり等、様々な基礎面で不足していました。しかし状況を考えればそれもありな演出なので、これらは難易度含めて許容範囲とも言えるでしょう。
紹介文では、奇抜なRPG、ちょっと変わったダンジョンゲーム等と書いてくれればそれで良いと思います。嘘をつくというマイナス行為をしてまで普通を名乗る必要はないかなと。
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