救いなど無い
鬼ごっことかくれんぼをミックスさせると怪異になっちゃう系。隠れんぼは昔からテーマになりやすく、鬼ごっこは青鬼なんかで爆発した感じですね。どちらにせよ鬼に捕まるところころされるので何とか逃げ延びましょう。幸い救世主がいるという噂。怪異には怪異を!さぁ立ち上がって踏ん張るのだ!
※以下ネタバレを含みます
しかし、どんな経緯であれ乗っ取られただけの仲良し少女を墜落死させてトゥルーエンド、なので、これまで遊んだフリーゲーム中でも最悪に近いレベルの容赦ない展開。この遠慮のない救いのないお話は怪異側としてみると好感が持てました。このエンドも怪異側は怪異なのでそれでよいのですが、主人公少女は墜落死させた少女を初め仲良しみんな殺されてるわけですので、えぐいなーすごいなーとプレイさせて頂きました。そしてそれを乗り越えていくのもまた……大分染まってるなとも。人間としては瞳さんは助けられた存在でもある中、主人公は悔いながらもそのまま見殺す。そりゃー睨まれるに決まってます。後悔先に立たずで一生悔いるかもしれませんが、幼少期なため乗り越えていくか。しかし殺された方殺した方に、それらの救いは全く無い。
ここが、他の数多のホラー作品とは決定的に異なる。何かしら問題児が犠牲になるパターンと違い、無垢な小学生、かくれんぼをしてただけで死ぬ。事件を隠蔽するなど思いもつかないような、きちんと戸締まりをを怠らない程のしっかりものの保険の先生も、落ち度なく死ぬという点で、特徴的でしょう。
トイレの救世主
地獄の鬼ごっこと意外な助っ人、短編ノベル & 会話ノベルに該当。
「鬼ごっこ中の主人公少女が狂気の鬼に追いかけられ、完全に袋小路に追い込まれたその時、あの有名な少女が現れ…」といったストーリー設定であり、話前半はホラーらしいグロテスクな描写が多く、後半は大分雰囲気が変わる内容となっている模様。
あの少女のみ立ち絵が表示されるが、それまでの話の流れであの絵柄の出し方は相当違和感があり残酷ホラーとしての恐怖感が大幅に薄れているし、かといってコミカルホラーとしてはそれまでの描写がえぐすぎて統一性に欠けている様にも思える。
選択肢は多めだが朗読スキップ可能でエンディングをすべて拝むのはさほど難しくはないと思われる他、話前半に比べると後半の描写が必要以上に長ったらしい気がしてならなかった。 (やたらと寄り道の多い脱出シーン)
初回プレイでは救い様のない残酷ホラーなのかと思いきや、あの少女が登場した後はコミカル & 感動路線に変更していき、あまりにも突然の路線変更に私は正直ノリについていけなかったというのが本音。
あの少女は意地悪かつ可愛らしく描かれていて魅力的だし、なかなかの萌える風貌であり、部分的に見れば決して悪くない作品なのだが…。 (Vol.340)
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